第2話 レベルアップ①
どれだけスキルをセットできるのか試してみた結果……
所持しているパッシブスキルを全部セットすることができた。
ただし重複はしない。
同じ種類の物はセットできないが、違う種類の物ならば全てできるみたいだ。
まぁ、現段階の話ではあるが。
これからスキルの数が増えたらどうなるかは分からない。
そして、現在の俺のステータスはこうなっている。
島田 司
LV1
ジョブ 合成師
HP 10(+1)
MP 3(+1)
攻撃力 5(+1)
防御力 3(+1)
敏捷 3
魔力 5(+1)
運 4
ジョブスキル
合成
アクティブスキル
火術Ⅰ
パッシブスキル
HP増加(微小)
MP増加(微小)
攻撃力増加(微小)
防御力増加(微小)
魔力増加(微小)
自己再生(微弱)
毒耐性(微弱)
混乱耐性(微弱)
魔力消費軽減(微小)
スキルの効果で、攻撃力などが1+されているぐらいで能力値には大きな変化が見られない。
1.05倍だから仕方ないか。
しかし1上がっているところを見ると、最低1は上昇するんだな。
「……そういや、ジョブスキルの《合成》って何だろう?」
俺は自分の持つ、ジョブスキルが気になりタップして確認することにした。
ジョブスキル《合成》
効果 同一カードを合成し、高ランクの物に変化させる。
同一カードを一つにできる……
よし、早速やってみるか。
俺はワクワクしながらスキルを発動する。
「合成、スタート」
《ホルダー》を開いて、合成スキルを起動すると、合成できるカードが淡い光を放っていた。
まずは……攻撃力増加だ。
二枚ある攻撃力増加をタップすると、『本当に合成しますか?』という文字が表示される。
俺は迷わず『はい』を選択した。
するとピカッと光を放ち、二枚の攻撃力増加が融合し――
レア度・N 攻撃力増加(小)に変化した。
効果は……攻撃力が、1.1倍になる。
という物だった。
「…………」
俺は興奮していた。
表示は確かにNだけど……効果はRの攻撃力増加と同じだぞ。
低いレア度でありながら、高レアと同等の力を手に入れられるということか。
最悪の職業を引き当てたと思っていたけど……なんだか無駄に無限の可能性を感じていた。
俺はそのまま二枚あるカードを合成する。
毒耐性(微小)→毒耐性(小)
塩→美味しい塩
木の枝→薪
クロスボウ→クロスボウ+1
全てがレア度そのままで、高レア相当の物に変化した。
俺はこの中でも一番気になった、クロスボウのカードを確認した。
レア度・N ランクA クロスボウ+1
攻撃力・中
以前は、ランクBの攻撃力・小だった。
これもレア度・R相当の武器になったようだ。
「島田。武器は手に入ったか?」
「え、ええ。手に入りました」
山根さんが優しい表情で話しかけてきた。
「じゃあ、出してみろよ」
武器を出す。
俺は聞いていた記憶を頼りに、クロスボウを出すことにした。
まずボウガンのカードを二回タップすると、ポンとカードがステータスから飛び出てくる。
それを手に取り、これを武器に変化させる言葉を口にする。
「チェンジ!」
俺の言葉に反応してカードが光り、クロスボウに変貌する。
「ボウガンか……まぁ、最初はそれで遠くからみんなを援護してくれりゃあいいよ」
「了解っす」
クロスボウはずっしりと重みがあり、現実の物として俺の手の中にある。
さっきまでカードだったのに、不思議な感覚だ。
「リバース」
その言葉でクロスボウは、カードに戻る。
俺としては、最初に合成できた武器がクロスボウでありがたいと感じていた。
公務員の両親に、慎重に生きることの大事さを教えられてきたのだ。
無暗に無茶をするなんて、命知らずのすることだと思う。
人生確実に生き残るためには、慎重すぎるぐらい慎重にしないと。
だからクロスボウが俺にはちょうどいい。
接近戦を挑まず、遠くから敵を狙い撃つ。
これで生存率の高い戦いを展開できると言うものだ。
◇◇◇◇◇◇◇
翌日、またゴブリンの集団と戦闘をした。
俺はクロスボウを使い、遠くからゴブリンを狙い撃つ。
「ギャッ!」
矢は敵の肩に直撃し、青い血を噴き出していた。
威力は申し分ない。
あれぐらいのモンスターなら、頭に当たったら一撃で倒せそうだ。
矢を放った後、左手に矢をイメージする。
こうすることによって弓やクロスボウは再度、矢が出現するらしい。
待つことおよそ10秒。
本当に俺の左手に矢が現れた。
それをまたクロスボウにセットし、別のゴブリンの頭部を狙う。
今度は外さないように……
一番傷だらけで動きが鈍いゴブリンを狙って、トリガーを引く。
矢は勢いよく飛んで、ゴブリンの頭に突き刺さった。
「よしっ!」
相手は地面に沈み、ピクピクと痙攣を起こしている。
もう動かないか視認していたが、数秒後には完全に息が止まっていた。
俺は喜びにグッと左拳を握る。
戦える。
俺でも戦えるんだ。
それにこの戦いが終われば……俺はさらに強くなれる。
俺は今まで味わったことのないほどの大きな喜びを感じ、身震いしていた。
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