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カーム  作者: 井上翔太
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カーム

私の初めて書いた小説です。ぜひ読んでください。

 ≪本当に母は、本物の母なのだろうか?父は、本物の父なのだろうか?先生は、本物の先生なのだろうか?≫と訳の分からないことを考えている少年がいた。その少年の名前は村上聡、水先高校に通っている何のとりえもない高校生だ。聡はいつも使っている通学ルートを歩いている途中だった。

「さっちゃん」

 後ろから笑顔で話しかけてきたのは聡の幼馴染みである遠谷晴美であった。

「なんだよ晴美、それとその呼び方はやめろ」

 歩きながら迷惑そうな顔で晴美を見る聡は、「はぁ~」と大きくため息をついた。

「いいよどうせお前何言われてもこの呼び方はやめねんだろ」

「うん!」

 うれしそうな顔で晴美は、首を大きくふった。会話をしているうちに二人は水先高校についた。聡は三年ニ組で晴美は三年四組であった。二人はそれぞれの教室に入った。

「よっ聡、今日お前だけ補修だな。」

聡は期末テストの成績が悪かったため、普通の授業が終わっても補修を受けなければいけなかった。

「うっせぇよ川崎、お前もぎりぎりだっただろ」

 笑いながら聡に話しかけてきたのは川崎徹、聡にとってたった一人の友達である。

「まあ俺は補修受けなくていいから家でゲームでもしとくぜ」

 聡は悔しそうな顔をしながら席に着いた。


八時間後


「じゃあな聡、補修頑張れよ」

「さっちゃん補修頑張ってね」

 川崎と晴美は笑顔で言った。

「うっせぇよさっさと帰れ」

 ただ別れの挨拶をしただけの二人だったが、聡は補修を受ける自分をバカにされているのだと勘違いし少し悪い言い方になってしまった。


             二時間後


補修が終わり、聡が時計を見るといつも下校している時間より三時間遅いことにきずいた。

「ずいぶん遅くなっちまったなぁ~」

 あたりも暗くなった住宅街を聡は、一人で走っていた。すると急に誰かに肩をトンと叩かれきがして後ろを向いたが誰もいない。聡は首をかしげて前を向いたそのとき、メガネをかけた四十代位の男が包丁をもって目の前に現れた。

「わぁ!」

尻餅をついた聡は、恐ろしさのあまり体が動かなくなってしまった。

「寿命をよこせ」

 ≪どうしよどうしよ、とにかく速く逃げなきゃ≫。聡がそう考えてるうちに男は、どんどん近づいて来ます。聡は必死に体を動かそうとしますが、口以外は全く動きません。

「寿命をよこせ」

「寿命?なんでお前なんかに寿命を渡さないといけないんだ!」

 聡は言葉で男を止めようとしますが、男には聡の声は全く聞こえていない様子だった。

「寿命をよこせ・・・・よこせーーーーーー」

 男がついに聡の頭めがけて包丁を刺そうとしたその時。バキューンと拳銃の音がなった。男は、額の中心が拳銃の玉で貫通し、蒸気となって消えていった。聡が恐る恐る後ろを見ると、スーツを着て、サングラスをし、右手に拳銃を持ったロングヘアーの女が立っていた。

「あなたは誰ですか。」

 聡は勇気を出して女に話しかけてみました。

「私は、カーム駆逐隊に入っている安藤三春だ」

 安藤は腕を組み話した。

「カーム?」

 聡は体が震えていたが話を進めた。

「カームとはもう一人の自分で、そのカームをくち・・・・」

「ちょっと待ってください話の意味が全く分からないんですけど」

安藤の話を遮って聡は戸惑いながら言った。

「一から話すぞ。この世には私やお前たちのような人間と誰かの人間の見た目、性格、DNA

を完全コピーしたカームの二種類がいる。」

「そんな話信じれるわけないだろ!それにもしその話が本当だとしたら世の中大変なことになるにきまってるだろ!」

聡は馬鹿らしくなってきて体を起こして帰ろうとすると

「ちょっと待て」

 安藤が聡の腕を掴んだ。

「まぁ~あれだ、おまえは被害者だから色々と聞かないといけないんだ」

 安藤は落ち着いた口調で言った。聡はその話を信じ、安藤の話を聞いた。

「カームには人間の記憶を操作する力と個人個人で違う特殊な能力を持っている。お前もさっきのカームになんかされたんじゃないか?」

 聡は自分の口以外動かなくなったことを思い出した。

「カームの食べ物は自分が完全コピーしている人間の寿命だ」

「でもさっきの奴は俺を完全コピーしたカームじゃなかったぜ」

「自分が完全コピーした人間が死ぬと理性を無くしてほかの人間から寿命を食べようとする。まぁたまにカームどうしで共食いするときもあるけどな」

 安藤は聡の質問を丁寧に答えた。

「カームが死ぬとあのように跡形もなく消える」

安藤は深呼吸をしてまた話し出した。

「今さっき話したことは全部、国家秘密のことだ」

聡は驚いた顔をし、話した。

「そんな話俺みたいなちっぽけな人間に話していいのかよ」

 安藤は笑顔になって言った。

「何を言っている、お前は人間じゃなくてカームだろ」 

安藤は、聡に拳銃を向けた。聡は逃げようとしたが、いつの間にか隣にある誰かの家の柱と聡の右腕が手錠でつながれていた。

「なんだこれ全然外れない」

 聡は必死に手錠を外そうとするが外れる気配が全くない。

「無駄だ!これは象の力でも外せなかった手錠だ」

 安藤は聡を睨みつけた。

「俺はカームじゃない、正真正銘の人間だ!そもそも何であんなに長話をしたんだ。あんたにとっちゃ俺を早く殺せばよっかたはずだ」

 安藤はだんだん聡の質問に答えるのが面倒くさくなってきた。

「そんなことお前に話す理由がない」

 安藤が拳銃を打とうとしたそのとき・・・・

「わぁ?!」

聡が、家の柱を折って逃げた。

「ここの家はシロアリに食われているので有名なんだよ」

聡は片手に手錠をしたまま走り、馬鹿にするような言い方をした。

「くそ!カームふぜいが私を騙すなんて」

 安藤は必死で聡を追いかけた。いつもなら聡の家にはあと五分で着くが、途中で道を間違ってしまった。しかし聡はそのことに気づかない。

「もう一時間は走ったか?」

 聡はへとへとになりながら呟いたが、まだ十分も走っていない。猫よりも遅いスピード走っていると、何か固いものとぶつかりこけた。顔を見上げると、聡が疲れがいっきになくなった気がした。安藤が聡に拳銃を向けながら待っていたのだ。

「今度は逃がさんぞ」

 聡の頭の中に晴美と川崎の顔が出てきた。二人とも何かを話しているが、聞こえない。≪そうか・・・これが走馬灯なんだな≫聡は死を覚悟した。

「死ねカーム」

 安藤は聡の額を拳銃で撃ちぬいた。

「ん・・ここは?」

 聡は自分の部屋で寝ていた。時間は聡がいつも起きる七時十五分であった。≪なんだ夢か~≫聡はほっとした。

「さっちゃん!さっちゃん!」

 外を見ると晴美が手を振って待っていた。聡は急いで支度をして家を出た。

「待たせたな晴美」

「ううん全然待ってないよ」

 聡と晴美は歩き出した。≪もし昨日の夢が本当なら今俺の隣にいる晴美もカームかもしれな・・・・≫

「さっちゃん?」

「どうした晴美?」

「いやなんか顔色が良くないから」

「そうか?昨日の補修がかなりきつかったからかも」

「何か悩みがあるなら言ってね、できることはするから」

 晴美は心配そうに言った。

「ありがとう」

 聡は、笑いながら言った。すると

「なぜ生きているカーム」

 すると聡の後ろから、安藤の声が聞こえた。


すべて読んでくださりありがとうございました。続編も書いているので、これからもよろしくお願いします。

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