表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バックトゥザ令和  作者: グレープヒヤシンス
60/60

令和着

 ん?寝ていた?熟睡からスッキリ目覚めた気分。

「あっ、姉ちゃん!」

「先生でしょ?」

「あ、うん。」

エリーの姿は、令和の時の先生で、きっと令和に帰れたんだ。これまで数年のスリップが多かったから、小さい頃の自分に融合すると思っていたのでかなりビックリ。

 まだ眠っている葛根湯達は変身したままだった。

「花音は?」

「花音って言うか、茂雄ね!先に目を覚まして、さっき迄居たんだけど、中々起きないから、一度家の様子をみにいったよ。あと、正路にも連絡したから、そろそろ着く頃ね!」

茂雄なんだね。何となくエイミーのままって気がするんだけど、恐る恐る、股間の様子を確かめてみた。

「エイミー、昼間っからそんなトコ触って嬉しそうにして!」

そりゃ、茂雄と異性でいた事を喜んでいるに決まってんじゃん!でもココ令和だよね?英太と花音、凛、愛梨、奈々美はどうなってるのかな?

 葛根湯達が目覚め、食堂に移動。60台になったゾウさんとちーちゃん、40台のアキちゃんが道場から駆けつけた。

「デカイの運ぶ担架代わりを用意してたんだ、起きてくれて助かったよ。」

ゾウさんがホッとした様子でニッコリ。

「じゃあ、人手は足りたんだね?」

えっ?ジくん?元の歴史なら、僕が小さい頃に死んじゃったんだよね?生きてる!気が付くとジくんの胸の中だった。

 茂雄が戻り、家の様子が初めから茂雄として産まれて、茂雄として育ったみたいにでその間の記憶が湧き出す様に頭に入って来たそうだ。

「思い出すって感じだよ。」

そんな話し理解出来ないよね?なんて思っていたら、僕も同じ様な感覚になり、葛根湯達も同じように別の記憶を思い出した。

 正路が到着。最初のスリップからの記憶って言うか、令和で過ごしていた事を確かめた。タイムスリップからは3日した経って居なくて、未来から来た正路が過ごしていた3日間の記憶は無く、僕らと同じように別の記憶をさっき思い出した感覚みたい。

 スリップせずに普通の時間を過していたエリーに、色々教えて貰った。

 先ずはジくん。胃ガンで亡くなった筈の父さんは、悪性かどうか解らない位の初期段階で胃カメラで見つけて除去、そのまま再発も無く、健康に過ごしているらしい。未来から来た女の子が、大人を説教するマンガがちょっと売れて取り敢えず、バイトしなくても、マンガで生活出来る位にはなったそうだ。

 次に変化が激しいのは正路の両親かな?路子さんは、どうせ離婚するならと結婚せずに正路を産むつもりでいたそうなんだけど、父さんの正さんは、納得せず、仕方が無く僕らのタイムスリップの事を打ち明け、離婚の経緯を話した所、意外とあっさり信用してくれて、実家を離れ雨丸姓で暮らしているそうだ。

 葛根湯のママ達は、妊婦向けのストレッチを習いに道場に来ていて、智子さん、路子さん、アキちゃんと仲良くなったそうで、ひょんなことから、タイムスリップをバラす事になり、エリーが付けた名前が気に入って、衛、光一、隆雄と命名したとの事。

 それと驚いたのは、道場が立派になっていて、2階分の吹き抜けの道場で3階が事務所と居住スペース、4、5階が賃貸マンションになっている。ジくんが、マンガのネタをエリーに相談した時に、仮想通貨の激高騰をフィクションとして話したそうなんだけど、実際に買ったら面白いと投資したら、独りボッチの諭吉様が、信じられない団体様になったそうだ。時空犯罪にならないか不安な所だけど、建て直しから1年、特に何も無いようなので大事なのかな?


 3階に行って、英司・晶子・英美の表札のあるドアに鍵を挿した。新しく覚えた記憶をたしかめながら自分の部屋に入った。机には写真立て。中学の修学旅行だね?茂雄とツーショ。前の時代か、持ってきた物を整理して、スマホの電源を入れた。

『そっち行っていい?』

茂雄からのメッセージ。

『オーケー!』

直ぐに現れた茂雄は、いつになく固い表情だった。

「エイミー、俺最初のスリップからずっと思ってたんだけどね、」

少し間が空いて、

「令和に帰ったらキチンと告白しようと思ってたんだ。もし、男同士でも、女同士でも!ずっとパートナーでいたいって!」

僕は、返事の代わりに目を閉じて、唇を突き出した。


 僕らの空白の3日間は、土日と月曜。今日も合わせて、2日間学校を休んだ位で元の時代は何も変わっていない。僕が英太だった事の方が夢だったのかと思う位に普通に馴染んでいる。実感としては、久しぶりに通う元の高校、初めて着る制服にちょっとドキッとして登校の仕度。アキちゃんのご飯を食べ終えると、スマホが震えた。

『下に着いたよ!』

茂雄からのメッセージだった。髪型を確かめ、リップを塗って、玄関を飛び出した。バスを待っていると、葛根湯達が自転車で通過。

「お先!」

懐かしい教室だけど、お喋りの輪がそれ程仲良く無かった女子ばかり、花音の友達って感じのコばかりで戸惑ったけど、直ぐに慣れちゃった。

 茂雄は先に着いていた葛根湯達と何か喋っていて、チャイムと共に滑り込んだ正路は、隣の席の女子と普通に会話している。治ったのかな?コミュ障。

 エリー、いや、富山先生が来て出席を取った。これで落ち着いたのかな?うん、元の時代だもんね。

最後迄お付き合い頂きありがとうございます。


3月1日より

『魔王の娘ですが、継ぐ気は一切ありません!』

をスタートします。

良かったらそちらでお付き合い頂きますよう、

よろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ