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バックトゥザ令和  作者: グレープヒヤシンス
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海水浴

 夏休みになって最初の火曜日、道場の電話が鳴った、マサミ宛の電話で、電器屋の社長・あやちゃんのお父さんからだった。前の時代では、日曜日が定休日だったけど、僕らがバイトしているスーパーに合わせて水曜日に休んでいるそうだ。僕らが明日バイトが無いのは解っているので、海水浴のお誘いだった。電器屋さんは羽振りがいいのか、仕事で使うワンボックスと自家用車があって、奥さんも運転出来るので、道場の皆んな(師範はお留守番)で出掛ける事になった。 ワンボックスはいつもは荷物を積むので前の席3人した乗れないけど、シートは8人分。師範も乗れるんだけどパスだった。

 あやちゃんの影響でご両親共にSFのセオリーは把握していて、マサミ(老師)が心配していた、ヘリウム並みに軽い口は心配しなくても良さそうだった。

「ねえマサミ、俺達の事『葛根湯(かっこんとう)』って言い出したのってマサミだよな?もしかしてこれも、あやちゃん?」

セブンの追求に、

「アレはね、俺が見つけたんだ!ヒントって言うかキッカケはあやちゃんだけどね、正露丸が気に入ったから、皆んなの名前でパズルしてみたんだよね!」

他には無かったかと聞いてみたけど、そんな偶然がちょこちょこ起きるはずも無い。

「狙ってたのかな?正路の父さん母さん!」

「産まれた時は、『坂下』だったんだ、おふくろの旧姓で今の名前だから、命名の時には考えていなかったと思うな。」

そう言えば、正路の父さんの話って聞いた事無いかも?

坂下・・?まあ、珍名さんじゃ無いから単なる偶然だよね?前の時代で道場に似合わない雰囲気で、フラッと通っていた謎の美少女って確か坂下って名乗ってたよね?イニシャルがYYで偽名だとか、住所にまだ出来ていない()の表記があったり、あの時代にはない筈の、大きく見える下着を着けていたり、怪しさ満点の彼女が、坂下さんだったよね?

「オヤジの方の、親戚とは付き合い無いから解らないけど、同い年位の従姉妹で『ユキ』って居るよ。雪か幸か解らないし、ユキなのかユキコなのかも全然覚えて無いし、そう言えば、確かオヤジの妹の子供だから、坂下でも無いけどね!」 

前の時代でも、僕らが居なくなってからは顔を出さなくなり、こっちの時代には出没していないので、気にした方が良いのか微妙だけど、今日は海を楽しむ事に専念しよう。

 名前でパズルして葛根湯をしながら見つけたのは他にもあって、先ずは花音、

「元々名前が薬師だもんね、薬縛り合格だよね、あと花音って観音みたいじゃん!薬師観音ってご利益有りそうだろ?」

「薬師如来でしょ?」

エリーが突っ込んだ。『花音』の由来は、編集社に勤めているお父さんが元々写真好きでカメラマン志望で入社したそうで愛機の名前から取ったそうだ。そのカメラメーカーさんの由来が『観音』って聞いた事があるので、あながち間違っていないのかも。

「それから、富山の薬売り、くすりえり、富山絵里!」

無理矢理だけど薬縛り。もうパズルも関係ない。僕だけ良いのか思い浮かばなかったらしい。仲間ハズレはちょっと寂しいな。


 他愛のない話で大騒ぎしながら海水浴場に到着。マサミは早速ビキニチェック。6年前と比べて、ビキニ率は微増だけど、ただのセパレートじゃなく、ちゃんとしたビキニになっているとマサミは満足そうに頷いた。

 日焼け止めがあまり浸透していないのか、浜辺のお姉さん達はサンオイルの方が主流みたい。僕らはエリーの断っての願いで日焼け止めを用意していた。SFPとかPFAとか書いて無いからどれ位効くのか解らないけど、しっかり塗っておいた。日光浴はビタミンDの為に有効って言う方が重視しているので、ちーちゃんも日焼けには無頓着。エリーが将来のシミ予防だと力説して、UVカット派に引き込んだ。準備万端で波打ち際へ。乾いた砂は熱すぎて、サンダルを置いてきた事を後悔した。黒くなった砂の所まで辿り着いて、足の裏のクールダウン。その勢いで海にドボン、ちょっと冷たかったけど大丈夫。葛根湯たちは放っておくと力の限り泳いで行ってしまうので、面倒なナンパ対策のために釘を刺しておいた。3人の筋肉は鎧の役目を果たし無駄ないざこざは起きず水遊びを堪能できた。

 お弁当を食べると、マサミはちょっと小高い所から、ビキニチェックを再開。お姉さん達を堪能している筈が、グルリと人垣が出来て、見物エリアの筈だったのに、マサミ()観るステージになっていた。ピーさんが救出に走って、取り敢えず、何事もなく連れ帰った。

「マサミ、水着観て楽しむのはいいけど、観られてる自覚持たなきゃ!美少女なんだから気を付けなきゃ!」

心配して注意したのに、なぜか皆んな大ウケ。

「エイミーにだけは言われたくないよね?」

セブンがツッコむと、更に沸いた。僕の『?』の表情を見て花音は、

「その言葉、ソックリそのまま貴女にブーメランね!」

えっ、そう言う事?エリーも腕組みで、寄らない皺を眉間に寄せようとしていた。もうひと泳ぎして、ビーチボールで遊んだ。

 もうちょい遊ぼうかと思ったけど、さっきのギャラリーが何となくこっちを向いて、微妙に距離を保ったままだった。

「いっぱい遊んだし、そろそろ混んで来たし帰ろうか?」

あやちゃんが空気を読んで、撤収を選んだ。

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