月面着陸(番外編)
21日早朝、エリーの歓声が道場内に響き渡り、皆んな目を覚ました。エリーが記憶していた7月20日は、アメリカの日付けだったようだ。アポロ11号の月面着陸の中継をテレビに齧り付いて見ていたエリーは、放送が終わると門の所に立って朝刊を待ち構えていた。配達のお兄さんから直接新聞を受け取ると、関連記事を隅々まで読んでいた。普段は、幼児がしては不可解な行動は慎んでいるが、興奮してそれどころじゃ無かった様で、感動ポイントは音読するし、ドルも暗算で円に換算して話すし、師範は目を丸くしていた。
さんざん大騒ぎしたエリーは、知能は先生だけど、体力は園児なので、あっさり寝落ちしていた。部屋に運んで寝かせてから学校に出かけた。
その夜、あっちの時代での僕等の事を師範にカミングアウトする事になった。老師が僕等と同い年な事は気付いていたのと、『僕』っていう一人称が気になっていたそうだ。その辺りはさほど驚いていなかっが、葛根湯達が、あんまりにも男子が板に付いている事に驚いていた。次いでに、ゾウさんとちーちゃんのゴタゴタや、父さんと母さん、それと花音のお母さんの件も具体的に伝え、歴史が変わらないよう監視してくれるようお願いしておいた。花音が心配していた、僕等の出生の危機は回避出来そうだね。




