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不死身の少女とSCP  作者: 白髪 九十九
カオス・インサージェンシー編
35/80

Case34 あけろ

本日から週一での更新を再開します。

今日を除き、毎週日曜日に投稿しようと考えていますので、これからもどうぞよろしくお願いします。

南攻略組。


流とシュレンとヴァルトの部隊。

そのうちのシュレンとヴァルトはその光景に圧倒されていた。


「うぇ……なにこれ」


シュレンは気味悪そうに顔をしかめる。


南攻略組の最初の部屋は何もないホール。

そこを拠点として機動部隊は複数人で組となりSCPオブジェクトの捜索を行なっていた。


「死体……財団のDクラスでも流石にこれはないでしょ」


シュレンとヴァルトは死体が山積みとなった部屋に来ていた。


〔酷いね〕

「南無〜」


シュレンは死体を観察しながら、瞳の開いているものは瞼を下ろしていく。


「殺し方はめちゃくちゃ。死体安置所ってとこかな。ここは」

〔とても安置じゃないけどね〕

「ごもっとも」


その時、突然死体の山の奥に扉が立ち上がる。


「!?」


ヴァルトはシュレンを庇うように立ち塞がる。

シュレンはヴァルトの後ろから拳銃を構え、扉へと向ける。


その扉は今まで横になっており見えなかったのか、急に現れるように立ち上がった。

もちろん何かの仕掛けが働いているわけではなく、なんの前触れも支えもなく立っているのだ。


「何…?」


SCPオブジェクト。間違いない。

だが、異常性がわからない。

視界に入れることにより発動するSCPだったらもうアウトだ。


トン……トン……


「ノック音?」


扉の奥から扉を叩く音が聞こえる。


「何?」


開けた方がいいのか。

いや、危険すぎる。このまま様子を見るべきだ。


そうやって悩んでる間にもノック音は少しづつ大きくなっていく。


「……なっ!」


だが、彼女の目を引いたのはそれではない。


驚くべきことに。


死体が起き上がったのだ。


シュレンは拳銃を死体の方へと向けるが、当の死体はシュレンに身向けもせずに扉の方へと向かう。


「あっ……マズい」


シュレンは動く死体へと拳銃を向けるが、死体の山が邪魔をして上手く標準定まらない。


そして、死体は扉に辿り着くと。


扉を両手で抑えた。


「あれ……?てっきり開けるかと思ったのに」


死体の山は次々と起き上がり、扉を我先にと抑えていく。


そして、ノック音は激しく扉を叩きつける音に変わり、その度に扉が震えている。


〔逃げる?〕

「いや、もしあそこから何かが出てくるんだったらここでどうにかする」


音は一層激しくなり、木の軋むような音や剥がれるような音まで聞こえてくる。


〔僕らも抑えた方がいいんじゃ〕

「罠かもしれない。もう少し様子を見る」


音が鳴るたびに死体は扉を叩きつける衝撃で後方に押し出されている。

今にも、中にいる何かは扉を破り外に出てきてしまいそうだ。


ヴァルトの言う通り抑えるのを手伝うか?


そんなことを思い始めた矢先。

音は唐突に止んだ。


「ヴァルト、警戒」


そんなことわかっていると言うようにヴァルトは扉に向かって構えている。


扉から先ほどまでの激しい音は消え、死体も動くのをやめる。



そして、扉は力を失ったように倒れた。


「非活性化…?こんな唐突に?」


シュレンはゆっくりと扉へと近づく。

そこには多数の死体に埋もれた扉。

特におかしなところはない。


〔なんだったんだろうね〕

「さぁ…?とにかくここの回収は他の奴に任せて私達はSCP-120-JPを探そう」


……あの死体達。


扉を抑えるというより、扉に縋っていたように見えたのは私だけだろうか?


あの扉が開いたら…どうなってしまったのだろうか。



********************



ヴァルトとシュレンと別に行動していた流は、長い廊下を4人の部下と共に歩いていた。


「なんやここ。長い割に何も無い廊下やなぁ」

「そうですね」


廊下の奥には扉が見えるが、側面には一切扉がなく、絵や花瓶が飾ってある。


「まあ、探す部屋がない方がうちら的には楽やけどな」


流は長い廊下をスタスタと歩いて行く。


「ん…?これどこかで?」


流はふと足を止め、近くの絵を見つめる。

どこかの大自然が描かれた油絵だ。

絵には油性ペンで文字が殴り書きされている。


「空を飛ぶ時……?」


その瞬間、視界がぐにゃりと曲がる。


「うっ……」

「大丈夫ですか?!」


頭が揺れる……。

くそっ……立ってられない…!


流は力が抜け、膝から崩れ落ちる。


「流さん!」

「その絵を見るな!」


流の声に隊員の動きが止まる。


「その絵を見ないようにひっくり返して!」


流の指示を聞くと二人の隊員が目を瞑り、絵を壁へと向ける。


……完全に油断してた。

絵のSCPなら恐らく見ることによって異常性が発揮される。

痛みは治まってきた……異常性はこれだけか…?

いや、最悪の事態を想定しろ。

これなら遅効性の異常性と考えるのが妥当。


「……あーあ。うち死んだかもなぁ」


流は隊員に支えられてフラフラと立ち上がる。


最初は軽い目眩。

だが、数時間後には死ぬかもしれない。


「…もしかしてここにある絵全てSCiP?」


SCPを廊下に飾ってるんなんて趣味の悪い冗談だ。

もし本当にそうだとしたら事前の情報はあてにならないという事だ。

それなら最悪の事態も想定しておかなければならない。


「Keterクラスもおるかもしれん……と」



********************



「帰って!治療の邪魔をしないで!」


少女は震えながらこちらに恐怖の眼差しを向ける。


「治療…?」

「よくわからないけど、あの子が重力源で間違いなさそう」


確かに、あの子の周りからは何か異質なものを感じる。


「今だッ!!」


少女の後ろの曲がり角から女の声が響く。

その瞬間、腰を低くして飛びかかったのは軍服に似た服を着た女性隊員達。

確か、久馬さんの部隊の人だったはずだ。

少女は慌てて振り返るが、間に合わず足を縺れてしまう。


「馬鹿者!安易に近づくな!」


久馬さんが声を上げた瞬間。



……ぐちゃり。


嫌な音が鳴る。


「あ……ああ……」


少女の周りには既に人の形を失った肉塊。

赤い絵具をひっくり返したかのような光景。


「あ……ごめんなさい……私……!」


少女はその光景を見て瞳に涙を溜める。


「二人とも!あれ…!」


私は二人を見るが、周りを見渡してもいない。


「ぐっ……」


下の方からする声に目を逸らすと、そこには地面に膝をつけた久馬さんとシュレンさんの姿があった。


「お願い……出てって」


座り込んだ少女がそう呟いた。

*御館 友梨のSCP勉強のコーナー*


「このコーナーでは、私、御館 友梨が画面の前の皆様と一緒にSCPを勉強していくコーナーです!今日の先生はこちら!」


「久馬 蓮だ!よろしく頼む!」


「久馬さん!よろしくお願いします!」


「うむ、今回紹介するのはSCP-132-KO『号泣する竹林』だ。オブジェクトクラスはEuclid」


「KOというのは?」


「Koreaの略だ。韓国で作られたSCPだな。以前登場したSCP-025-FRはフランスで作られたSCPだ」


「なるほど!ところでどうしてSCP-025-FRの紹介はしないんですか?」


「……どうやら素で忘れていたらしい」


「……あー」


「気を取り直して。SCP-132-KOは竹の姿をした生物で、異常な点として胞子で繁殖する」


「胞子で…?キノコみたいにってことですか?」


「ああ、松茸やエノキと同じだな」


「うぇ…エノキ…」


「どうした?」


「なんでもないです」


「とにかく、胞子で繁殖する点は同じだが、そこ以外は大きく異なる。キノコは普通菌床や材木に生えるが、SCP-132-KOは人を媒体とする」


「え、それってつまり…」


「ああ。人が次々に竹になっていく」


「何それ怖い」


「そして、この竹林。偶に歌声が聞こえるらしい……人の声で」


SCP-132-KO

『号泣する竹林』



「SCP-006-JPのあけろ」はlocker作「SCP-006-JP」に基づいきます

http://scp-jp.wikidot.com/scp-006-jp @2014


「SCP-1753のめまい」はEnresshou作「SCP-1753」に基づきます

http://www.scp-wiki.net/scp-1753 @2013


「SCP-059-JPの頭が高い小人」はdoragon akitsuki作「SCP-059-JP」に基づきます

http://ja.scp-wiki.net/scp-059-jp @2014


「SCP-132-KOの号泣する竹林」はCubic72作「SCP-132-KO」に基づきます

http://ko.scp-wiki.net/scp-132-ko @2013

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