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89話 花蓮side


最近えりなちゃんの様子が少し変わった気がした。 前みたいに健ちゃんの気持ちも考えず自分1人で突っ走る迷惑な感じが影を潜めているような気がする。



そんなえりなちゃんに健ちゃんの態度も幾分穏やかになったような気も……



どうしたのよ? えりなちゃんらしくないじゃない、いつもの空回りで墓穴を掘るえりなちゃんはどこに行ったの? それにあんなに険悪そうだった日々野さんとも仲良さそう。 負け犬同士気が合ったのかな?



うーん、これは放って置いていいものか…… えりなちゃんの事だから長続きしそうには思えないけど。



「健ちゃん! おはよッ!」

「おはよう、花蓮」



健ちゃんの腕に抱きついて頭を擦り付ける。 えりなちゃんや日々野さんの匂いなんかすぐ消してやるんだから!



そうしてると健ちゃんが優しく私の頭を撫でて乱れた髪の毛を直してくれる。 健ちゃん優しい!



でもえりなちゃんと日々野さんにも似たような事してるかな? 最近のえりなちゃん健ちゃんと少し近付いてるからやっぱり危険よね。



「花蓮、難しい顔してどうしたんだ?」

「え? 私そんな顔してる? 健ちゃんの事考えてたからかなぁ、えへへ」



そして放課後になり健ちゃんと少しイチャイチャした後健ちゃんは帰って行く。

そして私はなんとなく健ちゃんの後からこっそりとついていく。



なんで私はこんな事してるんだろう? 前も1度した事あるけどそれは健ちゃんが不安そうだったから。



でも今回は状況が違う。 私が不安だから。こういうのはえりなちゃんや日々野さんがお似合いだ。 なんでよりにもよって私が……



あの2人よりも余裕を持って健ちゃんに接していられて一歩も二歩も先を行く。 それが私のアドバンテージじゃなかったの?



そんな事を考えながらちょっと進むとえりなちゃんが出てきた。 ああやってコソコソして会ってたのね? まぁ想像はついてたけどさ、日々野さんなんかと手を組んで負け犬同士結託しようって腹?



ていうかえりなちゃんずっとあんな所で健ちゃんが来るまで待ってたのかしら?



まぁ魅力も実力でも私に敵わないえりなちゃんには私と健ちゃんがイチャイチャし終えるまで待つしかないよね。ププッ、想像したら笑えてきた。



「待ってたわよ健斗」

「よくもまぁ毎回いるよな」

「仕方ないじゃない、だって健斗と私だけの時間って登校と下校くらいなもんなんだから。 あ……」



そう言うとえりなちゃんは健ちゃんの頭を撫でた。 撫でたと言うより髪型崩れてたから直していた。



何? えりなちゃんのくせにそんな気の利いたような事してアピールしてるの? なんだか私はそんななんて事ない事まで気に入らなくなっていた。



「はい、綺麗になった」

「ん? ああ、別にどうでもいいけどな」

「私が気になるの! そういう所だらしないのよねぇ健斗は」

「そうか? 」



ムカつくー! ムカつくムカつくムカつく! おっと落ち着け私…… あんなのなんて事ないよ。 私と健ちゃんの方がもっとラブラブしてるもんね、えりなちゃんのは所詮おままごとだ。



だけどなんか健ちゃんも満更でもなさそう…… えりなちゃんなのに。 日々野さんの時もだ、負け犬のくせに。



グツグツと私の中でえりなちゃんへの憎悪が煮えたぎっていると……



「ねえ」

「なんだ?」



えりなちゃんが健ちゃんの両肩を掴んで顔を真っ赤にさせていた。 何してんの? 私の前で。



えりなちゃん、私の健ちゃんとある一線を超えたらどうなるかってまだわかってないの? やめないで本当に腕をへし折ってやった方がよかったかな?



2人がキスしそう、しかも私が見ている所で…… 許せない、絶対許せない!



そう思った瞬間私は2人の前に出ていた、こんな事するの私らしくない。 健ちゃんはそういうのが嫌なはずだ。 普段だったら仮にキスしようとしていても2人の前に出て行くなんてしなかった。



だけどそれ以上に許せなかったんだ、えりなちゃんと日々野さんが少し変わって健ちゃんもそんな2人への態度が変わった事に……



「か、花蓮ちゃん!?」

「花蓮?」



自分でもしまったと思った。 私今どんな顔してる? 怒ってる? 笑ってる? わかんない……



だけど私は一歩また一歩と2人の前に近付いてる、そんな私に2人は動けないでいるようだった。



「か、花蓮、これは……」



そんな健ちゃんにえりなちゃんは健ちゃんの前に立った。 何? 何様のつもりなの?



私は拳を力一杯握りしめた、えりなちゃんのその健ちゃんを私から守ろうとしている目が気に食わなかった。そしてえりなちゃんを殴っていた。



えりなちゃんの顔が弾け後ろの健ちゃんに当たる。 殴られた時も健ちゃんに縋ろうっての? 図々しい。



「えりな!」

「大丈夫よ健斗…… こういうの慣れてるから」



はぁ? 慣れてるって? だったらそんな涼しい顔してられないくらいにしてあげようじゃない! 私が再度えりなちゃんに殴り掛かろうとした時……



「やめろッ!」



健ちゃんの怒声が響いた。 え? 健ちゃんが私に怒鳴った? あの優しい健ちゃんが? さっきだって私の頭を優しく撫でてくれた健ちゃんが……



嫌だ嫌だ嫌だ嫌だッ!!



「花蓮……?!」

「花蓮ちゃん……」



私はその時泣いていた。 健ちゃんとえりなちゃんの前で…… 堪えようとしたけどダメだった。 私はその場に居たくなくて走って逃げた。



許せない…… 許さないッ!!





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