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87話 突然の訪問2


沙耶が家の目の前に来てしまっている。 えりなをどう隠す? 先ずはえりなの靴? ハッとしてえりなの匂いを嗅いだ。



「な、何? もしかして私臭い?」

「いや、俺の家の匂いになってるな? よくわかんないけど……」

「健斗の家の匂いねぇ…… ふふッ、健斗の匂いかぁ」



そう言ってえりなはニヤニヤしながら自分の匂いを嗅ぎだした。 今そんな事してる場合じゃないっての!



あ! えりなの私物! ああ、それは響紀の部屋にあるから別に問題ないか。 沙耶の目的は俺であって響紀にはなんの興味なんてないはずだし。



残るはこの小煩いえりなをどこに隠すか…… こいつは家のどこに隠しても見つかりそうだし。



「健斗! さっきから人を邪魔者みたいに見るのやめてくれないかしら? いくら健斗でも怒るわよ?」



お前大抵カリカリしてる顔のくせに何言ってんだよ……



「ヤバイな、こんな事して時間食ってたら沙耶に何かあると勘付かれる」

「別にバレてもいいんじゃない?」

「アホか! 沙耶にあんだけ殴られた事忘れたのか?」

「あれは殴らせてあげたの! 花蓮ちゃんじゃないんだからあんなのに私が負けるはずないじゃない!」



そういう事言ってるわけじゃないんだよ、揉め事起こしたくないだけだ……



「よし、えりな! 沙耶が帰るまでお前は響紀の部屋に居てくれ」

「嫌! 私も健斗と一緒に居るわ!」

「大人しくしてくれたらキスするから!」

「え? じゃあ隠れててあげようかしら…… にししッ」



えりなは怪しい笑みを浮かべて響紀の部屋へ行った、これでなんとかなるかな……



俺は急いで玄関に行きえりなの靴を隠してドアを開けた。 開けると沙耶が緊張した様子だけどどこかウキウキとした感じで立っていた。



「こ、こんにちは、健斗君。 急にごめんね? ビックリだよね……」

「あ、ああ。 確かにビックリした。 どうしたんだよ?」

「怒らないでね? 美咲さんの真似!」

「は!?」



えりなの真似ってどういう事?



「だって美咲さんいつも健斗君にいきなりこういう事してるし…… 私もやってみたくなったっていうか」

「なんだよそれ…… えりなの悪い所は真似しなくて良いんだよ、まったく」

「私だって健斗君をドキドキさせてみたいんだもん…… 」



悪い意味のドキドキをさせるのは勘弁してくれ……



「あ! これ健斗君のご家族に!」



そう言って沙耶は袋を俺に渡した。 ああ、お菓子持って来てくれたのか。 だったらやっぱり家に上げてお茶でも出さないと失礼だよな。



「わざわざ悪いな」

「ううん、いきなり来ちゃった私も悪いから」



沙耶はなんだかムズムズとしている。 やっぱ俺の家に入りたいよな。



「上がってけよ? 誰もいないけどさ、お茶くらいは出すよ」

「ありがとう。 誰もいない…… 健斗君だけ」



沙耶の顔がなんだか興奮してきている、誰もいないは失言だった、でも入ったらわかる事だしどうしようもない。



沙耶は俺の家をキョロキョロと見回した。 えりなの痕跡があるかもしれないのであまり見て欲しくはない。 でも隠す物は隠したし……



そう思って安心していると沙耶の顔が急に曇りだした。 え? どうしたんだ?



「健斗君…… どうしてそこにうちの学校の制服があるの? しかも女子の」



ああーッ! やっちまった、洗濯物まで頭が回らなかった、汗まみれになったから響紀が気を利かせてえりなの制服を洗濯してリビングで乾かしてたのか、なんたる凡ミス……



沙耶は干してある制服に近付きジッと制服を見つめ匂いを嗅いでいた。 流石に誰のかなんてわかるはずが……



「美咲さんのだ…… 」

「え!? なんで? どうして!?」

「だって私前に美咲さんのシャツ借りた事あるし何よりボタン直した痕がある! それに微かに美咲さんの匂いがする」



そこまでわかる沙耶が怖い…… なんて考えていると沙耶が俺に涙混じりの顔で近付く。



「健斗君誰もいないなんて私に嘘ついてたんだ? 私が来る前に美咲さんと私に言えない事して私が来たから急に慌てて美咲さんを隠してやり過ごそうって……」

「ええと、沙耶違うんだ! 俺はただ平和的に何事もなく…… ていうか言えない事なんてするはずないだろ?」

「じゃあ美咲さんはどこに隠したの!?」

「ど、どこって……」

「そもそも…… 私が来る前まで誰もいない家で美咲さんと2人きりだったなんて!」



明らかに沙耶は怒っている、いつもおっとりした感じの沙耶はどこに行ったんだよ……



「もぉ〜、これだから見てらんないのよ」



後ろからえりなの声が聞こえた。出て来ちゃったよ、えりなまで。 頼むから前の再現はよしてくれよ……





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