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77話 えりなside3


昼休みになり私は今日は自分から引っ張って健斗とお昼食べに行こうと健斗のクラスに顔を出す。 居た! 相変わらず花蓮ちゃんと地味子のコンビに挟まれてるけど……



まぁそんな事はどうでもいい、私は私でアピールしようと思い健斗の所へ向かおうとした時手を掴まれる。



「うわッ、冷てぇ…… なんでこんなに手冷えてんだよ?」

「え? ええ!? う、うう、上野君!?」



まさか上野君が私に構うなんて思っても見なかった。 上野君は花蓮ちゃんの事を好きであって私の事なんて眼中にないと思ってた。 今もそうかもしれないけど。



「ああ、いきなり止めて悪いな。 ちょっと俺と話さない?」

「い、今? からですか?」



あんまりビックリだから敬語になっちゃった……



「ああ、今だ」



好きだった上野君からそう言ってもらえてドキッとしないわけがない。 私今どんな顔してるんだろう?



でも今私は上野君より健斗の事の方が気になるの。



そんな様子を健斗と花蓮ちゃん、地味子が見ていた。 そして花蓮ちゃんが私を見てニヤリと笑う。 なんなのよ? その顔は! 私の邪魔ばかりして滅茶苦茶にしといて……



ああ、それに出来ればこんな所健斗には見られたくなかった。



そんな思いが通じたのか上野君は私を引っ張って屋上のドアの辺りまで行ってくれた。



そして上野君は私の手をパッと離し頭をポリポリと掻いていた。 どうしよう、私上野君と2人きりだ。 花蓮ちゃんと付き合っていた時はどうやっても届かなかった上野君と……



今は健斗が好きって思ってるけどこれもこれで緊張する。 なんなんだろう?



「あのさ、美咲って俺の事好きだったんだよな?」

「ええ!? どうしてそれを?」

「花蓮とはタイプが全く別だけどこうして見るとやっぱり美咲も相当美人だよな」

「あはは、花蓮ちゃんとはあまり比べて欲しくないな…… それで誰から聞いたの?」



私はそんな相手からそう言われて恥ずかしくなりカァ〜ッと顔が赤くなる。



「前に花蓮から聞いたんだ」

「あ…… 花蓮ちゃんからか」




だけど花蓮ちゃんの名前が出た途端私の気持ちは沈んでいく。



「でさ、そんな事言われたら俺も急に美咲の事意識しちゃってさ。 だんだん気になってきたっていうか…… 」

「そ、それってつまり……」

「俺と付き合ってくれ美咲」



まるで雷にでも打たれたかのような感覚に陥る。 私は健斗を好きだと自覚する前だったら上野君にこんな事言われたら泣いて喜んでいただろう。



だけど今私の中では健斗の存在がほぼ全てを占めている。 どうしてこんなにタイミングが悪いの? 花蓮ちゃんのさっきの気に食わない笑顔はこうなるってわかってたの?



だとしたらやっぱり許せない。 どこまでもどこまでも私をバカにして。 そんなに私が気に入らない? 花蓮ちゃん……




「美咲、お前の気持ちはどうなんだ? まだ俺の事好きか?」

「…………」

「黙ってちゃわからないよ」



正直好きだった上野君にこんな事を言いたくない。 今は健斗の事が好きだけど私は確かに上野君の事も好きだったんだ。 上野君をまだ好きという気持ちは少しはあるけど私が本当に好きなのは健斗。



「ごめんなさい、私今は健斗の事が好きなの」

「また健斗か…… 花蓮といい美咲も…… あいつは!」



今日に限って、というより花蓮ちゃんの策略だろう。 屋上に健斗達が来ない。花蓮ちゃんは私と上野君を2人きりにさせたいのね? 今になって…… 私はこの場から逃げ去りたかった。



「なあ美咲、目を覚ませよ? 健斗はそこまで好きになるような奴じゃないぜ?」

「え? 」

「あいつさ、よく見てると花蓮にも日々野にもいい顔してるだけできっと美咲の気持ちも弄んでるぜ? 本人は花蓮の事が好きって言ってるけど実際あんな風に女を侍らかしている奴なんて信用出来ないだろ?」

「そ、そう…… なのかな」



好きだった相手が今私の好きな人を貶している。 私の心はどんどん沈んでいく。



「あいつは最低だよ、友達だと思ってたのにな」



やめて。



「あんな奴そのうち絶対罰が当たるぜ」



やめて……



「憎くて憎くて堪らないんだ。 美咲、あんなクズなんて忘れて俺と付き合ってくれないか? 健斗の所へ居たらダメになっちまうぞ? あんな奴…… えッ?」



バチンと階段の踊り場で音が鳴った。 私はいつの間にか上野君をビンタしていた。 涙が止めどなく溢れてくる。



「み、美咲?」



上野君は私にビンタされた頬を押さえて目をパチクリさせていた。



「ぶっちゃってごめんなさい、だけど上野君の口から健斗の悪口なんて聞きたくなかった…… 」

「え、あ、美咲!」



私は走ってその場から逃げ出す。 階段を少し降り息を整える。 階段の手すりを握る手に力が入る。 私ってば上野君になんて事……



そう思った時だ、私の背中が何かに勢いよく押されて階段から落ちそうになる。だけど手すりを強く握っていたので手すり側に体が強く当たった。



「あうッ…… 誰?」



私がそいつを見る前に私を押した奴は角に消えてしまった。 もしかして村上さんを突き飛ばした人と同じ人?



何がチャンスよ! 私痛い目に遭ってばかりじゃない…… 花蓮ちゃんや地味子にも邪魔されるしふざけんじゃないわよ!





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