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65話 3人は息が合わない


2時間目、3時間目と授業が続く中沙耶は俺に相変わらずピッタリとくっつき授業を受ける周りからは新月いるのにとか何見せつけてんの? とかヒソヒソ声が聞こえる。 沙耶は家に羞恥心も忘れてきたのか?



休む前はこんなにあからさまな事してこたかったのに……



沙耶は地味な時から胸は大きかった、机に胸を乗せ俺のすぐ隣で授業を受けるそんな沙耶の姿は目に毒だ、花蓮にふと目をやると花蓮もこちらを見ていた。



だけど花蓮はにししと笑い掛けると花蓮は俺が嫌がっているように見えているのかすぐに黒板の方へ目を向けた。 まぁそれならまだいいか……



「健斗君……」



沙耶が静かな声で俺に話し掛ける。



「今新月さんの事見てた?」

「いや、たまたま目が合っただけだよ、少し目のやり場に困ってさ」



すると沙耶は机の上に乗せていた自分の胸を見てカァ〜ッと赤くなり背筋を伸ばした。



「やだ、わ、私ったらは、はしたない…… 健斗君になんて物を……」



沙耶、言ってる事とやってる事無茶苦茶だぞ? だったらもう少し離れたらどうだ?



なんて本人には言えないので軽く咳払いをする。 ふぅ〜ッと沙耶が息を整えると沙耶の髪の毛からフワッといい匂いが俺の鼻を刺激する。



はぁ、もし花蓮じゃなくてえりながこの光景を見たら秘密とか言ってても冷静じゃないだろうなと思った。



そういえばあいつ休み時間にも姿を現さないけど今朝の事が効いてるのかな? でもそれでいい。 だって3人揃ったらいくらなんでもキツすぎる……



沙耶まで妙に大胆になっているし…… とそんな事を考えていると太ももに何か触れてビクッとすると沙耶の手が置かれていた。



沙耶は照れながら伏し目がちにこちらを見てくる。 さっき自分ではしたない事をって言ってたのに…… 俺は仕方なく太ももに置かれた沙耶の手をギュッと握る。



「あッ……」

「沙耶、後で2人きりになった時にこうしてあげるから大人しく授業を受けような? 俺勉強してる沙耶の横顔見るの好きなんだ」

「け、健斗君…… す、好きって…… うん! そうだね」



自分の臭いセリフに言ってて鳥肌が立ってくるがそのお陰か沙耶は手を机の上に戻し黒板に目を向けた。



そして沙耶は時折俺が自分を見ているかチラチラと見るので俺もしっかり沙耶の事を見ているよと振る舞う。 俺学校に授業を受けに来たんですけど……



昼休みになり花蓮がお昼食べに行こうと俺の所へ来た。



「健ちゃん行こう?」

「あ…… 健斗君」



花蓮が来た瞬間沙耶は寂しそうな顔になる。



「日々野さん、健ちゃんいっぱい堪能したでしょ? それに午後からも一緒でしょ? それとも私の事が好きな健ちゃんを私と居させないで健ちゃんに寂しい思いさせたいのかな?」

「だって…… 健斗君は私の事……」



マズい! 変な空気になってしまう、そう思った俺は……




「沙耶、花蓮の言う通り午後からも一緒だろ? 別にお昼食べるだけなんだから何もないって」

「そうそう、何もない!」



そう言って花蓮は俺の手を引き屋上へと向かった。 そして屋上に着くとそこにはえりなが居た。 偶然じゃない、明らかにえりなはここに来ると思って屋上に居たに違いない。



ていうかえりなの根性も凄いな、あれだけ花蓮とやり合ってまだ懲りてないとか…… だがえりなは俺を見ると心配しないでという感じに目配せしていた。 どうやら争う気はないようだ。 今はだけど……



「あちゃー、お邪魔虫が居たかぁ」

「別にただここに居ただけよ」

「じゃあただここに居ただけのえりなちゃんは私らの邪魔はしないでね? 食べよう健ちゃん」



花蓮はそう言って弁当を広げた。 そして俺もその隣に座ると俺の隣にえりなも座った。



「何してるのかな? えりなちゃん」

「別に。 たまたまここに座っただけでしょ? どうぞお構いなく」



そんな事をいっているえりなだがそのえりなからは明らかにプレッシャーを感じる。



「ま、まぁたまたまここに居合わせただけでたまたま座っただけだから気にしないで食べような? 花蓮」

「そうだね、たまたま座っただけだもんね! はい健ちゃん、あーん」



たまたま座ったえりなにはこの光景は筆舌に尽くしがたいのでは…… えりなをチラッと見るとそんな光景をニコニコしながら見ているがとても笑っているようには思えない。 だけど花蓮の行動も無視出来ないので差し出された物を口に運ぶ。



「美味しい? 健ちゃん」

「ああ、とても美味しい」



隣のプレッシャーのせいでよくわかんないけど……



「そういえば再来週にはもう夏休みになるね? 前言ってた通り一緒に海に行こうね」

「ああ、そういえばそんな事言ってたな」



えりながピクッと反応するがそのまま弁当を食べえりなは受け流す。 ふぅ、こりゃ後が大変そうだ……



「健ちゃんに私の水着姿見せてあげるね! 自信あるんだ私体型には気をつけてるから」



そう言って花蓮は俺にしがみ付いてイチャつく。 そんな素直な花蓮に俺も若干顔が緩みそうになるがえりなの視線に気付き真顔になる。 これっておかしくね? ニヤけた方が花蓮には自然なのに何故に抱きつかれて難しい表情をしてるんだ俺?



「花蓮、海楽しみだな!」



えりなの方を向いてそう言う。 花蓮は俺に腹に顔を埋めているのでわからない。



「そうだねぇ、凄く楽しみ! でも夏休みは微妙かも。 私それより健ちゃんに毎日会える今がいいな」

「そうだな、休みになると学校みたいにはいかないもんな」



えりなにこれはあくまで社交辞令だという目で訴えながら花蓮と話す。 早くも嫌になってきた……



そんなこんなで気不味い昼休みも終わり沙耶とおっかなびっくりの授業で今日はくたくたになってしまった。



だけどなんとか俺は3人を上手く誤魔化して? 誤魔化しているのか誤魔化されているのかはわからないけど夏休みに入る。



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