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46話 お友達同盟


なんか気不味い…… わかってたけど。 それにしても沙耶、いきなり花蓮に牙を向けるなんて最近怖すぎだろ。 改めて1人じゃなくてよかったってそこは思ってる。花蓮は何か来るのは予想済みだったがえりなも沙耶の奇襲が失敗したのを少し悔しがっているように見える態度はどうにかしろよ……



「で…… その…… さっきの話だけど新月さんと健斗君がどうしてそうなったの? それに健斗君本当なのそれ?」

「付き合ってるとかは意識してなかったけど花蓮を好きになったのは本当だ」



その言葉にえりなと沙耶は押し黙る。えりなはそんなの聞きたくないという感じに。 沙耶はえりなに最初にそう告げた時のようにショックを受けていた。




「…… 泥棒」



ボソッと沙耶がそう呟く。 それは花蓮に向けている言葉だとわかり、花蓮もすぐさま反応する。



「それって私の事かな? 日々野さん」

「他に誰がいるの? 私と美咲さんが居ない間に!」

「確かに2人にはそう見えるかもしれないけど私えりなちゃんや日々野さんみたいに健ちゃんがとても嫌がるような事したりして健ちゃんに好きになってもらったわけじゃないよ? 2人共健ちゃんの気持ちとか考えた事ある? 」

「「うッ……」」



花蓮の言葉に再度2人は押し黙る。 そうなんだ、花蓮はいつも俺の気持ちを汲んでくれて俺はそういう所に惹かれて……



「わ、私だって自分のそんな所直そうと頑張ってたもん! それに健斗を助けようとして学校休む羽目になっちゃったけどそこは後悔してない」

「へぇ、えりなちゃんあれだけ好きとか嫌いとか興味なかったのに随分考えが変わったんだね」

「うるさい!」

「私上野君と別れたから」

「え?」



花蓮の言葉にえりなは驚いた。 そして……



「えりなちゃんは上野君の事好きだったでしょ? だからお好きにどうぞ? 私はもう健ちゃん一筋だから」

「な、何がお好きにどうぞよ!」

「私は最初から健斗君一筋だもん……」

「じゃあ日々野さんは私のライバルだね。 健ちゃんは渡さないよ?」



花蓮は俺の手をギュッと握って2人にアピールして俺に微笑み肩に頭を寄せた。

するとダン!とテーブルを叩いて沙耶が立ち上がる。



「ズルい…… ズルい! だからってズルい! 私も健斗君にそうしたい、新月さんだけズルいよ!」



え? そっちかよ? 沙耶はもう片方へ回り花蓮と同じようにしてみせる。



「えへへ、健斗君とくっついちゃった」

「地味子! ドサクサに紛れて何してんのよ!? そこは私の居場所よ!? 退きなさい!」



えりなが俺から沙耶を退けようとするがガッチリと腕を組まれてなかなか離れない。 花蓮は俺が倒れないように反対から引いていた。 なんだろうこれ? 漫画とかでよく見る光景だけど具合悪くなってくる……



「ほら、そういうとこ! 健ちゃん見なよ? 凄く不快な顔してるのわからない? 」

「え? あ…… ごめんなさい健斗、そんなつもりじゃ」

「健斗君とくっつけたから…… 満足、でもごめんなさい」

「まったく…… 2人共自分の欲求に素直過ぎるんだよ。 でもさ私達って友達でしょ?」



花蓮がそう言って鞄から野外演習で沙耶が切り刻んだウサギのぬいぐるみの下半身を取り出した。 持ってたのかその友達の印というより呪いの印を……



「へ? あッ! これ健斗君!」



俺の名前を呼び同じく首だけになったウサギのぬいぐるみの頭部をカブでも引っこ抜くように見せてきた。 てか首チョンパしたウサギに俺の名前を付けないでくれ…… 俺の末路みたいに見えてきてゾッとする。



「えりなちゃんだけは持ってないんだよね薄情〜」

「仕方ないでしょ!? ほぼ手ぶらで来たんだから!」



それ以前にそんな物を持ち歩いている方もどうかと思うけど花蓮の事だから何か考えてるんだよな?



「まぁいっか。仮にも友達の私達が争うのを見て健ちゃんがドン引きして更に心が離れてくのよ? そうなったら2人共嫌でしょ? もちろん私も健ちゃんに嫌われるのは嫌」

「それで? 何が言いたいのよ?」

「だからね、お見舞いに行く時は私もついていきますって事」



え? それなんか意味ある? そんな事したら余計に話がめちゃくちゃになってしまうんじゃないのか?



「ちょっと何よそれ!? 意味わかんないんだけど!」

「だって私が居ればどっちかのお見舞いで抜け駆けとか出来ないでしょ? 私が止めるもん。 そうすれば健ちゃんの不快指数も減るしえりなちゃんも日々野さんもこれ以上ドン引きさせられないで済むよ?」

「そんな事言って新月さんは抜け駆けする気じゃないの?」

「そうよ! 信用出来ないわこんな奴」




えりなと沙耶の言う事はわかる。 花蓮ちょっと自分に都合良すぎる条件じゃないか?



「日々野さんさっき健ちゃんにくっついた時私止めた? えりなちゃんが邪魔しただけで私は止めてないよね?」

「え? それは確かに……」

「私がついていればしっかり見張っててあげるからハグまで許してあげる。だけどそれ以上は許しません! それに私も抜け駆けなんてしないよ。 私のは健ちゃんが証人になれば1番でしょ? それとも健ちゃんが信じられない?」

「「うぅ……」」



俺が信じられない? と言われ2人は何も言えなくなった。 だけどもしかしてこれは上手く行くんじゃないのか? この条件無茶苦茶なようで花蓮も縛りを受けているから公平に聞こえる。 そして俺を証人としている事で丸め込もうと……



「変な事しようとしたら私が止めるからえりなちゃんも日々野さんもお互い見ていなくても安心でしょ? お友達同盟って事で納得しようよ。 ね? 健ちゃんもそれでいいでしょ?」

「え? ああ、2人共怪我が治るまでその方が安全でいいかもな」



有無を言わさず俺に賛成を促して花蓮はその場を収めた。 花蓮はコソッと俺に勝手に決めちゃってごめんねと言ったが俺には何も思いつかなかったので花蓮の言う事に従う事にした。




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