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44話 花蓮side


「上野君好きです。上野君さえ良かったら…… 私とお付き合いして下さい!」

「え? 新月が俺の事を?」

「う、うん。 やっぱりいきなりで迷惑だったかな?」

「いや、信じられねぇわって思ってさ。 だって俺も新月の事いいなって思ってたし……」

「ほ、本当!? じゃあ……」



ほら簡単。 でもこんなにあっさり上野君と付き合えるなんて案外拍子抜け。 えりなちゃん、モタモタしてるからこうなるのよ、ざまぁないわね。



私はえりなちゃんが嫌いだ。 1年生の時えりなちゃんとは同じクラスだった。 その時は別にえりなちゃんの事は嫌いではなかった。 むしろ可愛い子だなって思った。



そして私はえりなちゃんとお友達になってみたいなって思い私はえりなちゃんに話し掛けた。



「えりなちゃんお昼ご飯一緒に食べよう?」

「私と? いいよ」



そうしてえりなちゃんとよく話してみるとえりなちゃんからはなんだか自分と同じ匂いがするなぁと感じた。 なので試しに……



「ねえ、えりなちゃんってさ、猫被ってるでしょ?」

「何の事?」

「隠さなくていいよ? 私も同じだからなんとなくわかるもん。ほら私って可愛いじゃん? 周りからの目もあるし可愛い私を維持するのって疲れるでしょ?」

「…… ふぅん? じゃあ言うけど私花蓮ちゃんの馴れ馴れしい感じ苦手だったの。 どう? これで満足?」

「あはは、言うねぇ。 うん、満足だよ。 だけど私意地悪だからもっと馴れ馴れしくしちゃおうかなぁ」

「何それウザい……」



それからよくえりなちゃんと話すようになってえりなちゃんも私をウザいと言いつつ素を出せる私に少しづつ心を開いてきたのかなって思った。 聞けばえりなちゃんは両親からはあまり好かれていなくてだからこんな裏表のある性格になっちゃったんだろうなと思った。 まぁ私が性格悪いのは先天的な物だけどね。



「えりなちゃんさっきの映画凄く面白かったねぇ?」

「どこがよ? あんなの甘ったるくてうえ〜ッてなるわ」

「あはは、えりなちゃんみたいなのが一旦人を好きになると病的なくらいになるんだから」

「私は花蓮ちゃんみたいに恋愛大好き恋愛脳じゃないんだからね!」



私はえりなちゃんと一緒によく遊ぶようにもなっていった。 気を遣わないえりなちゃんと居るのはとても楽でよかった。 だけどある日、私が密かに想いを寄せていた男子の会話が聞こえた。



「なあなあ、新月ってめちゃくちゃ可愛くね? 俺告ろうかな?」



フフッ、そうでしょ? 君の事はなんとも思ってないけど彼にもっと私をアピールしてね?



「ん〜、確かに可愛いけどさ、俺あいつの友達の美咲の方が好みだわ」

「じゃあ今度俺と同時に告ってみないか? 頼むよ」

「え〜? しょうがねぇな…… でも俺も美咲とキッカケ持てるいいチャンスかもしれないし」



その瞬間ガーンとショックを受けた。 でもまぁ好みの問題もあるし私を好きになってくれる男なんて沢山居るだろうしここはえりなちゃんに譲ろうと思って悔しいけど私はえりなちゃんに話をした。

その時私はこんな事くらいなんでもない事だと思っていた。 だけど私はやっぱり少し虫の居所が悪かったのだろう。



「ねえねえ、えりなちゃん今度告白されるよ! 良かったじゃん? 」

「え? 花蓮ちゃんも知ってるくせに。私よく告白されてるけど?」

「それはそうだけどねぇ。 でもなんとえりなちゃんに告白する人は私が想いを寄せていた人でしたぁ!」

「ふぅん…… それで? 私花蓮ちゃんの好きな人なんてどうでもいいし興味もないもん」



えりなちゃんがそういう子だってのはわかってた。 だけど私はその時少し頭にきた。



「ねぇ、仮にも友達なのにそんな言い方ある? 」

「じゃあなんて言って欲しいの? 私がそんな気の利いた事言うと思った? てか馴れ馴れしいって言ったじゃないの私は。 友達だってのも花蓮ちゃんが勝手に認識してるだけでしょ?」



私は普段ならそんな事言われてもまぁ自分もそうだしねと返して終わっていたんだけれどいろいろ魔が差してしまったんだろう。



「カチーン! えりなちゃんの事ぶっ飛ばしたくなってきちゃった」

「上等じゃないの!」



私はえりなちゃんと大喧嘩をした。 そして私はえりなちゃんを容赦なく叩きのめした。



「さっきまでの勢いはどうしたの?」

「ご、ごめんなさい…… 許して下さい」

「んー、却下」

「ぎゃッ! ごめッ、うぐぅッ」



えりなちゃんが泣いて許しを請うて来てもボコボコにしてやった。 それから私とえりなちゃんは当然仲が悪くなった。



そして2年になり私はえりなちゃんが上野君を好きだという事がわかった。 そういうの興味ないって言ってたくせにさ。 まぁそりゃあ考えなんてすぐ変わるものだけど私はえりなちゃんに対して邪魔をしてやろうという気持ちになった。



そして上野君と私は付き合う事になり上野君と仲が良かった健ちゃんとも話す事がよくあった。 もともと上野君はかっこよかったけど私のタイプじゃない。 でも健ちゃんはもろに私のタイプだった。 可愛らしい顔してるしなんか私の母性本能を刺激しちゃう守ってあげたくなるような…… でもだからって好きってわけじゃないな、私はえりなちゃんに嫌がらせしている最中だし。 そう思っていた。



そして程なくしてえりなちゃんが上野君だけじゃなく健ちゃんの事も気になっている事に気付いた。 だから私はここでもえりなちゃんの邪魔をする事に決めた。 えりなちゃんはあまりこう言う事に興味がなかった分不器用だった、だから私が付け入る隙は十分にあった。



それにえりなちゃんは健ちゃんに対して風当たりが強かった。 バカだねえりなちゃん。 健ちゃんみたいなのはそんな態度じゃどんどん煙たがられるよ? 私は隙を突いて健ちゃんにちょっかいを出した。 そこでミイラ取りがミイラになる。



あれ? 私健ちゃんの事を本気で落としに行きそうなくらい気になっている? 野外演習の時からはもう健ちゃんの事が好きだと自覚していた。 だから上野君の部屋はえりなちゃんに敢えて譲りもしかしたら健ちゃんが来るかもとリビングで1人寝る事にした。 そして目論見通り健ちゃんが偶然通りかかった。 嬉しいアクシデントが起こって健ちゃんとくっつけてドキドキした。 私ってやっぱり健ちゃんが好きだ。 だから私の事も好きになって欲しい。 私はあの2人とは違うよ? とアピールした。



えりなちゃんと同じ人を好きになっちゃうなんてね、もともと性格悪い者同士だしえりなちゃんが恋に目覚めてから被っちゃう所でもあったのかな? 可愛くてえりなちゃんのわがままに振り回される優しい健ちゃんはえりなちゃんには相応しくない。 どの口が言うの? と思うけどね。



邪魔者2人に増えちゃったけど2人とも空回りで勝手に自滅していくタイプなので私は自分の思う通りに事が進めた。 そして私はこうして健ちゃんからも好きと言われ私も健ちゃんがとても大事。健ちゃんの為ならなんでもしてあげたくなる。 だからえりなちゃんには健ちゃんは渡さない。



「健ちゃん今日も放課後一緒に居てくれないの?」

「ああ、もうここまで来たら沙耶にも花蓮の事が好きになったから俺の事はもう考えないでくれって言った方がいいと思うんだ」

「うん、そっか。 わかった、健ちゃんがそこまで私の事考えてくれてるって事だもんね、一緒に行こうか?」



大丈夫だよと言う健ちゃんを見送る。 私は健ちゃんの望まない事はするつもりはない。 だって健ちゃんの重荷になったりしたらえりなちゃん達と同じだから。 だけどえりなちゃんと日々野さんに会うってのは私は嫌なの。 だって私だけを向いていて欲しいから……





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