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37話 動き出した新月


あれから意外にも新月は俺に関わる事がなかった。 どうしたんだろう? あれだけ俺の事言ってたくせに。今は上野と楽しくお喋りの最中だ。 上野は時たま俺の事をチラッと見るがニコッと微笑み上野に視線を戻す。 そんな感じだ。



放課後とか帰りは気をつけないとな。 そうも思ったが何事もなくすんなり学校から出れた、 なんでだ!? ここまで来ると逆に怪しい。 いや、そもそもこれでいいんじゃないか。 理想的な展開なのになんで気にしなきゃいけないんだ?



俺は少し出鼻を挫かれたような感覚に陥りながら帰る。 あ、そうだ…… 帰りにえりなの家にお見舞いって言われてたよな。 面倒だけど行かなければ後を引くし行っておくか。



えりなの家の目の前で止まる。 てか俺えりなの家に入るのなんて初めてだ…… 少し緊張するな。 俺がそんな事を思っているとドアがガチャッと開いた。



「いらっしゃい健斗! 何止まってんのよ? 入りなよ」



えりなに手を引かれそのまま家の中に入る。 お邪魔しますと言うと…… 誰も居なかった。



「えりな、家に誰も居ないの?」

「え? うん、居ないよ。そんな事より私の部屋に来て」



2階へ上がりえりなの部屋に入る。 ここが女の子の部屋か。うちにも妹は居るが妹故に女子としてカウントしていない。



「何挙動不審になってるのよ? 反応が思い切り童貞よ?」

「いや、女の部屋にいきなり連れて来られたらそうなるだろ!」

「へぇ、響紀ちゃんも居るのにね。 でも妹に発情するような変態じゃなくてちょっと安心。 これ以上邪魔者増えたら堪らないわ、ん?……」



えりなが急に俺の体の匂いを嗅ぎはじめた。 ま、まさか新月の匂いでも察知したのか!?



「あのクソ女の臭い香りがするわねぇ」

「お前は犬か!?」

「あんた…… もしかしてあのクソ女と」

「ないない! 何もしてないって!」



えりなは疑いの眼差しで俺を見つめる。えりなの奴鋭い…… でも今日あった事話すわけにもいかないし。



「あのクソ女だけは絶対油断出来ないわ」

「そんな新月の事警戒する必要あるか?」

「あるわよ! 健斗は知らないでしょうけどあのクソ女に比べたら地味子なんて全然可愛い方よ! 」

「ええ? お前らに比べたら比較的普通目な新月が?」

「バカじゃないの!? ああいうのが1番手を焼くのよ! それに私前にあいつの挑発に乗って喧嘩して泣くまでボコボコにされたんだから! か弱そうに見えるけどあのクソ女喧嘩も物凄く強いのよ?」



あの新月が? とてもそうは見えない。こいつの事だからいくらか話を盛っていそうな気もするけどやっぱり注意した方がいいよな。



「お前よくボコボコにされてんだな」

「うるさい! 健斗の為に体張ってるんでしょ! こんな美少女が痛々しい姿になってるんだから少しは優しくしなさいよ」



えりなは俺をベッドに座らせ俺の膝に頭を乗せてきた。



「何やってんの? 撫でなさいよ!」

「え? あ、ああ」



仕方ないのでえりなの頭を優しく撫でてやる。 よく見たら時間が経ったせいかえりなは昨日よりあちらこちら腫れている。 よくもまぁこんだけ殴られたな。それでも平気そうなこいつを泣く程ボコボコにしたってんなら新月は本当に容赦のない奴だな。 今の所そんな風には全然見えないけど俺がわからない顔も当然あるんだろう。



こいつらってそういう仮面を被るのが得意そうだもんな。 今では俺の膝でムフフと甘えているこいつの部屋の片隅にある物騒な凶器を見るとよくわかる。 てか隠しとけよ……



「あー、こんな顔じゃなかったら今頃健斗をメロメロにさせてあげるのになぁ……」

「ついでに性格も直そうな」

「私これでも健斗に大分優しくなったと思うんだけどなぁ」



でもこうして見るとえりなも俺と2人きりで居る時は比較的穏やかだ。 沙耶と新月が居ないと結構こいつも過激な行動は取らないのかな?



「え〜、もう行くの? もう少し居てもいいんじゃない?」

「だからって手錠を用意するなよ」



前言撤回だ、基本的に頭のネジがぶっ飛んでたの忘れてた。 今日はとりあえず帰り明日は沙耶の家にお見舞いか……



「言っとくけど私が居ない間に地味子とクソ女と何かあったら許さないんだからね!」

「わかってるよ、じゃあお大事にな」

「うん…… バイバイ」



こうして家に帰る。 なんか今まで大変だったけど変な心労は今日はなくて良かったな。 新月の事は引っかかるけど……



俺はあまり良く考えずようやく来たまともな1日に満足してその日は眠りに就いた。



そして次の日学校へ行くと事態が変わっていた。 朝上野に挨拶をすると上野の機嫌がかなり悪かった。 そして上野の所に新月の姿はなく他の女子のグループと話していた。



「俺、新月と別れた」

「え!? なんでいきなり……」

「俺だってわかんねぇよ。 急にあいつが別れてくれって。 くそッ!」



女子達の間から新月は俺に向かって怪しい笑みを浮かべていた。




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