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32話 日々野沙耶


「どうしたんだよ日々野?」

「怖いの…… 助けて」

「日々野、今どこだ?」

「学校の駅の女子トイレ……」



なんでそんな所に…… 聞こうと思ったらそのまま通話が切れてしまった。



「地味子なんて?」

「なんだかただ事じゃない雰囲気だった。 学校の駅の女子トイレに居るって。そして助けてって……」

「そんな事に構う必要ないわ。 健斗を誘き寄せる為の演技よ」

「でも…… 演技じゃなかったら?」



何かあったら俺はわかっていながら日々野を見捨てた事になる。



「健斗は地味子にどんな仕打ち受けたか忘れたの? あの子もう普通じゃないわ」

「お前がそれを言うか…… とりあえず行ってみないと」

「待ってよ、私とのお出掛けはどうなるわけ? 地味子如きの為に私を置いていくの?」

「日々野は…… 日々野はお前が強引な事さえしてなければあんな風になる事はなかった、本当ならあいつは優しくてちょっとおっちょこちょいなだけの可愛い奴だったんだ。 それをえりなや新月が弄んだから日々野は変わっちまったんだろ! 俺にだって責任はある、日々野の事をちゃんと見ててやればあいつは変わんないで済んだんだ!」

「だからって…… 私はどうなってもいいってわけ!?」

「…… 自業自得だろ? えりなの一方的な好意なんて俺が喜ぶとでも思ったか?」



俺はそう言ってカフェを出て日々野の所へ向かった。 ちょっとキツい言い方だったかな? とは思った、出て行く時えりなは怒るわけでもなくとても辛そうな顔をしていた。 あれでも俺の事を好きだと言ってくれたんだ、後で謝って許してもらおう。



日々野今行くから待ってろよ! 俺は日々野の所へ向かう最中あんな風になってしまう日々野を思い出していた。 今のクラスになった時隣の席になって時……



「よろしくね、えーと…… 」

「ああ、足立だよ。 足立健斗」

「ごめんなさい、自己紹介の時私緊張してて他の人の聞いてなくて」

「気にすんなよ、俺も少し緊張してたし。 日々野沙耶だろ? よろしくな日々野」

「うん、よろしく! 良かったぁ、足立君優しそうな人で」




「足立君、教科書忘れたの?」

「…… ああ、それだけじゃない、妹の教科書持ってきちまった、どうしよう」

「ふふッ、足立君もそんな事あるんだね? じゃあ私ので良ければ…… 机

くっつけようか? 私なんかで嬉しくないと思うけど」

「何言ってんだよ? 十分嬉しいに決まってんだろ? ありがとな日々野」



「今日雨降ってきちゃったねぇ。 止みそうにないし私傘持って来てなかったよ……」

「なんだ、じゃあ俺の貸そうか?」

「え? そんな事したら足立君傘ないじゃん。 私なんかの為にいいよ、そんな事……」

「大丈夫だって。 普通の傘と折り畳み傘2つあるからさ」

「本当? えへへ、ありがとね足立君」



「どうかしたか日々野?」

「え? あ、ううん。 足立君って結構女の子みたいな顔してるんだなって。 モテそうだなぁって思って……」

「ところがそんな事もないんだよなぁ、誰とも付き合った事もないし」

「そ、そうなんだ。 でも足立君ってそれだけじゃなくて優しいからきっと足立君の事好きになってる人も居るはずだよ」

「だったらいいんだけどな」






ほら。思い出す日々野はやっぱりいつもそんな日比野だ。 そんな日々野があんなになってしまって…… 日々野が俺を好きだってわかったのはえりなからそう言われて日々野から迫られた時だった。 えりなの言う通り俺は鈍感だったかもしれない。



急に日々野にそんな事を言われて上手く受け入れられずに拒絶のような態度を取った俺に日々野だってショックを受けたに違いない。 俺がちゃんと向き合えていれば……



そして日々野が居る駅に着いた。 学校が休みな今日は人気がないが俺は日々野に電話をする。



「日々野、大丈夫か? 今着いたぞ、どこだ?」

「来てくれたんだね健斗君、信じてたよ。 今駅の裏側にいるの」

「わかった、今行くよ」




俺は駅の裏側に回ると日々野が居た、駅の壁に丸くなって座っていた。



「日々野…… 」

「健斗君! 会いに来てくれたんだね、私の為に。 嬉しい!」

「どうしたんだ? 何かあったのか?」

「うん…… 私最近変な人から跡をつけられてて」




ストーカーか? 日々野がイメチェンしだした時からか? でも強ちあり得ない話でもないがだったらここに1人で居るのは危険だろう。



「そいつ今も居るのか?」

「えっと……」



日々野は辺りをキョロキョロする。



「あ、あそこ!」



日々野が指差した方向へ向くが何もない。 そう思った時体全体に痛みが走り急に力が入らなくなり倒れる。 な、なんだ!?



「あれ? 気絶しないんだ…… 弱かったのかな?」



日々野がバチバチとスタンガンを鳴らしていた。 嘘だろ日々野、そこまでするかよ?



「ごめんね健斗君、私健斗君を試した。 私の為に駆け付けてくれるかどうか…… そしたら本当に来てくれた、私嬉しかった。 だから来てくれたら私のお家に連れて行こうって思って」



日々野はスタンガンを相変わらずバチバチさせながらそう言う。



「…… 日々野、こんな事しなくたってついて行ったのに」

「ダメ…… もう私どうしていいかわからないの、だから」



日々野が俺に近付きまたスタンガンを浴びせようとした時日々野の体が何者かに突き飛ばされた。



「やっぱり…… こんな事だろうと思ったわ」



そこにはカフェに置いてきたえりなの姿があった。




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