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28話 狂ってる


「なんか最終日なのにドタバタして大変だったね? でもお疲れ様足立君」

「ああ、こっちこそいろいろ迷惑かけてごめんな」

「足立君お風呂入って来なよ? 1番疲れたでしょ? だからお風呂くらいゆっくり入って」

「日々野気を遣わせてごめんな、お言葉に甘えるよ」



やれやれ、えりなに付きまとわれるとやっぱりろくな事がないなと思い湯船に浸かる。 ああ、気持ちいい。 このまま風呂場で寝れそうだと思っていると脱衣所から物音が聞こえた。なんだろう? と思って声を掛けてみるが返事がない。 もしかしてえりなかな? と思ったが俺は面倒なので気にしない事にした。



そして風呂から出て着替えて今日もさっさと寝てもう起きないようにしようと決めた。 ろくに寝てなかったから……



すると携帯がない事に気がつく。 あれ? どこかに忘れてきたっけ? そう思いリビングを探したがない。 えりな達はどうかしたの? と聞いてきたがこいつらに携帯を見つけられたら何をされるかわかったもんじゃないので俺はスルーするがえりなと新月は嫌にニコニコしていた。



不気味だったがそのまま寝室に行くと携帯はそこにあった。 風呂場に行く時に寝室に寄ったからここに置き忘れて来たんだなと思い安堵する。 そしてよく考えなかった俺はまた後悔する事になる。 いや、どの道わからなかった。



日々野も風呂から上がって来る前に俺は眠りについていた。 だけどズシッと重さを感じて目が覚めた。 見上げると恍惚な表情をさせた日々野が俺の上に居た。



「足立君、2人きりだね……」

「日々野? 何してんだ?」

「思い出……」

「え?」



思い出って? てかまた夜中じゃん…… 今日は夜中の1時。 寝込みを襲うのって反則だろって、日々野おかしくない!? なんだか粘りつくような目になっているんだけど? えりなとも新月とも違うヤバさを感じる。



逃げようと思って初めて異変に気付いた。片足が動かない、ベッドと足に何か繋がれている? 俺は上に乗っかっている日々野を腕で払い除けた。



「きゃっ!」

「こ、これは……」

「えへへ、美咲さんの手錠お借りしちゃった。 美咲さん床に落としてるんだもん、危ないよね」



危ないのは日々野お前だ…… いや、えりな、日々野、新月全員危なく見えるわ……



「どうしてこんな事するんだ? 俺日々野はとても優しくて良い子だと思ってたのに」

「それだけだよね? 優しくて良い子止まりの地味な私は足立君にはそうとしか見られてない、だから私も勇気を出して美咲さんや新月さんみたいになりたいって…… 地味子なんて嫌! 優しくて良い子な私じゃ足立君は振り向いてくれない!」

「だ、だけどいきなりこんなのはマズいだろ? 俺ちょっとビックリしすぎて日々野の事上手く考えられないよ」



ちょっとじゃない、大分ドン引きしている。 もしこんな状況でえりなとか来たら更にヤバい。



「もしかして美咲さん達の事気にしてる? 私を前にしてそんな悪い子にはお仕置きしちゃうよ?足立君」

「うぐッ!」




ドスッと俺の腹の上に日々野の拳が落ちた。日々野の性格上絶対こんな事しないはずなのに俺って日々野の事何にもわかってなかったって事か!? これじゃあえりな達よりタチ悪い……



いや、殺そうとしないだけまだマシか? なんで生殺与奪を握られてるのが判断基準なんだ俺? 俺もおかしいぞ!? でもやっぱりおかしいのは日々野だ、無事朝を迎えられるんだろうか? それより普通の恋って何だろう? これも恋愛感情の表れなんでしょうか? とか哲学的な事を考えて現実逃避してる場合じゃない……



「ああッ、ごめんね足立君痛かったよね!? でもね、足立君がいけないんだよ? 美咲さんと新月さんは見ちゃダメ! 思ってもダメ」

「いや、そうじゃなくてもしあいつら入ってきたらマズいなって思ってさ」

「大丈夫だよ? だって美咲さんと新月さんは外だから」



そう言って日々野は俺の携帯を持って俺に見せてきた。 俺が送った覚えのないメールがそこには2人宛に送られていた。



『今日えりな(新月)に見せたい物があるんだ、とても大事な事だから花火大会の場所で会おう? 夜中の1時に待ってる。少し準備があるからそのまま待ってて欲しい』




「な、なんで? 俺の携帯をていうかロックも掛けてたのに……」

「私結構前から足立君の事好きだったんだよ? 足立君の事いつもよく見てたもん、些細な事だってね。携帯操作してる時だって暗証番号入れてる時も当然だよ? だからね、美咲さんとの見たくない所まで見ちゃって」



まさか風呂場でコソコソしてたのも日々野? やっぱり俺は携帯を肌身離さず持って持ってたんじゃん! 俺はメールの送信時間も見えたのでわかってしまった。 わかったからと言ってこの状況でどうにもできるわけないが……



「そういう事なんだ? ふぅん。 やっぱり日々野さんの仕業なんだ、ちょっとガッカリだな、嘘でも健斗からメール来ると少し嬉しかったけどさ」



俺と日々野以外の声が聞こえその方向を見ると新月が立っていた。



「え? 新月さんなんでここに?」

「だっておかしいもんね? 私の連絡先健斗がわかるはずないじゃない。 メールにはそれとなく同じ班だから上野君に聞いたって誤魔化してるけど健斗ってそんな事しそうにないし。 えりなちゃんは日々野さんを食い入る様に見張ってた割には携帯見てにやけ出してたから騙されちゃったのね。同じようなメール送ったんでしょう? えりなちゃんは健斗の事だと注意力散漫になるのかしら? でも私は日々野さんもしっかり見てたわよ? だから日々野さんも足立君を見るくらいに私を見てた方がよかったかもねぇ」



新月は勝ち誇ったように日々野に言ってみせる。



「だから何? 上野君もいるくせに足立君を私から取らないでよ!」

「新月なんとかしてくれ!」

「足立君なんとかって酷いよ!」



俺がそう言うと新月は少し顎に指を当てどうしようかなぁと考える素振りをした。 なんなんだよ!? もう新月でもなんでもいいからこの状況どうにかして欲しいのに!



「健斗、私と一緒に居る時は花蓮でしょ?」

「…… うッ、花蓮なんとかしてくれるか?」

「しょうがないなぁ、健斗がそこまで言うなら花蓮ちゃん頑張っちゃおうかなぁ」

「地味子あんたの仕業だったのね?」

「ひゃっ!」



突如えりなの声が聞こえた。 新月の更に後ろから新月の肩を掴んで現れたので新月も驚いた。



「私も健斗を驚かそうとしてサプライズする健斗に私からサプライズしようと思ったら……」

「もう、脅かさないでよえりなちゃん! 居たんなら最初から出て来なさいよ」

「あんたも同罪よ、何が健斗よ! だけど…… それより地味子、やってくれたわね?」



迫るえりなと新月に日々野は俺を起き上がらせて俺の後ろに隠れる。



「足立君怖いよこの2人…… あっ、足立君じゃないや、健斗君だったぁ」



俺の背後でニタァと笑い2人に見せ付ける。そしてえりなと新月はそれを見て青筋を立てている。なんなんだよこいつら。 自分の事ばっかか!? もう俺も我慢の限界だ!



「お前らいい加減にしろ! 俺は玩具じゃないんだぞ!? お前らなんて全員嫌いだ!」



そう言った途端辺りはシーンと静まり返った。 えりな、新月、日々野も静寂した。 そして静寂を破ったのは隣の部屋から乱入した上野だった。



「夜中にうるせぇぞ! 黙って寝ろ健斗! ってあれ? なんでお前ら全員ここに居るの?」

「上野君! 来てくれて良かったぁ、えりなちゃんと日々野さんが2人して私をいじめるの!」

「え?」

「そ、そんな事ないよ、ね! 健斗君? これ、私の宝物」



そう言って日々野は置いてあったバッグの中からウサギのぬいぐるみを取り出した。 そしてハサミも……



ハサミでウサギの頭、胴体、下半身を切りえりなと新月に持たせた。 なんとも悍ましい光景だが日々野は鼻歌交じりに切っていく。



「ほら!見て! 私のお気に入りのウサちゃん三分割で私達とっても仲良しの印だよ!」



ウサギの耳を持ちぶら下がった首を見せ付ける日々野に俺と上野は絶句した。






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