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27話 日々野の挑戦


「足立君……」

「どうした日々野?」

「私脅かす方の役なのになんだか怖い……」

「え、あ、ああ。 そういう事もあるよな」



俺も今後を考えていると怖かった。 ぶっちゃけ今も怖い。 夜の森が怖いんじゃない。 夜のこいつらが怖い……



おっとそんな事をしていると生徒が来た。 えりな、お前の出番だぞ! そう思ったがえりなはスルーだ。



あれ? 何やってんだよ! と思いえりなを見ると通り掛かる生徒ではなく俺と日々野の事をジッと見ていた。 今はゾンビ役に集中しろよ! 逆に俺を怖がらせてどうすんだよ!?



えりながスルーした生徒を上野と新月が驚かす。 その2人が行動すると今度はチラッとそちらをえりなは睨む。 新月に対して怒りの念を送っているようだ……



「日々野、俺達も脅かすぞ!」

「え、あっ!」



上野達に続き俺と日々野もガサッと茂みから立ち上がると日々野が俺にバランスを崩して寄り掛かった。 あんまり勢い良すぎたか? と思い日々野を見ると……



あれ? 微かに笑ってる? それもえりなに向けて…… えりなはそれを見て明らかに怒っている。 違う、違うよな? 日々野はそんな子じゃない。 俺の見間違いだ、さっき変な事言ってたけどそんな事をできる子じゃない。 えりなはきっと俺に寄り掛かった日々野に怒りの眼差しを向けているだけだ。



「ご、ごめんね足立君。 でもなんだか美咲さんが怖い目してて余計に怖い」



日々野が俺に寄り添い俺の胸元の服をギュッと掴む。 そんな事したらもっとえりなが怖くなるっての! って言っても日々野は本気で怖がっているように見えるからそんな事言えない。 ほら落ち着けよと日々野の頭をポンポンと撫でまた茂みに隠れようとした瞬間えりながこちらに近寄り鬼の形相をさせていた。 ゾンビメイクも相まって本当に怖い……



「あんた、一体なんのつもりよ今のは!?」

「何やってんだよえりな! 今は肝試しの最中だろ?」

「こいつ今私に向かって舌出してニヤついてきたのよ!?」

「え? 日々野が?」



日々野を見ると首を振ってそんな事してないと俺に表現してきた。だよな、日々野がやるわけない。 というかゾンビメイクしてる時にそんな顔されても……



「そんな事日々野がするわけないだろ? お前と違うんだ。 さっさと戻れよ、次来るぞ」

「なッ…… 地味子あんた覚えてなさいよ!」



そう言ってえりなは渋々と戻って行った。 上野はいいとしてこの班最悪のメンバーだな、何一つまともに出来ないなんて。



「美咲さん怖かった。 守ってくれてありがとう足立君」

「ん? ああ、気にすんなよ」




そうしてえりなは肝試しよりも俺と日々野を気にしていたのでほとんど驚かせる事もなく終了した、終始こちが肝試しさせられているような気分だった。



そして最期の締めくくりに花火大会だ。 ここは先生達がやってくれるので俺達も花火を見学できる。 いや、ぶっちゃけ俺も先生と一緒に混じって手伝いでもしていたかった。 そして今は隣にえりなが居る。




肝試しが終わった後速攻でこいつはゾンビメイクを落として前述していた可愛らしいメイクを施して俺を攫っていった。 なのでここはどこなんだろうな? 花火が嫌に遠くに見えるよ…… というか上野より俺に時間を割く割合の方が多くないか? こういう時こそしっかり見張ってくれよ。



「花火綺麗だね健斗」

「そうだな、凄く小さく見えるけど、どこなんだろうなここ? とにかくいろんな事が気になるよ」

「そこに私の事も入ってるわよね? 大分占めているわよね?」

「凄いなえりなは」



えりなは「でしょ?」と何か喜んでいるが俺はそんな意味で言ったのではない。自分に都合よく脳内変換できる頭とみんなとまた逸れているのにそんな事は御構い無しな神経に呆れて凄いなと言っただけだ……



「それにしても! 地味子を健斗にくっつけさせようとしたのは失敗だったわ、あんなメンヘラ女に変貌するなんて!」



いや、どう見てもメンヘラはお前だろ? と言ったら怒られるので俺はどうにかして戻るかなととりあえず携帯の電波が入っているかどうかを確認したらここは圏内のようだ。



そして何件か日々野から着信が来ている。 まぁ俺達2人とも消えれば心配するだろうな…… すると俺が何を操作しているのか気になったのかえりなは俺の画面を見た。



「あの女…… また健斗に! 健斗その番号着拒しなさい、呪いの電話よそれ」

「お前日々野の事そんなに眼中になかっただろ? 新月ならまだしも」

「地味子は飛んだ食わせ者よ、地味な仮面を被っていた捕食者よ? あんな奴近くに置いていたら不幸になるわよ!?」



それは自分の事を言っているのだろうか? えりなさん…… 自分を客観的に見るという事が出来ないんだな。 まぁ今に始まった事でもない、とりあえず日々野に電話だ。 電話を掛けるとえりなが「こらっ!」と俺から携帯を取り上げようとするが逃げながら日々野に繋がるまで待った。



「足立君どこに居るの!? みんな心配してるよ?」

「ああ、ごめん。 ちょっと道に迷ってさ、 今川みたいな場所に居るんだ。 出来れば誰か迎えに来てくれるとありがたいな。 俺達だけじゃまた迷子になりそうで」

「俺達…… やっぱり美咲さんもそこに居るの? それに足立君少し息荒いけど? 何してるの?」

「今えりなに携帯取り上げられそうになっているから逃げながら電話しているんだ」



そう聞いた日々野はすぐに助けに行くから待っててねと言い通話を切った。え? まさか日々野がここに来るのか? んなわけないよな……



「はぁはぁッ、捕まえた! 私から逃げるなんていい度胸じゃない! 罰として私が思い切りハグしてあげる。 あ、罰じゃないかそれ。 まぁいっか」

「いや、誰か来たらどうすんだよ!?」

「こんな所誰も来やしないわよ」



そしてしばらくの間えりなは俺にハグをし続ける。 動こうとしても離れない。子泣き爺かこいつは…… すると一台の車が通り俺達を見つけ止まった。 中から出て来たのは先生だった。



「お前らどうしてこんな所まで来てんだ!? まったく…… さっさと車に乗れ!」

「はい、すみませんでした」



車の中にはなんと日々野も乗っていた。



「日々野から連絡受けてな、日々野にお礼を言えよ?」



日々野はニコッと笑い俺達を出迎えた。 だけどその笑顔に少し俺はまたゾクリとした。



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