24話 告白
「あ! 健斗あそこにサボり2人見つけたよ、上野君はいいとしてあのクソ女は許せないわ。 どうせ誑かして上野君とサボろって魂胆丸見えよ! 行ってらっしゃい!」
「俺は犬かよ? えりなが最初に見つけたんだからえりなが行けばいいだろ?」
「そ、そう何回もえりなえりなって言わないでくれる!?」
自分でそう呼べと言っていたくせに呼べばそう言う…… こいつは何がしたいんだ? でも新月もいるから絡み辛いなぁ。 いっそこのまま上野に新月を任せた方が俺は楽かもしれないし。
「早く行きなさいよ!」
ドン! と押されて上野達の所へ無理矢理行かせられてしまった。
「よぉ健斗、どぉした?」
「あれ、足立君1人?」
「いや、今えりなに…… ってあれ? あいつどこ行った?」
「むむッ、えりな? ははーん、足立君えりなちゃんと何かあった?」
うっ…… ついえりなとこいつらの前で呼んでしまった。 でも別にただ名前で呼んだだけなんだから。
「い、いや、別に今更だろ? 美咲よりえりなの方が言いやすいからさ」
「見苦しい言い訳だね、ふふふ」
「そうかぁ、健斗もついに美咲とねぇ。 あんな美人だから文句ないよな!」
「上野君、私はぁ?」
こいつらイチャついてて話になんないな。 俺も新月が居るから関わりたくないしえりなを探すフリをしてこの場から立ち去ろう。 てかあいつ本当にどこに消えたんだ?
方向音痴なくせにまた逸れたんじゃないだろうな? こんなみんながいるわけでそれもないだろうけど……
居た! あんな離れた所でぼっちになって何してんだ? 不思議だったので後ろから近付いて見ると何やらブツブツと言って草をブチブチと抜いていた。 怖いっての! なんでたまにホラーになんだよ……
「お、おい、えりな」
「うひゃあッ! って健斗か。 脅かさないでよ!」
「いや、お前の行動の方が驚くけど……」
「何の用よ? 私忙しいんだけど」
忙しい? どう見ても暇を持て余しているようにしか見えない。 なんかの呪術でも新月にかけているんだろうか?
「てかこんなのつまんないわ、どこの誰が企画したのかしら?」
「それは遠回しに俺に文句を言っているのか?」
「それより上野君達は? まぁその様子じゃ私の役に立ってないわね。でもいいわ、来なさい」
えりなは俺の手を取ってコテージの方へ走って戻る。 ええ!? 山菜採りどうすんだよ? 俺が戻っていいの? あ、まぁ上野達も名目企画だから大丈夫か。
そしてコテージの中へ入りえりなはバタンとドアを閉めた。 こ、こいつと2人きりだと何が来るかわからない。 カッターか? ナイフか? はたまた手錠…… 俺は身構える。
「何警戒してんの? ああ、これか……」
えりなが服の中からジャラジャラと床に凶器を落としていく。 やっぱ常備してんだ……
「はい、これでお終い。 ここに連れてきたのはね、健斗と2人きりになりたかったから」
「それの狙いは? そんなの目の前でジャラジャラ落とされると恐怖しか感じないけど?」
「失礼な、ちゃんと武装解除したじゃない。 そうね…… 私上野君の事好きだって当然知ってるわよね? でも最近もう1人気になる人が出来たの」
え? 初耳だな。じゃあ無理して上野と付き合う必要ないかもって事か。 それはいい事かもしれない。 だってそいつに好きな人がいなかったら今までよりすんなり行くしえりなくらいの美人なかなか居ないから楽勝じゃん? 俺も解放される日が近いな。 よかったよかった。
「でね、その気になる人ってのが健斗、あんたなんだけど……」
「へぇ〜。………… はぁ!?」
「何よその反応!? この私よ! こんなに綺麗で可愛らしい私がそう言ってるのよ! 嬉しそうにしないわけ!?」
「いやいや、なんで俺? だってお前俺の事散々貶してたじゃん! ゴミクズを見るような目で見てたくせにそんな事言われて信じるかよ!?」
ちょっと待て…… 全くもってわからん。どこかにこいつに好かれる要素俺があったか? てかつい昨日だって心中しようとかアホな事言ってくる奴に言われても……
「そう、どうしても信用出来ない? 好きよ健斗」
「お、おう……」
「お、おう…… って何なのよ!? 女の子にそう言われてそれだけ? だから健斗はモテないのよ! はぁ、でもまぁ健斗らしいわ。 てことで私これからあんたの事どんどん好きになって変な事するかもしれないから注意しなさいよね!」
「なんか言ってる事おかしくないか? 変な事ってなんだよ!?」
えりなは俺に近付いてきた。 俺は凶器なしでも何をされるか不安で後ろへ下がる。 そして角に追い込まれた。 尚も近付くえりなは無防備な俺に抱きついた。
「はぁ、悔しいけどやっぱドキドキする。 健斗になんかドキドキしちゃうなんて私ってば本当におかしくなっちゃった。 ねえ、健斗もドキドキしてるね、くっついてるとわかるよ?」
「あ、ああ。 緊張した」
俺は何されるか怖くてドキドキしてたんだがな。 もし…… もしこいつと付き合ったりしたらこいつの半年以内にという目標は達成なのだろうか?
えりなが俺に抱きついているとドアが開いていた。 あれ? 確かえりなが閉めたはずなんだけど……




