23話 少し進展?
少し微妙な味がした朝食を食べ終え企画係の俺と日々野はオリエンテーションへと向かった。 てかあの3人全くやる気ないだろ!? 日々野くらいしかやってやろうという気持ちの奴はいないのか!?
「あはは、なんかずっと私と足立君だけでやってるね」
「あいつら人任せにしすぎだ、けしからんわ」
「私は別にいいよ? だってその分足立君と居れる時間が増える」
「日々野……」
オリエンテーションが済みコテージに戻る途中茂みがガサッと動きそこから美咲が出て来た。
「おえーッ、あんたらのやり取り吐き気がするわッ」
「お前そこから覗き見してたのか? 想像したらなんか……」
「笑うなッ! 地味子も笑ってんじゃないわよ! 地味子のくせに!」
ていうか見てたんならオリエンテーションに参加しろよ…… というかやっぱり反応が違う、美咲らしくない。
「美咲、どうしたんだ?」
「な、何がよ!?」
「熱でもあるんじゃないか? 顔も赤いし」
俺は美咲に近付き額に手を当てた。 あれ? 普通かな? と思ったらどんどん熱くなってる。
「お前やっぱり熱あるよ、森の中で汗かいたろ? お前昨日ちゃんと風呂に入ったか?」
「なッ…… 失礼! 超失礼ッ! 入ったに決まってんでしょ!? バカッ!」
美咲はそう言って走って立ち去っていった。 なんだったんだ?
「あはは…… 足立君キツいよ今のは」
「え? どうして?」
「ふふッ、でもそんなんだから私はやっぱり少し安心するなぁ」
え? 俺がこんなんだと安心する? 美咲なら絶対言わないような言葉だな。
それから午前中は山菜採りなどの授業になった。 多分戦争でもない限り一生俺には身に付けても仕方ないスキルだよなこれ……
また森の中に入るのかぁ。 それにしても……
「なんで美咲とまたペアっぽくなってんだ?」
「な、なんで足立君にそんな事言われなきゃいけないのよ!? こっちのセリフ! 上野君はあのクソ女と消えるし地味子は先生に呼ばれてんだから仕方ないでしょ!」
「つうか日々野が先生に呼ばれていった事よく知ってたな? どっかで見てたのか? それに熱ありそうだったけど大丈夫なのか?」
「質問多過ぎ! 私だって企画係なんだからわかるに決まってるじゃない! それに熱なんてないわよバカ」
本当か? と思い再び美咲の額に手を当てた。 本当だ、平熱にもど…… あれ? 熱くなってる。
「お、お前やっぱりまだ……」
「な、ないわよ! 私ってそんな体質だって事でいいでしょ!」
「まぁいいや、みんなとはぐれるなよ? 俺達だとまた迷子になるから」
「足立君と一緒にしないでよッ!」
みんなの後に続き昨日迷った森の中を進んでいく。 すると前の方の生徒からこんな声が聞こえた。
「おい、こんなとこに手錠落ちてるぜ、なんでこんなとこに?」
「うわっ、本当だ。 ヤベェ奴でもいたんじゃねぇの? カッターも落ちてるし」
ヤベェ奴は俺の隣に居ます。 こいつが犯人です…… あいつ拾っていかなかったのか? 上野にも誤魔化す時手錠見せてたし何個持ってんだ? こいつ。
「おいそこのヤベェ奴、お前噂されてるぞ?」
「どこがヤバいの? 防犯対策に持ってるだけなんだからいいじゃない? それに足立君には何回か襲われてるんだから」
「はぁ? お前って物事の解釈おかしくねぇか? どう見てもお前のせいだろ?」
「仮にそうだったとしても私美人だから持ってるに越した事ないわ」
中身はとても美人とは言えないから詐欺だろこいつの場合は……
「ねえ足立君、足立君は私と居て……ドキドキしないの?」
「ドキドキ? してるよいつも」
「え! 本当!?」
「ああ、だってお前の行動凄く心臓に悪いもん。 殺されそうになったりしてるし次はどんな理不尽な仕打ちを受けるかいつもドキドキもんだぜ」
「…… へ、へぇ、なんか本当に殺したくなってきちゃう事言ってくれるじゃない」
美咲の機嫌がまた悪くなってきた、だったらそんな事聞くなよ! でもなんだろう? 少し俺の事でも気にかけてくれるようになったのかな? だったら変な事はしてくれるなよ……
「そうそう! 健斗これって食べられる野草」
「え? 健斗? 」
「な、何よ!? 別に私達ってもうそんな知らない仲じゃないでしょ? いつまでも他人行儀みたいで気に入らないわ! だから健斗! これからは私の事もちゃんと名前で呼びなさい? ほら、呼んでみてよ?」
「いきなりなんだよ…… まぁ確かにそうかもしれないけど。 じゃあ、えりな」
「なぁに?」
「呼べって言われたから呼んだだけなんだけど?」
「はぁ? やっぱ健斗は健斗ね。 ムードも何もあったもんじゃないわ!」
プイッとそっぽを向いた美咲ことえりなだったけどそこまで機嫌は悪くなっていないようだった。




