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21話 朝の出来事


朝になり…… というかそのまま寝付けずに朝になった。 隣ではスヤスヤと日々野が寝ていた。 起こさないように注意をして寝室を出る。 リビングに行けば新月もまだ寝ていた。 こちらも注意して俺は一旦外の空気を吸うためにコテージから出る。 ああ、山の空気は美味しなぁと深呼吸する。



あれ? 俺の他にも誰かいるなと思ったら美咲だった。 ヤバッと思い隠れて様子を見る事にした。 美咲は朝早くから何してんだろうと思ってると両手を広げて深呼吸していた。 なんだ、あいつも俺と同じで外の空気を吸いに来たのか。



こうして見ると本当に美咲は綺麗だ。山の自然とも相まって神秘さを増している。 どうしてこう見るととても芸術のように綺麗な美咲がドス黒い心を有しているのか不思議なくらいだ。



ボケーッとしていると美咲が急にこちらに振り向いた。 急いで身を隠したが無駄だったようだ。



「足立君何見てるの? ずっと見てたの? てか何してるの?」

「いや、外の空気を吸いに来たら美咲が居たからたまたま見てた」

「たまたま見てたって何? 見惚れてたんでしょ? 外の空気吸いに来た? なんだ、私と同じ事考えてたんだ。 これでも相性悪いの? てかクマ凄いわよ? 寝れなかったの?」

「質問多過ぎ。 まぁ俺だってそんな時あるさ。 それに寝れないのはいつもと違う場所だからだ」



まぁ日々野に抱かれてたなんて言えないしな。 そんな美咲はふぅんと疑いの眼差しを向ける。



「嘘ね。 バスの中であんなに寝てた人が場所が変わったくらいで寝れなくなる繊細な心の持ち主だとは思えないわ。 寝れないのは私の方よ」

「え? お前は上野と一緒に寝てたんだろ?」

「どうして先に寝た足立君が知ってるのかな? 夜中に何かしてたの? してた顔だよねぇそれ」



頭が回らないせいかどんどん墓穴を掘ってしまっている。 だから顔を近付けてくる美咲にもこんな事を言ってしまったんだ。



「綺麗だな美咲って」

「へ? は、はぁ!? な、何を!?」



美咲が慌てて俺から離れた。 あれ? こいつこんな奴だっけ? 当然でしょ! とか当たり前過ぎてつまんないとか言うと思ったのに。 今は顔を真っ赤にさせている。




「ど、どうかしたの? 頭でも打った? 足立君は変態だけど今日はおかしいよ?」



俺への罵声はいつも欠かさないがやはりなんか違う。 いつもはない恥じらいを持っているというかなんていうか……



「いや、本当にそう思ったから言っただけだよ。 美咲は綺麗だなって」

「ちょ、調子狂うんだけど? やっぱり足立君には手錠が必要かしら…… 」

「やっぱ眠い……」

「え!? ちょっと!」



多分俺は近くにいる美咲にもたれ掛かるように眠ってしまったんだと思う。 しばらくして目が覚めると美咲の太ももの上に頭があったから。 だけど眠くて頭が上がらない。



「あ、あれ? 俺どれくらい寝てたんだろ?」

「10分くらいよ……」



美咲は恥ずかしそうにしながら俺を見ていた。 なんだ、こいつずっと動かないでいてくれたのか、そして再び目を閉じると頭を優しく撫でられている気がした。



眠りに落ちる前に日々野の言ったことが頭を過る。 美咲さんって案外優しい。 俺も今そう思ったよ。




次に目が覚めたのはソファの上だった。新月がここに寝てたはずだけど今はいない。 それに誰が掛けたかわからないけど薄いシーツが掛けられていた。 日々野かな?



流石にもう寝てられないのでソファから起き上がると美咲と日々野が居た。



「あ、おはよう足立君」

「ああ、おはよう日々野、それに美咲」

「ついでみたいに言わないでくれる? おはよう足立君」

「上野と新月は?」



あの2人は朝の散歩に行ったようだ。 新月もよくわからない奴だな。 あいつも態度がコロコロと変わるので読めない奴だ。



美咲がこちらに来て俺に皿を渡した。なんだろう? 見ると皿の上にはサンドイッチが乗っていた。



「これお前が作ったの?」

「そ、そうよ。食べたら?」



渡しに来たくせにツンとした態度取りやがって…… 素直じゃない奴だなと思ったが昨日は俺と心中しようとしてきた奴だ。 毒とか入ってないよな? と思い食べるけど普通に食べれる。 まぁ誰が作っても似たような味になると思うけど。



「美味しい…… 」って答えておくか。

「え? ほんと? まだまだあるの!」

「足立君! 私の作ったのも食べて!」



美咲と日々野からサンドイッチを渡されるが2人が我先にと争っている。 美咲に張り合おうとする日々野もなんかいつもと違って見える。



「地味子! あんた生意気よ!」

「ご、ごめんなさい美咲さん。 でも美咲さんだけズルい!」



あーだこーだしていると上野達も散歩から帰ってきた。



「わぁ、朝ご飯出来てるじゃん、ラッキー!」



パクッと新月が美咲の作ったサンドイッチを食べた。 それを見て美咲はあんたに作ったんじゃない! と言いたげだが上野の前なのか恨めしい目線だけを送る。



「あ、美味しい。 えりなちゃんご馳走さま!」



今日もまた騒がしくなりそうだと思い軽い溜め息が出た。 上野の奴は平和そうで羨ましい……



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