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135話 本当の再会


花蓮はその後帰って行き俺とえりなも河川敷から家へと帰るが…… 花蓮とキスをしたせいかえりなは少し機嫌が悪いような気がする。 怪我した俺を心配しているようだけど……



「足立君、頭大丈夫?」

「頭おかしい人に聞こえるそれ」

「真面目に言ってるの!」

「ごめん、えりなこそ花蓮にこっぴどくやられたけど大丈夫か?」



前はなんかあるとえりないつもボロボロだったもんな。 今回は顔を殴られてはいないから綺麗な状態って言えばそうなんだけど蹴られたり吐いたりしたし……



「私の事はいいわよ…… あのね…… さっきからずっと聞きたかったんだけど」

「ん?」

「さっき花蓮ちゃんに言った事…… 足立君が私の事好きって」

「あ……」



そうだった、間接的にえりなを好きって言ったんだ俺……



状況が状況だったから花蓮に向けてえりなを好きってえりなが隣に居る所で変な告白の仕方になってしまった。



「私ね、ずっと足立君に大事な話があってタイミングが合わなくて言おう言おうって思ってたんだけど」



えりなが立ち止まり俺も止まってえりなの正面を向いた。



「私も足立君が好き! 半年の命とかそういうのも関係なく足立君が好き」

「俺の方こそ…… えりなが好きだ」




えりなの手を握った。 その瞬間えりなの冷たい手はじわりと暖かさが溢れ腕の刻印が消え去った。



「あ…… 」

「やったなえりな。お前もう半年の命なんかじゃない! 本当に生き返った!」

「健……斗?」

「え? えりな?」



えりなは凄く困惑した表情をしていた。辺りを見渡しキョロキョロとしてまた俺の顔を見た。



「ここ…… どこ?」

「え? お前えりなだよな?」

「うん…… そうだけど、なんでこんな所に健斗と私…… あれ? これって夢?」

「一体どうしたんだよ!?」




えりなは自分の体を触り今だに困惑している。



「腕が動く…… 花蓮ちゃんに折られた腕が。 足も…… なんともない……」

「もしかしてえりな? あの時のえりなか?!」

「健斗…… 本当に、本当に生きてるのね!? なんで? どうして!?」



えりなはそう言った瞬間俺に抱きついていた。 混乱しているけどえりなはとても嬉しそうに。 俺だって混乱している。 戻る前のえりなに戻っている、俺も信じられない。



「ダメかと思った、死んだと思った! でも生きてる! 健斗も生きてる! なんでか知らないけど!」

「えりな、お前戻ってからの記憶はあるのか?」

「うん…… だんだん目が覚めていくみたいに今までの事もわかってきた、健斗がまた屋上に来てそれからちょっと違うけど上野君に好きになってもらおうと思ったり野外演習の事も花蓮ちゃんや地味子、それに村上さん」



そう言った後えりなは不思議そうな顔をした。



「あれ? 花蓮ちゃんから突き飛ばされた後…… 健斗は? あれ? 今の健斗はあの時の健斗?」

「ああ、そうだよ。 俺は全部覚えてる、えりなと行った御社の神様かな? それが俺にも出て来てえりなと同じでやり直しをしてもらって……」

「だから私の事前々から知ってるような…… 健斗と居ると私切なくなったのね。 私まだ混乱してるけど。 だったら、だったらどうして言ってくれなかったのよ?! 私だって同じような体験してるから信じたかもしれないのにッ!」

「だってお前あの時は上野に夢中で言ってもどうにもならなそうだったし…… だからえりなとちゃんと恋人になれたら話してみようと思ったんだ」



本当に不思議だ…… どうにもならないって御社の神様? も言ってたのにこうしてえりなは戻る前のえりなに戻ってる。



もしかしてまた行ったから? でもそんなの今はどうでもいい。 えりなはちゃんと前のようなえりなに戻ってる。



えりなは俺から離れ俺をジッと見つめた。



「本当に…… 本当に夢じゃないのね! じゃあ健斗、結婚しましょう!」

「ええ!?」

「何よその顔! あの時健斗言ってくれたじゃない? 2人とも生きてたら結婚しようって。 あれは嘘だったの? 今更通じないわよそんなの!」

「嘘つくわけないだろ?生きて戻って学校卒業したらなって事だよ」



そう言うと少しえりなはムスッとしたけど笑顔になり「それならいいわ」と微笑んだ。



「なんかどんどん頭の中に今までの事過って来て頭がパンクしそう。 髪の毛もビチャビチャだし。 花蓮ちゃんね、まったくいつも私の障害よね、あの子は…… でも健斗、今度は上手く行ったじゃない? 村上さんの事はムカつくけど。 覚えてて村上さんと関係持つなんて最低よ!」

「関係も何も俺ちゃんと断っただろ!」

「フフッ、そうね。 村上さんの事は私の中でも解決したみたいだし。 あ! 健斗頭怪我してるのよね? 早く帰って手当しないとね!」

「そういえばそうだった、それどころじゃなくて忘れてた」



えりなは俺を再び抱きしめた。



「守ってくれてありがとね、健斗大好きよ」





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