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126話 新村side


停学が明けて俺は学校にまた行く事になった。 はぁ、面倒くせぇ……



俺が停学になった理由はこの外見でよく揶揄われているからだ。 いつもの事だから慣れていたんだけど今回はそれに加えて先輩が俺から金をむしり取ろうしたからだ。



頭にきたのでフルボッコにしてやったら停学。 停学だけで済んで良かったなって言われたけど冗談キツいわ。



俺がこんなに強くなっちゃったのはたまに家に寄ってくる後藤さんという人が小さい頃から俺に構ってくれて喧嘩とかの仕方を教えてくれたからだ。



そして後藤さんがヤーさんだと知ったのはちょっと前の事だ。 なんでそんな人と知り合いかっていうと母さんは昔大分苦労したようで死にそうな目にも何回か遭って実際に死に掛けた時もあったらしい。



そんな時助けてくれたのが後藤さんだ。 聞くところによれば母さんは後藤さんの組で一時期仕事してたらしいのが縁でそこの会長のお気に入りで自然に後藤さんとも仲良かったらしい。



でも高校に入ってから父さんと出会い母さんが父さんに惚れていろいろあったけど今に至るらしい。



そしてこの外見も父さん譲り。 弟の麗央もそうだ。 麗央も将来苦労するだろうな。 母さんはあまり喧嘩とかしても怒らないけど父さんにはめちゃくちゃ怒られた。



なんだよ? じゃあ俺が逆にボコボコにされてこいってか? まぁ俺の事を思ってるから本気で叱ってるんだろうけど……



学校に着くとみんな珍しい人でも来たかのように俺を見た。 だけどそんなの一瞬で普通に「おはよう」とか「停学解けてよかったね」とか言われて少し安心する。



この外見だから女子にはチヤホヤされている。 可愛い、お化粧させて? とか私の制服着てみて? とか言われまくりでウザいけど。



「よぉ、災難だったな。 先輩まで絡んできて」

「ああ、本当だよ。 だけどボコボコにしてやったからしばらく俺に手出してこないだろ」



俺に話し掛けてきたのは友達の鈴原すずはら 和人かずとだ。



「停学で暇だったんじゃね? いや、学校来ないで済むから逆にラッキーだったか?」

「別に。 のんびりしてようと思ったら村上の奴に遊びに誘われてそこでまた騒ぎになって散々だったわ」

「え!? 村上とって事は合コンしたのか?」

「なんで村上と遊ぶと合コンになるんだよ?」



新月とかいう性悪女にまんまと嵌められてカラオケの店員にあれやこれやと尋問されたからな。 お陰でもうあそこの店に行けないわ。 行く気もないけど。



「だってお前モテるじゃん? 停学になってた時も女子の奴ら早く新村君戻って来ないかなぁとか言ってたぜ? お前可愛い顔して強いからな。 羨ましいぜ」

「はいはい、俺は望んでこんなんになったわけじゃないし女子とか俺を着せ替え人形みたいに扱いたいだけだろ?」

「それでもいろいろお触り出来て俺には羨ましい」



鈴原と話していると早速女子達が俺の所へ来た。



「新村君、お話の所悪いけど停学解けて良かったね! 早く来ないかなぁってみんなして言ってたの!」

「ああ、ありがとな」

「新村君に絡んでカツアゲしようなんて最低だよ! 隣のクラスの男子でしょ? そいつらにはもう女の子寄り付かないからざまぁみろって感じ」

「ははッ、ますます俺が目の敵にされるから程々にな」



少し女子達と話しているとメールが来た。 俺にメールしてくる奴って……



携帯を開くとやっぱり新月からだった。 なんか最近やたら俺に連絡してくるな。 あいつカラオケで居た健ちゃんとか言ってた奴の事が好きなんじゃなかったのか?



俺に構わないであいつと遊んでろよ…… 麗央を見せるんじゃなかった。 なんて俺がどうこう出来るわけじゃないけどな。



「今日真央ちゃんの家にお邪魔するね」



メールにはそう書かれてあった。 マジかよ……



「新村君、誰とメールしてるの?」

「あ、いや。 母さん」

「あ! 新村君のお母さんとお父さんも凄く綺麗で美男子なんだろうねぇ」

「あはは、親だから俺にはよくわかんないわ」



そう言って適当に誤魔化す。 そして学校が終わって家に帰るとまだ新月の奴は来ていなかった。



「お兄ちゃんお帰り!」

「ただいま麗央、良い子にしてたか?」

「うん! してた! ねえ、かれんお姉ちゃんいつ遊びに来てくれるの?」



新月の奴をよっぽど気に入り麗央はずっと新月がいつ遊びに来てくれるのと毎日のように言っていた。 新月の奴どうやってここまで麗央に好かれたんだ? 確かに可愛いとは思うけど。



「なんか今日来るらしいぞ?」

「ほんと? やったぁ」



麗央はリビングで飛び回っていた。



「あら、花蓮ちゃん来るの? 真央ったらそういう事は早く言いなさい!」

「だってあいつがいきなり連絡してきたんだからしょうがないだろ?」

「ふふッ、真央の事好きだったりしてね? お母さんは大歓迎よ」

「冗談だろ? あいつ性格悪いぞ?」

「あらあら、お母さんも啓ちゃんには最初嫌われてたのよ? どうなるかわかんないわよ? それに可愛いだけじゃなくて性格悪いなんて言うけど花蓮ちゃんは花蓮ちゃんなりに何か悩みでもあるんじゃない?」

「ふん、まぁ俺には関係ないよ」



そんな事を言ってたら家のインターホンが鳴った。 多分新月だろうなと思って玄関を開けるとやっぱりだ。 新月は満面の笑みで俺に「こんにちは」と言い麗央が待ってましたと新月に飛びついた。



「かれんお姉ちゃん待ってたよ!」

「私も麗央君に会いたかったよー!」



新月は麗央を抱き上げ愛くるしそうに頬を擦り付けた。 カラオケで俺に意地悪そうに接してきた新月と麗央に接している新月って二重人格なのかと疑う程だ。





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