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119話 2人だけの時


この状況どうしたらいいもんかと考えていたがよく考えれば上野達が何もしなくても俺達を見つけてくれるんだった。 前の通りに行けばだけど。 ただ前の場所とは違うと思うしそこが不安要素だ。

そこで俺はやっぱり下手に動くのはやめにした。



「いたッ! ちょっと、急に止まらないでよ?」

「ごめん、ここで少し待とう。 上野達が来るかもしれないしな」

「来なかったらどうするのよ?」

「その時は朝まで待ってれば山菜採りとか明日あるから見つかるだろ」



そう言って俺はデカい木の下で座って休む事にした。



「朝までって…… 私お風呂入りたい。 はぁ〜、足立君とどこか行く時は電波が入る場所が必須ね」



えりなも諦めたのか俺の隣に座りそして鍵を取り出し手錠を外した。



「お前まさかカッターとか持ち歩いてないよな?」

「カッター? そんなものいくらでもあるわよ」



えりなが服の中を弄るとカッターや果物ナイフなどが出てきた。 やっぱり持ち歩いてたか……



「はい、何かに使うの?」



えりながカッターを俺に差し出すが別に持ってるかって聞いただけで使うなんて言ってない。



「いや、聞いてみただけ……」

「無駄な事させないでよまったく」



えりなは俺の横に座って溜め息を吐いて丸くなっていた。



「足立君……」



えりなが顔を伏せたまま俺に話し掛ける。



「なんだ?」

「ちょっと寒い。 もうちょっとくっついてくれない?」



寒いかな? どっちかっていうと今の季節はちょうどいいけどえりなは女の子だし寒いのかもしれない。 俺はえりなと肩が当たるくらいまで近付くとえりなはそのまま俺に体を預けてきた。



「足立君って暖かい」

「やっぱり寒かったのか?」

「そう言ってるじゃない…… 寒いからもっとくっついて」



えりなは俺の腕を取りもう抱きしめているような形になってしまっている。 えりなの事だ。 自分の気持ちを言ってないからこんな風にもどかしい感じでしか表現出来ないんだな。



かと言って俺の事どうなの? なんて調子こいた事えりなに聞くのは逆効果そうだしな。 てか全部勘違いだったらとんでもなく恥ずかしいな俺って…… でも好きでもない奴とこんな事しないよな?



「ねえ、足立君前に言ってたでしょ?」

「何が?」

「足立君って花蓮ちゃんより私の方がタイプなのよね? あれって本当? 私を慰める為の嘘とかじゃない?」

「嘘じゃないよ」



そう言うとえりなは顔を上げ俺の目を見た。 くっついてるえりなの体が少し汗ばんでいるのがわかる。



「足立君…… 」



その瞬間パッと光が見えた。 あ、これってもしかして上野達じゃないか!? 俺はえりなから離れおーいと明かりに向かって叫んだ。



「えりな、良かったな? やっぱり誰か来たぞ!」

「…… バカ! バカッ!! 知らない!」

「え……?」



あ…… 何か言い掛けてたよな、今更なんて言おうとしたの? なんて聞いたらえりなは絶対言わない。 タイミングが良いんだか悪いんだかよくわからないがとりあえず上野達に上手く合流出来ただけ良いとするか。



「ププッ、えりなちゃんいい歳こいて方向音痴とか…… ププッ!」

「うるさい! 言っとくけど足立君も方向音痴なんだからね!」

「健ちゃんは可愛いからいいの」

「健斗君無事で良かったよ。 じゃなかったら私1人で寝る事になったもん」

「てかもうちょっと待ってた方が良かったか? いい雰囲気だったんじゃねぇの?」



その他3人は言いたい放題だ。 てか俺沙耶と寝る事もう確定してたのか、知らなかったぞ。でも前と同じなので…… あ! そういえば沙耶に寝込みを襲われて。



この野外演習の後から3人の想いは激しくなっていったんだ、ここで俺が取るべき行動は……



「ええ? 足立君リビングのソファで寝るの?」

「その方が良いだろ? 上野と花蓮はともかく沙耶と俺とじゃ危ないかもしれないしな。 だからえりなと沙耶は一緒に寝てくれ」

「そんなぁ…… 健斗君と一緒に寝れると思ったのに」



ジトッと沙耶がえりなを見る。 ごめんな沙耶、でもこれだと平和的に行けると思うんだ。 そして俺もその方が精神的に安心だ。



「何よ地味子、その目は?」

「別に美咲さんなんか見てません!」

「地味子のくせに何よその態度は!?」

「低レベル2人が争うと見苦しいよね健ちゃん」




花蓮、火に油注ぐなよ、前はこの2人最終的に仲良くなったのにまた振り出しに戻っちゃうなんてなぁ。 でもあの時仲良くなれたんだからまた仲良くなれるよな? 多分……



花蓮をチラッと見ると携帯を見て何故か微笑んでいた。 花蓮の奴何かあったのかな?









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