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115話 輪に入れない新村


そしてみんなでワイワイと部屋に入った。 こういう時って花蓮みたいな明るい奴がいると雰囲気良くなるよなぁ。 沙耶は緊張しているのか硬まって喋らなくなるしえりなは何か? という感じを出してるし。 そんな中で村上は花蓮と同じく明るい子だな、新村は何故か食い物のメニューを早速見てるし……



「あ、飲み物注文しようねぇ!」



花蓮がそう言いみんなが飲み物を注文して来るまでの間花蓮はえりなを力ずくで押し退け俺の隣に来た。



「痛いわねッ! この馬鹿力!」

「早い者勝ちでーす!」

「地味子! あんたちゃっかり足立君の隣に座ってたのね!」

「地味子って私? ええ!?」



花蓮のお陰で一気に騒がしくなる。 すると村上が困惑した顔をしていた。



「ねぇ、えりなさんはまだしも、もしかして新月さんと日々野さんって…… あれ? でも新月さんには彼氏が? あれ? どういう事?」

「さぁ、どういう事でしょうね?」

「私は健斗君の事……」

「てか私はまだしもって何よ!?」



ああ、吹っかけられたくない話題が次々飛び交うので早く飲み物来て誰か曲でも入れてくれ。 新村はそんな俺達を見て心底くだらねぇと言った表情をしていた。



「村上さん、健ちゃん狙うなら覚悟してよね?」



こちらからは見えないが花蓮がそう言った表情を見て村上はゾクリとしたような顔をしていた。 どんだけ怖い顔して言ったんだ花蓮……



「そもそも村上さんと新村君ってどういう知り合いよ?」



えりながそう村上に聞くと村上はオホンと咳払いをした。



「えっとねぇ、新村君とは幼馴染なんだけどこの子学校で喧嘩して今停学中なの。 だから気分転換にと思って今日連れて来たの」

「ふん……」



喧嘩して停学? なんか想像ついた。 こんな女みたいな顔だからからかわれて…… なパターンだろ? 俺に突っかかって来た時もなんか喧嘩腰だったし。



「ふぅん? 健ちゃん何かあったら私が守ってあげるね!」



花蓮がそう言って俺に頭を擦り付けてきた。 おいおい、上野がいないからって…… すかさず俺の隣に居る沙耶も俺にグイッと近付く。



「てか足立君がこんなにモテるなんて…… で、でもあたしも負けてられない!」

「きゃあッ!」



村上は沙耶を退かそうと頑張っているとようやく飲み物が来た。



「飲み物が来たんだし曲入れようぜ?」



俺はこれ以上もみくちゃにされるのは簡便なので花蓮にタッチパネルを渡した。



「健ちゃんから受け取ったら歌うしかないねぇ、じゃあ私から歌おう! 次えりなちゃんね!」

「何勝手に決めてんのよ!?」



そう言って花蓮は手慣れた感じで曲を入れ歌い出した。 花蓮はアイドルの歌を可愛らしく歌い上げる。 行き慣れてるのか花蓮は上手かった。



「どぉ? 健ちゃん!」

「ああ、凄く上手かったよ」

「えへへ、でしょう? 」

「はい! 次は足立君!」



えりなは強引に俺と花蓮の間を割って入って俺にタッチパネルを渡した。



「えりなちゃん何ヒス起こしてるんだろうねぇ? 怖い怖い」

「あはは……」



そんな事を話している間にえりなも歌い出した。 えりなは今流行りの曲をチョイスした。 えりなも普通に上手い、てかえりなはチラチラと俺を気にしているようだった。



てか何歌えばいいかな、最近の曲とかよくわかんねぇし……



「あ、健ちゃん何歌うか迷ってるなら私と一緒に歌おう?」

「え!?」



花蓮が俺からタッチパネルを奪い取りパパッと曲を入れた。 えへへと笑いながら俺に画面を見せた。 知ってる曲だけど花蓮と一緒に歌うのか……



そしてえりなが歌い終わり俺は何故か花蓮とデュエットする。 えりなと沙耶とそして村上の刺すような視線を浴びながら。 そこにはもう和気藹々とした雰囲気はなかった。



そんな中新村はボケ〜ッとしていた。 こいつ絶対楽しくないよなと俺は思った。



歌い終わり花蓮がそんな新村にタッチパネルを渡した。 花蓮、新村がそんなに歌いたくないのわかっててやってるな。



「ほら、歌いなよ? 新村君」



花蓮がこれ見よがしに微笑んで新村にそう言った。 なんだか花蓮の行動で空気が変わった気がする。



「いや、俺はまだいいわ」

「え〜、新村君可愛いのにノリ悪い! じゃあ日々野さんでいいや、はい!」

「え!? わ、私? 」



沙耶は緊張がMAX状態だったのかアニソンを入れて声が裏返りながら歌った。 沙耶のお陰でさっきの花蓮と新村との不穏な雰囲気は消えた。 村上も歌い終わり何巡かした後村上はえりなと話していた。



花蓮がトイレに立ち次は沙耶が歌うので隣で何を歌おうか選んでいる沙耶を尻目に村上とえりなの話を聞いていると……



「美咲さんって足立君をどう思ってるの?」



俺の真向かいにえりなが座っているのに村上はそんな事を聞いていた。



「ど、どうって……」



えりなが俺を気にしながら答えに詰まっている。



「美咲さんが足立君を何とも思ってないならあたしも足立君の事好きに接していいよね?」



そう言われた途端えりなはこちらを見て「足立君は出て行きなさい!」と部屋から追い出された。 ええ? 俺のけ者かよ? と思いそういえば花蓮遅いなと思って花蓮を探すと花蓮は3人組の男とトイレ付近に居た。




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