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その日は、日焼け止めのクリームの役目を果たせそうにないと思える程の日差しの強さに、学校へ行くのが億劫になっていました。
家から徒歩で十分の道ですらこう思うのだから、遠くからの通う生徒は私以上に感じていると思う。
『本日の気温はーー』
と放送されるアナウンサーの声を聴きたくないと、耳を覆う。具体的な数字まで聞いてしまったら、ますます学校へ足が遠のいてしまいます。
フラフラと歩を進めてて、横断歩道の前で止まって信号機を見たはずだった、だったではなく見た。まぎれも無く赤信号なのに、歩き出していた。
その直後に何が起きたのかは誰もが想像つくと思う。
私ーー橘優子は死にました。




