弍 進路
どうもTS好きの作者です。
はい、やっと中学が終わります。
性転換後の初めての登校で、クラスメイト達とは会わないように早めに学校に行った。
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学校に着くとまず、校長先生のところに行った。
コンコン
「はい、入ってどうぞ」
「失礼します」
ドアを開けるとそこには白髪混じりの髪の毛をした男性がいた。この人がここ 雲上中学の校長である。白髪混じりではあるが今年で47歳とまだまだ若いのである。
「ソファに座ってどうぞ」
「ありがとうございます」
と、母さんはお辞儀をした。僕も母さんに習いお辞儀をした。ソファに座ると校長の補佐である秘書の田中さんが温かい緑茶を出してくれた。
母さんはひと口それを飲むと話を切り出した。
「私は気づいているのですが、白羽いえ清弘は学校で虐められていますよね?」
「!?、か、母さん何言ってるのそんな訳ないじゃん」
「白羽ちゃん」
「は、はい」
「嘘を言う時はもっと上手く言いなさい」
「は、はい」
僕はその一言で黙った。
校長が口を開いた。
「はい。確かに清弘君は虐められていました。それは認めましょう」
「では何故、止めないんですか?」
「教師達には、やめさせるように言っているのですが言う事を聞けないようです。実際、いじめを行っている主犯格は大富豪の息子なので自分が止めた場合の仕打ちが怖いのでしょうね」
「でも、先生のほうが大富豪なのでしょう?」
「分かっていましたか。はい、実際いつでも潰せるんですよねあの家は」
と、二人で話が勝手に進んでいき僕の理解が追いつかないまま、結論が出た。
「結論としては、主犯格の家を潰すということでいいですね?」
「はい。異論はありません。思う十分やって下さい」
と、母さんがニコッと笑った時は怖かった。
「清弘君いえ、白羽さん」
「は、はい」
「短い間ですが、安心して学校生活を楽しんでくださいね」
「あ、ハイ」
としか、反応が出来なかった。
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今後についての説明が終わり8時半頃になっていた。
「あ、もうこんな時間、白羽、私仕事に行ってくるね」
「あ、うん。行ってらっしゃい」
「はい、行ってきます」
と、母さんは言い校長先生をあとにした。
「それでは、私達もいきましょう」
「分かりました」
校長先生にエスコートされながら自分の教室へと向かった。
教室に入ると予想通り、全員がこちらを向き一瞬静かなったと思ったら男子生徒は叫び、女子はヒソヒソ話し合っていた。
すると、主犯格が近づいてきた。
「お前、清弘なんだってな。今日からお前は俺の性奴隷な」
と、校長を前に堂々とした態度で宣言した。
いつもなら、黙って従うが今回は違う。
「ぃゃだ」
「なんだって?」
「嫌だ!」
「あぁ?俺に従わねーとどうなるか分かってんだろうな? 」
主犯格は、手を挙げ殴ろうとしてきた。
「うっ、」
咄嗟に目を瞑る。しかし、いつになっても拳は飛んでこない。目を開けると校長先生が主犯格の掴んでいた。
「なにすんだよ!?離せ!」
と、主犯格は暴れるがびくともしない。逆に主犯格の腕を強く握っていた。
「い、痛い、離せって言ってんだろ!」
そう叫び、主犯格は逆の腕を使い校長先生を殴ろうとした。しかし、簡単に避けられそのまま主犯格に固め技を決め、床に倒した。倒した衝撃で主犯格は咳き込んだ。すると
「俺にこんなことしてただですむと思ってんのか!?」
と、逆切れしてきた。
「あなたの家族の会社はじきに私が買収するでしょう。さて、何もなくなったあなたはこの態度を続けることが出来るでしょうかねぇ」
と、挑発気味の喋り方で校長先生は言った。
その直後、校長先生の秘書の田中さんが来た。
「ご主人様、買収完了しました」
「分かった。ご苦労」
「それでは」
と、短い会話をして田中さんは教室を去っていった。すると、校長先生は主犯格を離した。離した瞬間、主犯格は急いで校長先生から距離をとった。
「はあ、はあ、これでお前はおしまいだ!」
と、堂々と宣言した主犯格だが突如、教室内に
電話の着信音がなった。持ち主は主犯格であった。
「こんな時になんだよ、チィッ」
と、舌打ちしながら電話に出ると主犯格は顔を真っ青して校長先生の方を向いた。その後、主犯格は急遽、用事を思い出したと言って教室をを出ていってしまった。
主人公がいなくなると、通常通りの授業が開始された。6時間目再度、自分の進路を書く紙を渡され、第一志望には(エアーファイター)と、書いた。
放課後、僕は校長先生に呼び出された。
コンコン
「失礼します」
「どうぞ」
「それで話というのは?」
「あぁ、白羽さんは進路希望にエアーファイターを書いたよね」
「はい、何かダメでしたか?」
「いや、そういうことではないのだけどね」
「は、はぁ」
「君の学力から考えると、実力がある学園に行けないんだ」
「しょうがないですよ。だって女体化するなんて思ってもいなかったんですから」
「わかってるよ。だからね、君の学力で行ける中での実力校がこの学園しかなかったんだ」
校長先生はそう言い、一つの学園案内パンフレットを机の上に出した。
学園の名は
出雲学園
自然が豊かであり、校舎は珍しい木製であり勉学が弾むとしてまあまあ人気の学園である。だが、エアーファイターとしての実績は酷いもので予選敗退はいつものことである。しかし、去年予選を勝ち抜き1回戦に行ったが、初戦敗退で終わってしまっている。
大体の資料を読み終わり、パンフレットを閉じた。
「それでどうだい?入る気になったかな?」
と、校長先生が聞いてきた。僕は
「はい」
と、返事をした。
「そうか、では私から君を推薦しておくよ」
「え、でもいいんですか?校長先生がそのようなことをしても?」
「今回の、いじめの原因は私にもあるから。そのための償いと思ってほしい」
「分かりました」
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あの話から、5ヶ月後、出雲学園の推薦を受け
結果発表当日
自分の番号が見つかり、僕は嬉しく母さんに抱きついた。母さんも嬉しかったのか抱き返してきた。
やっと僕はスタートラインに立てた。
頑張って立派なエアーファイターになるぞ!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
次回は高校生活編をやっと書けます。
待っていて下さい。
感想待っています。