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異世界魔法の物理学  作者: のん
第一章
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7. お父さまとの交渉

お父さま(ジャック・オンネス)が初めて出てきます。一人称は「私」になります。

ちなみにお母さま(レティシア・オンネス)の一人称は「わたし」です。主人公と被りますね。


前話を13時ごろに更新していますので、読み飛ばしにはご注意ください。


食堂につくと、すでにお父さまとお母さまは席について話をしていた。


「あなた、クレアちゃんが魔法に興味を持っているみたいなの。家庭教師を付けてみてはどうかしら」

「レティシア、クレアはまだ6歳だ。魔力量の問題もある。まだ早いんじゃないのか?」

「あら、座学と規模の小さな魔法だけなら大丈夫じゃないかしら。クレアちゃんもやる気があるみたいだし、そのあたりはちゃんとした教師を選べば問題ないわよ」

「しかしなぁ……」


お父さまはわたしが魔法を習うことに懐疑的なようだ。

しかし何としてでも魔法は習いたい。わたしからも熱意のほどをお伝えせねば。


「お父さま、お母さま。遅くなりました」

「おおクレア。待っていたぞ。さぁ、食事を始めよう」

「はい」


食卓には、ザ・フランス料理といったような料理が並んでいた。

お父さまが近衛騎士で禁欲的なこともあるのか、量は控えめだし、フルコースというわけでもなさそうだが、日本の飽食の時代で育った前世の記憶があるわたしからしても十分といえる質であった。


(食事に困ることはなさそうでよかった)


食事をしながら、お父様に話しかける。


「お父さま、先ほどお母さまと魔法についてのお話をされていたようですけれど……」

「ああ、レティシアがクレアに魔法の家庭教師を付けようと言っているんだが、私には早いような気がしていてなぁ」

「お父さま、わたしは早く魔法を習いたいです。もちろんわたしは子どもなので魔力量が少ないのは理解しています。でもどうしてもお昼に見た魔法の発動原理が気になって仕方がないのです」

「なんだ、クレアは魔法を使ってみたいんじゃなくて魔法の原理の方が気になるのか」

「はい。今日のお昼、お母さまから簡単に魔法についてお聞きしましたが、それでもわからないことが多いのです。そこで、専門の教師の方に教えてもらいたいのです」

「ううむ……」

「あなた、ではこうしましょう。クレアちゃんに初級の魔法教本を渡して勉強させて、初歩の魔法を自分で発動できるようになったら家庭教師を付けましょう。6歳で魔法を発動できるんだったら、ちゃんとした教師を付けないともったいないでしょう? 初歩の魔法であれば消費魔力もほとんどないはずだし、問題はないと思うわよ」

「元宮廷魔法師のお前が言うのなら間違いはないのだろうな……。わかった。初級魔法教本を用意するとしよう」

「ありがとうございます! お父さま、お母さま!」


良かった。これで条件付きではあるが魔法を学ぶ機会が与えられた。


「それでお父さま。ついでと言ってはなんですが、ノートや筆記用具を用意していただけませんか?魔法を学ぶにあたって必要になると思うのですが……」

「あぁ、それくらいなら問題ない。もともと用意するつもりだった。しかし自分からそういうことを言えるというのは、勉強熱心で何よりだ」

「ありがとうございます。それと……」


後は、振り子だ。


「これは魔法とは関係ないのですが、振り子が欲しいのです」

「振り子? これはまた地味なおねだりだな。インテリアにするのか?」

「インテリアとしてもいいかもしれませんが、ちょっとした実験を行いたいのです」

「実験?」

「はい。この世界の重力加速度を測定したいのです。もしかしてすでに測定されているのでしょうか? それでしたら必要ないと思いますが……」

「じゅうりょくかそくど? 聞いたことのない言葉だな。それはいったい何なのだ?」


(やはりこの世界では科学は発展していないのだな……)


「重力加速度とは、物が地面に落ちる際に加速する割合のことです。この値が分かることで、物が投げられた時の到達地点や到達時間を求めることができます」

「そんなもの、どこで覚えてきたんだ? どこかの本に書いてあったとか……」


(わたしが前世の記憶を思い出した、ということは伏せておいた方がいいような気もするけど、これからも前世の知識を使っていくとなると、打ち明けておいた方がいいのかもしれないな……)


わたしはお父さまとお母さまに、前世の記憶があると打ち明けることに決めた。

主人公は転生を打ち明けることに決めました。

自分から転生を打ち明ける話ってなかなか見ないような気がするんですけど、なんででしょうね。


下の星をぽちっと押していただくと星いくつでも筆者非常に喜びます。

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