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異世界魔法の物理学  作者: のん
第一章
35/42

34. マギコンデンサ

前に言っていた、魔力に対応する粒子が登場します。


同時に1話投稿しているので、読み飛ばしにはご注意ください。

なんだかんだで結局銀の配線が届くまで魔法具に関する実験はできなかった。

でもこれで鉱石も銀の配線もそろったし本格的に魔法具作製の始まりだ。


「まずは鉱石の方からいこうかな」


鉱石は不透明だと聞いていたけど、確かにこう見るとただのそこらへんにある白い石のようだ。

わたしは手のひら大の鉱石を手に持ち、魔力を生成して鉱石に集まるようにする。

そうすると、なんと魔力がはじかれて霧散してしまった!


「絶縁体だこれ!」


ダメじゃん!

魔力を溜められる機能があると思ったのに!

そううまくはいかないか。


しかしエネルギーをはじくというのは意味不明だから、やはり魔力というよりは何かの粒子があるとみた方がよさそう。

粒子自体がエネルギーを持っていて、血液を魔力というエネルギーに変換した際に副産物的に生まれるものだと考えてみよう。

仮に"魔粒子"、マギオンと名付ける。魔子はなんか語呂が悪いからいやだ。ミュオンなんかも日本語だとミュー粒子だし。


マギオンが質量をもっているかどうかはわからない。でも質量を持っていなかったら光速で運動する気がするから、多分質量はある。もちろん、素粒子なので非常に小さい質量だ。


もしマギオンがあるのなら、前世の世界のコンデンサのようなものは作れないだろうか。

コンデンサは、二枚の金属電極板を向かい合わせ、電圧をかけることで電荷を溜めることのできる回路素子の一つだ。電極内に絶縁体を入れることで容量を増すことができる。

銀の中を流れるのだから、銀で作った二枚の板にこの鉱石を挟むことでマギオンを溜めるコンデンサ、名付けてマギコンデンサが作れるかもしれない。

そうすれば、実質的に電池を作ったのと同じだ。いや、電気が流れるわけではないけど。


先生は、銅でも作れると言っていたから、銅板か何かで試すべきかな。

銅板くらいどこかにあるだろう。

ベルを鳴らしてメイドを呼ぶ。


「何か御用でしょうか、クレアお嬢様」

「一辺の長さが50リルランデほどの、四角くて薄い銅板はないかしら。2枚必要なのだけれど」

「銅板ですか。探してみます」

「お願いね」


次はお姉さまだ。風魔法で鉱石を直方体にスライスしてもらおう。

わたしはまだ初歩魔法しか使えないから、風の刃を作る魔法は知らない。

多分、もう呪文くらい自分で考えられるからできるかもしれないけど、あとでばれたら怒られそうだし。


お姉さまの自室に行き、扉をノックする。


「お姉さま、クレアです。今大丈夫ですか?」

「大丈夫よ。入ってちょうだい」


扉を開けて部屋に入る。


「何か用かしら?」

「この鉱石を風魔法の刃でカットしてほしいのです。縦横50リルランデ、高さ0.5リルランデくらいの直方体にスライスしてほしいです。あっ、なるべく端の方でスライスしてもらえると助かります」

「お姉ちゃんの魔法が必要なのね。庭に出ましょうか」


庭に出て、お姉さまの魔法で鉱石をカットしてもらう。

お姉さまは風の刃を発生させる魔法を詠唱した。


「《風刃》」


お姉さまは1単語による短縮詠唱までマスターしているようだ。さすがに優秀だ。

風刃によって、鉱石はきれいに直方体にスライスされた。


「1つでいいのかしら」

「念のため、あと2つほど作っていただいてもよろしいですか?」

「お安い御用よ」


お姉さまの魔法のおかげで予備の鉱石片も手に入った。

お姉さまにお礼を言い、自室へと戻る。

机の上には銅板が置いてあった。

わたしがいない間にメイドが置いて行ったのだろう。


さぁ、実験開始だ。

銅板に薄く糊を付け、鉱石と貼り合わせる。

本来は、金属を蒸着して電極 (魔極?) とするのがいいと思うけど、今はまあこれでいい。

糊が固まるのを待って、庭に出た。

右手で片方の銅板を持ち、もう片方の銅板は地面に押し付けた。

地面に押し付けたのはアースのつもりだ。


そのまま、右手から銅板へ魔力を流していく。

流した魔力は銅板に吸い取られていき、魔力が溜まっていっているようだった。

どうやら成功だ。

流し終わったマギコンデンサから手を離すと、銅板に魔力が溜まっているのが分かった

これはマギオンというものの存在が証明されたことにならないだろうか。

マギオンにも、電子などのようにプラスとマイナスみたいな何かがあるのかな。片方の銅にマギオンが溜まったということは、もう片方の銅板には相対的に逆符号になっているはず。

この辺りは、もっといろいろ研究を重ねないとわからなさそう。


とりあえず、このマギコンデンサ、どうやって拾おう。

人間は魔力の良導体だから、せっかく溜めたマギオンが放出されてしまうかもしれない。

わたしはうんうんとうなりながら、マギコンデンサの拾い方を考えるのだった。

主人公が新しくマギコンデンサを作りました。

コンデンサってフィルムコンデンサならラップとアルミホイルで作れるみたいです。

実際には今回の話で出たような適当な感じではいい感じにはならないと思いますが、筆者はコンデンサを作ったことがないのでわかりません。


下の星をぽちっとしていただければ、筆者非常に喜びます。よろしくお願いします。

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