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異世界魔法の物理学  作者: のん
第一章
23/42

22. 単語による魔法発動

評価、ブックマークありがとうございます! 励みになります。

カリーヌ先生との魔法の訓練は順調だ。

魔法陣を描く練習は進んでおり、関数型の記述にも慣れてきた。

そろそろ発光魔法の魔法具を作ることができるんじゃないかと思う。

しかし、実際に市場に流通させるのは難しいだろう。

まず、発光魔法の発明を発表しないといけないが、現状わたししか使えないので、再現性がとれず認められることはないだろうとのこと。

発光の魔法具は、作れたとしても今のところオンネス家のみで使用するだけになるだろう。


ちなみに、発光魔法の開発については、すでに両親にも報告済みだ。

お父さまはそもそも発光魔法がなかったことを知らなかったようだが、お母さまは非常に驚いていた。

お母さまは小さなわたしが知らない魔法を使ったことで魔力を消耗しているのではないかと不安になっていたようだが、この魔法の消費魔力が非常に小さいことを伝えたら、何とか安心してくれた。


そして、今日の午後は単語による魔法発動の訓練をしている。


「いい? クレアちゃん。単語による魔法発動は、前にも言ったけどより強固なイメージが必要になるわ。また、呪文も人によって千差万別となるため、初歩魔法を除いては教本が存在しません。ただ、今後無詠唱の魔法発動を練習するときに手助けとなるので、単語による魔法発動をしっかり勉強しておくことは、非常に大事になるから、頑張りましょう」

「はい、カリーヌ先生」


単語による魔法発動は、呪文のように起句は必要ない。そこは、より強固なイメージ力で補完するというわけだ。さいわい、わたしには火というものがどういうものかわかっているため問題ない。

灯火の呪文に必要な単語は基本的には魔法陣に描いたのと変わらない。


《発火》という単語は一番最後に持ってくる。なぜなら、先に規模や位置をしておかないと《発火》と唱えただけで魔法が発動してしまい、規模などが指定できず再現性が取れないからだ。

イメージが強くなれば、規模などは発言しなくてもよくなるらしい。位置などを頭の中での思い描いておくことで、本当に《発火》の一言できちんと魔法を発動できるということだ。ほぼ無詠唱魔法に近い。


規模や位置は、数値を唱えるが、順番が存在する。

この順番を覚えなくてはいけないのが面倒な理由だという。

その順番は、規模、方角、距離、遅延発動時間、残留時間……となる。指定する項目が多いと数値の順番を間違えてしまいそうだ。

ちなみに間の項目が必要ない場合、例えば遅延発動する必要はないが残留時間を指定する必要がある場合には、遅延発動時間は0秒を指定しなくてはいけない。飛ばすことはできない。

残留時間以降が必要ない場合など、その先全てが必要ない場合は発声する必要はない。

今回は規模と方角、距離のみを指定すればよいので、3つ単語を言えばよい。


「《50 lr》《前方》《0.1 r》《発火》」


無事、指定した規模、位置で灯火を発生できた。


「さすがね、クレアちゃん。火のイメージが完璧なのね。もしかしたら規模とかも発声する必要ないかもね」

「いえ、わたしには火がどうして燃えるのかという知識があります。そのため、火が発生するイメージが取りやすかったんだと思います。規模はともかく、位置は空間把握能力になってくると思うので、まだ発動キーだけでの発動は無理かと思います」


一部の数値だけを省略することはできない。例えば、規模だけを省略して頭の中でイメージして方角以降の数値を唱えても、方角の部分が規模にずれ、距離の部分が方角にずれ、とめちゃくちゃな結果になる。

省略するときは、全てを省略しないといけないのだ。


「そうかしら。意外と人は空間把握能力もしっかりしているものだから、ここで躓く人はあまりいないけれど。でも、慎重になるのはいいことだと思うわ。今日はほかの初歩魔法でも同様に単語での発動ができるかどうか練習して、終わりにしましょう」

「はい、わかりました」


その後、アニーが夕食に呼びに来るまで、魔法の訓練を続けたのだった。

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