プロローグ
初投稿です。趣味で書いておりますので至らぬ点はありますが、良かったら楽しんでください。
男は広いベッドの上に腰掛けていた。
天蓋付きで、薄い純白のベールが架けられており、まるでお姫様が寝ているかのようなベッドだ。
しかしその清楚な見た目とは裏腹に、部屋の灯りは間接照明のみであり、何やら妖しい雰囲気が漂っている。
そして目の前には一糸纏わぬ少女が屈んでこちらを見下ろしていた。
夜の帳の色をしたショートヘアー、肩にかからない程度で切りそろえられている。肌は弾く様な艶があり、白い肌にほんのりと紅を落としている。
胸は程よい大きさで張りがあるのだが、本人は自信が無いのか、顔を逸らし片腕を組むようにして胸を隠している。
こいつ、こんな表情もするんだな
男がその少女に見蕩れていると、少女の方から男に近づいてくる。そのままベットへと押し倒されていく。
積極的な少女の様子に思わずゴクリと唾を飲み込んでしまう。
熱を帯びた妖しい吐息が耳元に当たる。
「ねぇ、・・・・・クト・・・ム」
男の名前を囁く甘い誘惑。細い指が背中へと回されて、撫でるように這いながら伝っていくゾクゾクするような感覚。
段々と顔が近づくに連れて金木犀のような甘い香りが脳を蕩けさせる。そして蕾のように小さく生命力のある唇が、男の唇と交差し、そのまま絡み合うように一体となっていく感覚。
この時が永遠に続けばいい。
そんなふうに思う。しかし、男にはわかる。
もうすぐこんな時は終わってしまう。幸せは長くは続かないのだ。
不安と喪失感で胸がいっぱいになり、気づかないうちに眼は潤み、唇は震える。
そんな男を少女は背中に回した手で優しく包み込む。
先程までの妖しい手つきではなく、慈愛に満ちた聖母のような抱擁で、男の気持ちを鎮めていく。
「また、会えるよな。」
男は言う。唇の震えは止まっていたが、眼だけはまだ少し赤いままだ。
「会えるよ。きっとね。
だって私は、あなたを愛しているんだから。」
そういう彼女の瞳は、真っ直ぐと男を見つめていた。きっと男だけではなく、男との未来を見据えている。髪の色よりも少し明るい藍色の瞳。
綺麗だ。
男は素直にそう思った。
「あぁ、俺もだよ。」
そして男も愛を唄う。
そのまま互いの愛を確かめあうように、再び体を絡め合い、そのまま離さないよう強く強く抱きしめあった・・・。
・・・・・・・・・。
とりあえず落ち着く所まで書いてみます。