こなきん
「おい! ポン! お前のせいで俺はなあ、死に、はぐったんだぞ。 もう少し手加減せーよ。」
俺が、すまなそうに見つめる ポンに物申した。
「うっさい!大体あんたが、あたしの髪の色を・・・・・これは自毛で染めてないんだよ・・・ 調子に乗んな。この 馬鹿犬」
ポンも負けずに言い返した。
「何いいいいいいい・・馬鹿犬だとおおお。お犬さんに失礼だろうーが」
俺が 憤慨すると ・・・。
「犬が馬鹿な訳じゃなくて、あんたが馬鹿なんだよー。ばーか・・ 馬鹿たれ助。」
「さ・・最低だな・・お前・・お前には女の子らしい優しさてっもんがねーのかよ。」
こんな感じでポンと小競り合いしていると・・・・。
神経質そうなメガネをかけた 保険室の先生・・ 多部純子が ・・・・
「 あなた達、静かになさい。 他に具合が 悪い子もいるのよ。」
俺とポンは怒られて 思わずシュンとなる。
それを見て華南が 笑いを 必死になってこらえている。
その時だ。ガラリと保健室の ドアが 開き・・一人の女子が、幽霊のように無言で入ってきた。
「どうしたの?コナキンさん。・・また偏頭痛がひどいの?」
コナキンと言われた、女子が コクンと頷いた。
葉月・ マーガレット・ コナキン・・・たいそうな名前・・・でも 本人は、冬の蚊みたいに元気がない。・・真冬に蚊がいるのか? たまーに、いる。死にそうな奴が・・・ それは置いといて。・・・
まあ今、流行りの・・でも芸能界では少し飽和状態だが。・・こなきん・・は ハーフだ。
青味がかかった、 黒髪 をポニーテールにしている。
ハーフである証しの 淡い大きなブルーの瞳。でもジト目で常に眠そう。・・・
病的な肌の白さ・・・噂ではイギリスの血を引くようだが。・・・
そして痩せている。・・華奢な子だ。
俺達(優太・華南・ポン)とクラスメートだが。・・ 一度も・・もう全然話したことはない。
人との関係を避けているとゆーか・・・クラスでも友達がいなくて、一人浮いている。
先生もクラスの皆も、腫れ物に触るような扱いだ。・・
コイツには 一学年下の妹がいるのだが、まあ・・ここで言うのは、やめておこう。
コナキンが無言で、 白いべッドに 横たわる。
今・・・ちょうど 3時間目の授業か、数学の時間だ。
コナキンの奴。・・上手く授業を抜け出したらしい。・・
それは置いといて・・夢?の中で会った、金髪の謎めいた美女に俺は、また 会いたいと思っていた。
読んでいただきありがとうございます。・・