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旧正月ミケの伝説

ヒューン・ドンドドンッバチバチッ


カチャン・カチャ・キイィ・・・パタン・カチャン


アニィ「お帰りアン。遅かったな」

アン「ふう、ただいまあ、あなた」「どっこいしょっと」

  「よっこらせっと」


アニィ「何かあったのか?」

アン「うん、帰りの途中の駅で身投げ自殺があったのよ」

アニィ「ホントか?」

アン「うん、十代の男の子が病気を苦に電車に飛び込んだのよ」

  「でもね、すごかったのよそれが」

  「あと一歩のとこで、作業着を着た30歳くらいの男性に」

 「助けられたの」「あたしビックリしちゃってねえ」

 「その場にいた大勢の人が叫びながら見てたわ」

アニィ「へえ・・・それでどーなったんだ?」

アン「そいでね、その時にその男性が少年に叫んだセリフが」

  「ムッチャかっこ良いの!」「今でもはっきり覚えてる」

アニィ「うんうん」

アン「いいか少年!死のうなんて死んでも考えるな!」

  「殺されても死なんぞってくらいの覚悟で生きて見せろ!」

  「どんな弱虫だって生きてるかぎり」

「何回でも生まれ変われるんだぞっ!って大声で怒鳴ったの」

アニィ「へえ・・・」

アン「あたし感動して泣いちゃった。みんな泣いてたわ」

  「みんな拍手してた」

  「その男の子は、持病の病気のせいで学校も辞めて」

  「家に引きこもってたんですって」

  「男の子は助けられてから」

  「男性にしがみついて大声で泣いてた」

  「あんな光景めったに見られるもんじゃないわ」

アニィ「・・・・」

アン「あんな男性に愛される女性って。幸せな人よね・・・」

  「カッコよすぎるもん」

アニィ「・・・・」

アン「あ、ゴメンゴメン!私はアニィひとすじよ?」

  「嫉妬しちゃった?」

アニィ「それよりアン!今日は旧正月最後だから」

  「外で突撃花火が上がってるぞ?」「見てみろよ」

  「そこの窓から見えるぞ?」

アン「え、どこどこ?」

アニィ「ほらあそこだよあそこ!」

アン「・・・・・」

  「わっきれーい!」

アニィ「だろ?」

アン「ネネ?アニィ知ってる?突撃花火には伝説があるのよ?」

アニィ「え、何だよそれ」

アン「ミケ猫の神様が、猫だった時に、飼い主の少年が」

  「良かれと思って、この次元を狂わせてしまったの」

  「事故だったんだけど、その時にそのミケ猫が」

  「時空の迷い子になってしまったの・・・」

アニィ「うんうん」

アン「その猫は本当に人なつっこくって」

  「誰にでもなついてしまう様な良い猫だったの」

「だからその異空間でも必死に飼い主の少年のために戦ったの」

 「元の世界に帰るために」「すべてを元に戻すために」

 「結局、猫は帰る事は出来たんだけど」

 「その飼い主の少年は心の病気になってしまったの」

 「猫を巻き添えにしてしまったバツだと思って」

 「罪悪感に自分を責め続けたの、申し訳なくって」

 「猫は何年かして少年の家を去った」

 「死期が来たのね・・・」

 「それから少年は突撃花火を打ち上げたの、天に届くように」

 「天国に逝って神様になったミケ猫に謝りたくて・・・」

 「どっちも優しい心を持ちつずけたの」

 「お互いを助けるために・・・」


「それが、旧正月「ミケ」の起源なの」


アニィ「・・・・」

アン「?」「アニィ・・・泣いてるの?」

アニィ「グズッズル・ジュルジュル・・・泣けてくる」

アン「良い伝説よね」

  「私たちの世界も助け合えたら良いのにね?アニィ」

アニィ「・・・そうだよな」

アン「あ!忘れてた。お土産のブヒブヒまんじゅう!」

  「駅の売倍店で、最後の残り一個をねえ」

「他の客のおばちゃんとジャンケン勝負して勝ち取ったのよ?」

  「すごいでしょ?私って」


アニィ「ああ、アンは美人で力持ちで、優しい子だな!」

アン「ああ!力持ちって何よアニィ!」

  「私はか弱い女の子なのよ?」

  「もっとお姫様には贅沢をさせるものなのよ?」

アニィ「プッ!あっはははっはは!」

アン「何笑ってんのようアニィったらもう!」

アニイ「アハハハッ」



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