もう一度告られた理由がわからない
次の日またも俺は神有愛夏莉に告白された。
「上裂先輩私と付き合ってください」
あれ?
昨日形はどうであれ断ったよね?俺。
あれは夢か?
なるほどこれが予知夢ってやつか。
それにしても予知夢ってこんなにも確実に予知できるんだね。
てっきりヒントみたいなことしか教えてくれないんだと思ってたよ。
などと頭の悪そうなことを考えていると神有が口を開いた。
「あの…先輩?」
上目遣いで見つめてくる神有が結構かわいかったので俺は目を逸らしてしまった。
「あ、いや聞いてるよ」
「付き合ってくれますか?」
「俺昨日断らなかったか?」
「はい。割とひど目に断られました」
やっぱ昨日のは現実だったんだな。
「昨日の今日だし答えは変わらないんだけど」
「じゃあ月日を重ねたら付き合ってくれるんですか?」
「いや、そういうことでもないんだけどよ」
「えー!じゃあどうすれば付き合ってくれるんですか?」
「なんで最終的には付き合えることになってんだよ
」
「じゃあデートしてください」
「なんでそうなるんだよ」
神有のペースについていけそうになかったのでこっちから気になってることを質問することにした。
「ってかお前なんで俺のことを知ってるの?」
「この前に廊下歩いてたところを見て一目惚れしました」
一目惚れで知らない奴に告ってきたのかよ。
なんだこいつ。
「名前は?」
「神有愛夏莉です」
「いや、そうじゃなくて俺の名前はどうやって知ったんだ?」
「偶然同じクラスに先輩のこと知ってるの友達がいたんでその子に聞きました」
なるほどな。
その行動力は大したもんだ。うん
大したもん過ぎて困っちゃうな。
それより1年の知り合いってのは2人しかいないわけなので犯人はかなり絞られるな。
しかしこれから毎日告りに来られても困る。
というわけで俺は今俺が出せる限り最高の返事をすることにした。
「じゃあとりあえず知り合いってことで」
「友達から発展させていくってことですか?やったー」
「いや、友達じゃなくて知り合いだよ」
「そんなの同じことですよ。っていうわけで明日友達としてでいいのでデートしてくださいっ!」
「友達と知り合いは一緒じゃねぇだろニュアンス的に」
俺の考え方としては友達とは互いに互のことを知りさらに遊びに出かけたり一緒に勉強をしたりっていう関係で知り合いってのは互のことを知っているだけで遊びに出かけたりなどはしないのだ。
上記によりデートはない。
なので断ることにした。
断るよ。絶対に断るからね。
「ダメですか?」
上目遣いで神有が見つめてくる。
畜生。かわいいなオイ。
「一回だけな」
あれー?断るはずだったのになんか可愛い女子にはどうしても甘くなってしまう男子高校生のクセがでてしまったよ。
ちなみに俺の考え方としてはかわいいと好きは別物である。
これはただの俺の感覚なので理屈は説明しにくいがまあ、そういうことにしていただければ幸いです。
誰に話してんだ俺は!
「やったーありがとうございます。じゃあ明日の放課後に先輩の教室に迎えに行きますね」
「あ、おう」
そう言うと神有は自分の教室に戻っていった。
というわけで人を好きになったことがない俺の初のデートが始まってしまうわけである。
あくまで知り合いとしてのデートだからね。
でもデートしてしまうと友達ってことになっちゃうな。
もうどうでもいいか。
でもデートしてしまうととも