ごめんね、サンドバッグ
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初めて投稿します。まずは、自分の書きたいことを書いていくつもりです。
読みにくい点、わかりにくい点などあると思いますが、どうかよろしくお願いいたします。
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世の中には、人をものすごくイライラさせる人間がいる。
私の知り合いにも一人、そんな男の人がいる。彼の場合、まっすぐな人間で、嘘・偽りはカケラもない。自称、人からの信頼も厚く、俺は周りに必要とされている、と。
なんて素晴らしい人なんだろう。一見、そう思われるかも知れないが、彼は私に言う。
「なんで、本当のこと言わないの?」
「へ?」
もちろん、私も嘘なんてついていない。聞かれたことに対して、自分の思うままに答えているのだ。
なのに、彼は私が嘘を言っている、本心を隠している、と言い張るのだ。
どれだけ説明しても、自分の考えを一切曲げない。自分が正しいと思っているからだ。
そんな彼と話していると、私の頭の中がだんだんおかしくなってくる。
説明してもわかってもらえない、勝手に決めつけられているイライラで頭が一杯になる。
いつも話の最後には、私のイライラが限界に達して、
「もういい!!!!!」とその場を立ち去って終わる。
イライラが限界に達しているので、そんな急には私も落ち着けない。
そういう時は、部屋に設置しているエアーサンドバッグに殴る蹴るの暴行を加えるのだ。
黒いビニール製の空気の入ったサンドバッグに、憎い彼の顔を思い浮かべ、
ボコボコにやっつけてやるのだ。
「ふ~」
滅多打ちにしたので、私の息は上がっている。
一呼吸置くと、サンドバッグの黒い顔がなんとなく痛そうに見える。
イライラしても彼を殴ることなんて出来ないから、サンドバッグを殴るんだけど・・
「ごめんね」
私はさっき激しく殴ったサンドバッグをギュッと抱きかかえる。
いくら縁を切りたくても、しつこく私の周りから離れない彼。
今までも何回もイライラしながら、月日を乗り越えてきた。
私には、このサンドバッグがないと頭の血管が切れてしまうかも知れない。
いつも痛い思いをさせてごめんね。
そして、
いつも私を落ち着かせてくれてありがとう。
~ごめんね、サンドバッグ(完)~