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桃色エッセイ。

ごめんね、サンドバッグ

作者: 桃色 ぴんく。

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初めて投稿します。まずは、自分の書きたいことを書いていくつもりです。


読みにくい点、わかりにくい点などあると思いますが、どうかよろしくお願いいたします。


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 世の中には、人をものすごくイライラさせる人間がいる。

私の知り合いにも一人、そんな男の人がいる。彼の場合、まっすぐな人間で、嘘・偽りはカケラもない。自称、人からの信頼も厚く、俺は周りに必要とされている、と。


 なんて素晴らしい人なんだろう。一見、そう思われるかも知れないが、彼は私に言う。

「なんで、本当のこと言わないの?」

「へ?」

 もちろん、私も嘘なんてついていない。聞かれたことに対して、自分の思うままに答えているのだ。

なのに、彼は私が嘘を言っている、本心を隠している、と言い張るのだ。

どれだけ説明しても、自分の考えを一切曲げない。自分が正しいと思っているからだ。


 そんな彼と話していると、私の頭の中がだんだんおかしくなってくる。

説明してもわかってもらえない、勝手に決めつけられているイライラで頭が一杯になる。

いつも話の最後には、私のイライラが限界に達して、

「もういい!!!!!」とその場を立ち去って終わる。


 イライラが限界に達しているので、そんな急には私も落ち着けない。

そういう時は、部屋に設置しているエアーサンドバッグに殴る蹴るの暴行を加えるのだ。

黒いビニール製の空気の入ったサンドバッグに、憎い彼の顔を思い浮かべ、

ボコボコにやっつけてやるのだ。


「ふ~」

滅多打ちにしたので、私の息は上がっている。

一呼吸置くと、サンドバッグの黒い顔がなんとなく痛そうに見える。

イライラしても彼を殴ることなんて出来ないから、サンドバッグを殴るんだけど・・


「ごめんね」

私はさっき激しく殴ったサンドバッグをギュッと抱きかかえる。


 いくら縁を切りたくても、しつこく私の周りから離れない彼。

今までも何回もイライラしながら、月日を乗り越えてきた。

 私には、このサンドバッグがないと頭の血管が切れてしまうかも知れない。


いつも痛い思いをさせてごめんね。


そして、


いつも私を落ち着かせてくれてありがとう。

  

    

       ~ごめんね、サンドバッグ(完)~

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 文章に描かれているお二人ともが「真っ直ぐ」に感じられて、非常にわかりやすく 短い文に、良い意味で二人の性格的なものが伝わります。サンドバッグに謝りながら抱きしめる登場人物の「私」のけな気さも…
[良い点] サンドバッグの悲劇。その原因。 よく伝わりました。 ごめんねと謝りながら暴行を加える身勝手さも、よく理解しました。 一言お許しいただけるなら、流されている自分の罪を懺悔しましょうよ。 それ…
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