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執筆エッセイ

小説家になろうで人気になりたいあなたに贈るエッセイ

作者: しきみ彰

 このエッセイは、


「小説家になろうで人気になりたい」

「小説家になろうで感想や評価が欲しい」


 という方に向けたエッセイです。

 私個人の考えや経験を元に書いています。そのため、誰にでも当てはまるわけではありません。参考程度にお読みください。




①小説家になろうでの傾向を知ろう


 なろうには、様々な作品が連載されています。その中でも累計ランカーとして載るのは、ほんの一握りの人たちだけです。

 その中で必要なのは、ある程度の傾向を知り、情報を知り、それを自分の作品に書き連ねていくことです。

 では、なろうでの最近の傾向とはどんなものでしょうか。


 私は、

 恋愛なら「悪役」「トリップ」「転生」「逆ハーレム」「城もの」「乙女ゲーム」

 ファンタジーなら「主人公最強」「ハーレム」「トリップ」「転生」「剣と魔法」「MMORPG」

 などがあげられるかと思います。


 もちろんこの中のものが嫌いで、それを書きたくないから新たなものを発掘しようとしている方は多いでしょう。

 しかし、その情報を知っていないより、知っているほうが断然強い。私はそう思います。

 なぜそのようなことを言うのかといいますと、これを知っているだけで別の情報も取得できるからです。下記で一例として、「読者層」をあげてみましょう。


 そもそもなろうでの読者層は、かなり若いです。10〜30代が、最も多いのではないでしょうか。この辺りのデータは調べてにくいので一概には言えませんが、読まれている作品の傾向である程度は分かってきます。

 わざわざ「恋愛」「ファンタジー」と限定的なジャンルをあげたのも、そのためです。「恋愛」には自然と女性読者がつきやすく、「ファンタジー」には男性読者が多いからです。


 女性読者の最近のブームは、「実は優しい悪役キャラが、誤解を解こうとする」「悪役キャラになろうとする主人公が奮闘する」などだと思います。もちろん他にもありますから、上記であげたものが全てではありません。

 しかし日刊に載っているものの大半が、「悪役」ものです。その上で異世界ものが多いのも、女性ならではの思考に基づきます。

 私自身が女であるため言えることなのですが、女性は大抵、幼少の頃に聞かされた「王子様」や「お姫様」に憧れます。

「ああ、おとぎ話のお姫様みたいに、カッコいい王子様と結ばれたい」

 そんな思想が多いのです。


 一方の男性のブームは、やはり「異世界(もしくはゲームの世界)にトリップ(もしくは転生した)主人公が、神様からもらった力で活躍する話」でしょうか。

 そもそも「MMORPG」が人気になり始めたのは、ラノベのひとつである「ソードアート・オンライン」が原因でしょう。キリトくん、かっこいいですからね。

 そしてなろうでの「主人公最強」作品は、やはり「魔法科高校の劣等生」。こちらはアニメ化もしてますね。

 異世界転生ならば「無職転生 - 異世界行ったら本気だす -」です。

「魔法科高校の劣等生」に対する賛否両論は省くとして、この作品で目を見張る点は「設定量」です。見て見たら分かるかと思いますが、かなり作り込まれた世界観をしています。根気がなければできないことでしょう。

「無職転生 - 異世界行ったら本気だす -」の場合、作品の面白さもそうですが、読みやすさが段違いだと思いました。

 埋もれない作品というのは、なんらかの形でスパイスが振りかけられているものです。


 これは小説全体に関係してくることですが、小説とはすなわち「現実逃避」だと私は考えています。

 故に、イケメンや美少女がたくさん出てくるのです。ラノベではそれが顕著なのは、読者層によるものだと考えます。

 よく考えてみてください。

「普通の高校生が、普通の日常を送る話」

「ブサイクが魔王を倒す話」

 これらの話に、夢も希望もありますか?

 私としては「ない」としか言い切れませんね。

 夢や希望で溢れた作品が読みたい層に、そんなものを押し付けても、読者が増えないことは当たり前です。


 このような発想の転換は、このなろうで生き残っていくためには大切なことです。現在なろうで投稿されている作品は、270135作品にもなります。その中から特筆して目立つためには、一つの情報でできる限り多くの情報を取得できるよう、努力することが必要かと思います。




②初期ブーストを活用しよう


 皆さん、「初期ブースト」という言葉に、聞き覚えはありますか?

 初期ブーストというのは、投稿し始めた一ヶ月ほどの間、毎日一回以上の更新をすることを指します。一ヶ月後からは、3日に一度などの定期更新で十分です。

 経験した方は分かると思いますが、初期ブーストの威力は凄まじいです。乗っかれれば、総評1万ポイントはいけることでしょう。もちろん、面白い作品ならば、です。

 なら、面白い作品とは何か。

 それは、あなたが書きたく、尚且つ多くの読者に評価された作品です。




③投稿時間を考えよう


 投稿時間というのは、あながちバカにできません。経験上、月曜と金曜はPVが入りにくく感じました。

 とりあえず、基本的にいいと言われている時間帯をあげます。

 0時→一番読まれやすく、尚且つ投稿される作品が多い時間帯。狙い目。

 7時→通勤中に見る人が多い。

 13時→食事休みに見る人が多い。

 17時→学生たちの帰宅時間。電車内で読む可能性あり。

 20、21、22時→帰宅後の自由時間。

 ただここで注意すべきなのは、ぴったりに投稿しないほうがいいということです。1分や2分、遅らせて手動で投稿しましょう。そのほうが、新着欄に残ります。




④文字数を考えよう


 その作者様や作品によっても、一話の文字数は様々にあるかと思います。

 その中でも評判の良いのは3000〜4000文字です。理由としては、一気読みしやすい文字数なんだそう。読みやすい文字数、というのも大切です。

 重めの話を書きたいなら、6000文字以上あってもいいでしょう。ただし間違っても、1万文字を超える文字数はやめたほうがいいです。

 ならなぜだめか。

 あなたが読者だった場合のことを考えましょう。

 Web小説というのは、横読みです。縦読み用もありますが、私は面倒なので横読みで読みます。大半の人はそうでしょう。

 となると、文庫本のように読むわけにもいかなくなってきます。結論として、長すぎると読みにくいのです。ダラダラ続けるより、区切りのいい場所を見つけて分けるのも、読者が増える秘訣です。




⑤見てもらえるよう、努力しよう


 どんなにいい作品を書いていても、埋れてしまっては意味がありません。

 ならば自己アピールをしましょう。

 Twitterで更新報告をするのもいいですし、「小説家になろう勝手にランキング」というタグを付けるのもいいでしょう。とにかく、見てもらいたいなら目立つように努力とすることが重要です。行動に移してみましょう。

 ③であげた投稿時間というのも重要です。自分なりにできることから始めることです。




⑥年齢層を絞ろう


「万人受けする作品」

 これは酷く難しいお題です。なぜなら、私たちの価値観は人それぞれだからです。

 なら初めから、年齢層を絞って作品を作るのもありです。

 私の知り合いの相互ユーザー様は、女性ユーザーの取得を捨てて男性ユーザーだけに受ける作品を書きました。年齢層も10〜20代と、若年層です。それで総評1万ポイント以上を獲得したのですから、見習う部分があります。

 今書こうとしている作品、または書いた作品は、誰向けでしょうか。少し考えて見るのもいいかもしれません。




⑦コネを作ろう&逆お気に入りユーザー様を増やそう


 私自身、なろうで書き始めてから一年半以上が経ちました。一年半もあれば、相互ユーザー様と会話することも多くなります。

 相互ユーザー様というのはいわゆる、あなたと対等の位置にいるユーザー様が多いです。ライバルと言ってもいいでしょう(小説を書いている方限定ですが)。

 そういう方を作ると、ある程度の刺激になります。

「私ももっと人気になりたい」

「あの人を追い抜きたい」

 そう思えてくるかもしれません。私なんかはその典型です。競い合える仲間がいれば、悩み相談などもしやすくなります。

 リアルでは口下手でも大丈夫です。ここは文字で繋がる場所です。誤解されないように考えつつ、あなたの思ったことを書けばいいのです。気になった作家様や好きな作家様の活動報告に、思いきってコメントしてみましょう。感想を書いてみましょう。それだけできっかけになります。その方が依頼して「辛口感想」を書いてくださる方ならば、なお向上します。

 ただこの辺りの感想評価は、人によってまちまちです。辛口が苦手ならば遠慮しておきましょう。誹謗中傷で傷つくのは当たり前です。あなたの書き方、対応の仕方を見つけましょう。


 ついで、逆お気に入りユーザー様です。

 これは私の経験上の話なのですが、連載作品で人気になるより、短編で評価をもらったほうが逆お気に入りユーザー様はつきます。

 考えた理由としては、

「短編のほうが気楽に読みやすい」

「また違う、面白い短編を書いてくれるかもしれない」

 と思う方が多いのだろうと思いました。

 連載で流行作品を書きたくない方でも、短編で挑戦をし、読者を獲得するのはどうでしょうか。そうすれば自ずと、連載作品にもブックマークがつきます。

 その上短編は、その一話で起承転結を運ばなくてはならず、うまくまとめなくてはならないのです。それはとてもタメになります。

 一度くらいは流行の作品を書いてみるのも、良いのではないでしょうか。




⑧設定を練ろう


 現在掲載されている作品の中でエタる(つまり休止してしまう)作品の大半は、設定不足で破綻してしまうことです。特に①であげた流行のものを書こうとしている方は、テンプレだからこそ難しい面があります。人気が出てくれば、感想欄に悪口を書き込む輩も出てくることでしょう。その際に「矛盾がある」とつつかれて、やめてしまう方も多いです。

 勢いで始めるにしても、ある程度の設定は決めておきましょう。

 舞台設定、主要登場人物設定、これくらいあれば、あとは書くうちに肉付けができます。舞台を異世界でありながら、日本に近い場所にすればもっと楽でしょう。絵が上手い人は、地図を描いてみても良いかもしれません。

 キャラは性格がかぶらないよう、ぶれないよう、自分の中で整理しておきましょう。それだけで、矛盾点はかなり改善されます。

 どちらにしても言いたいのは、後で困らないための準備をしておいて欲しい、ということです。




⑨読みやすい作品にしよう


 読みやすい作品、というものがあります。

 この読みやすさは

「文章力としての読みやすさ」

「Web小説ならではの読みやすさ」

 でもあるでしょう。


 まず、「文章力としての読みやすさ」です。

 誰が何をしたのか、それが分かる文章は強いです。特徴的な口調もそのひとつです。読んでいて混乱せず、尚且つ頭に入ってきやすい文。これが「文章力としての読みやすさ」です。ただこれは、かなり書き進めていかないと身につきません。


 一方の「Web小説としての読みやすさ」というものは、改行のことです。

 私は必ず、会話文と地の文の間にひとつ改行を入れるようにしています。

 Web小説というのは総じて、詰めすぎると見にくいのです。こちらのほうは、今すぐにでも直すことができます。






 以上が私なりのエッセイです。参考になりましたでしょうか?

 あくまで個人の意見ですので、賛否両論あるかと思います。

 ただどんな人であれ言いたいのは、「人気になりたいなら、努力を惜しむな」ということです。


 そこで自身の不人気さを嘆いているあなた。

 あなたは読まれるような努力をしましたか?

 独りよがりになっていませんか?

 己を過信し過ぎていませんか?

 慢心し過ぎていませんか?


 書くのはあなたですが、読むのは他のユーザーです。作者と読者の間に、上下関係はありません。あるのは対等な関係だけです。それなのに読まない読者に責任を押し付けるのは、身勝手以外の何物でもありません。


 なら、どうすればいいのか。

 あなたが書きたい作品であり、尚且つ多くの読者に読まれるよう努力すればいいのです。

 長期に渡り連載が続いている作品の多くが、書いている作家が楽しそうにしています。両者が楽しいことが一番です。

 少しずつでいい、行動しましょう。


 ただ、忘れないでください。

 一人でもブックマークを付けてくださる方がいるならば、その人はあなたの大切な読者の一人です。唯一無二の読者です。読者が一人でもいてくれる。そう思うようにしましょう。一人がたくさん集まって、ようやく複数になるのです。

 初心のときの心を忘れずに、あなただけの世界を作りましょう。


 私からの意見は、以上となります。


 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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