Episode 華恋
起きたときの天井は見慣れないものだったが知っているところだった、時計を見ると時刻はまだ午前1時だったがあたしは寝ている敦志と和人を尻目に風呂場に向かう。
そうあたし、華恋は一ヶ月前から幼馴染である和人の家に住んでいる、二人暮らしだと思っていたが、敦志が「ふしだらな!!」
といって転がり込んできて狭い部屋に三人で住んでいる。
あたしは最近のこの生活が平和すぎてこれがずっと続けばいいのにと思っていたのだが、ついに決着の時が来てしまったようだった。
和人に今日公園に来てくれと言われていた、決着をつける、と言われて今準備をしている。
風呂を出ると和人と敦志はもう準備し終えたようででるところだった
「一緒に行かないの??」
あたしは不思議におもってきいてみたが、和人は笑顔を見せていう
「ああ、俺たちは先にいきたいところがあるから、華恋は先にいっててくれ」
「わかった……」
決着をつけるというからあたしと和人も含めてみんなであの人たちにあうんだと思っていたが先にあたしを一人で行かせようとするなら安心なのかな。
仕度をし終えたあたしは覚悟を決めて公園に向かった。
夜中の公園、その公園は住宅街から離れていて夜中に暴走族がブンブンやっていてもほとんど音が聞こえないほど隔離された公園だった。
その公園であたしは、和人と敦志を待っていた。しかし―――そんなあたしの目の前に現れたのは『やつら』だった……
「華恋ちゃん……探したんだよ……」
そういって近づいてくるのはなぜかバットを持った――いやあたしを殴るためのバットを持った叔父と、拷問用のムチをもった父だった……残りの叔父三人はニヤニヤしながら
あたしを見ている、あたしは心のそこから震え上がった、あんなに信用していた和人が裏切った??そんなはずない!!なら……なんで……??
叔父はあたしに近寄ると目の前にたっていう
「またお仕置きが必要かな??もう二度と逃げられないようにアキレス腱でも切っちまうかな??その体の傷じゃあまだたりなかったのかい??」
そういってバットを振り上げる―――あたし、死ぬんだ―――わずかに上った思考を打ち消したのは突然目の前に現れた影だった。
その影はあたしに振り下ろされてバットの攻撃を頭にくらって一瞬ふら付いたがあたしに笑顔を向けていった
「ごめんな、よくがんばったぞ」
影の正体は―――和人だった
それをいわれた瞬間目から涙がでて止まらなかった