第八話 森林日記
タイトル・あらすじを変更しました。
突然の変更申し訳ありません。
モンスター蔓延る森の生活二日目。
就寝前に僕が、今日書き連ねてきたグランドグリズリー及び、ブルーグリズリーの生態について綴っていきたいと思う。
頼りになる光が月明かりだけなので、少し暗いけど何とか書いてみたいと思う。
この一か月で癖がついたのかな?日記を書かないと落ち着かないや。
二日目。
黒い毛並みのウサギに案内され、目的のモンスターの住処に到着した。
住処には、二匹のブルーグリズリーと一匹のグランドグリズリーが確認できた。
ブルーグリズリーの一匹は小柄で仕草も子供のように見えた。もう一匹は大柄、恐らく親のように見える。
グランドグリズリーは群れで生活すると、本で書いてあったが……これも一種の群れなのだろうか?
一時間ほど観察した後、あまり進展も見られなかったので、切り上げた。
相変わらず、僕の肩にはウサギが乗っていたけど……可愛いから許す。
三日目。
三日目も、住処を観察。
相変わらず動きはない。
特筆すべき変わった点もないので今日の所はこれくらいにする。
僕についてくるこのウサギはなんだろうか……言葉も通じるし、固有で持っている危機察知能力はとても便利だ。
疑問が尽きない。
でも可愛いからいいや。
四日目
お腹痛い
五日目
やっぱり水がアカンかった。
腹痛に苦しむ僕の傍にいたウサギがとても心強かった。
午後あたりから、体調も良くなったのでクマ観察へと赴いた。
木の上で見張っていた所、今日は狩りに出掛けたようだ。一日見なかったくらいなのに、すごく久しぶりに感じる。
狩りには、小熊のブルーグリズリーをグランドグリズリーが連れる感じ。なんだか和む。
今日見て分かった事は奴らは、基本なんでも食べる。
後ろ足が発達した猪の魔物、『フォールボア』を簡単に仕留めていた。
あいつ本当に倒せるのか?
六日目
今日はモンスターに襲われた。
黒ウサギに綺麗な水が涌きだす場所を教えて貰った帰りの事だった。突然、ウサギが震えだしたのだ。
そして現れたのは、ツチノコみたいな巨大な蛇、名前は知らないからそのままギガツチノコ、略してギガノコと呼ぶことにする。胴が太く、全長七メートルほどの巨大蛇だった。
蛇のように蛇行をせず、真っ直ぐに走るそいつに僕は心の底から恐怖した。勿論、逃げた。すごくしつこく追いかけられたけど、何とか逃げ切れた。
本来の道とは迂回して帰った。用心のためだ。
あの蛇は、何かおかしい。この森のモンスターとは違う禍々しい感じがした。
それに黒ウサギが、怯えていたんだ。グランドグリズリーにさえ平気だったこいつがだ……。
この森のモンスターをあまり理解していない僕がそう思うんだ。きっと何か怖ろしい事が起こっている。
七日目
今日も熊に関しては特に異常は無し。
やばい、ここに来て一週間になるけど、段々僕がここに居る理由が分からなくなり始めている。
八日目
また、ギガノコに襲われた。
今、拠点にしている場所からさほど遠くない場所でだ。
奴を見つけたのは森の奥深くのはずなのに……僕を追って拠点を移動した?そしたら奴は完全に僕を狙っている。食べられるのは御免だ。
早めにグランドグリズリーを倒した方が良いな。
何か嫌な予感がする。
九日目
朝からウサギが怯えていたので、今日は木の上で体を休めた。
汲んできた水が底をついているけど、命には代えられない。
それにしても、このウサギは僕に懐き過ぎじゃないか?いくら傷を治してやったからってここまで懐くものなのか。
正直に言って、お持ち帰りしたい。
明日、ギガノコの姿がなかったら、熊を狩りに行く。
結局僕は十日目にグランドグリズリーを狩ることができなかった。
必死に練った作戦が失敗した訳ではない。……そもそも実行すらしていない。
何故なら――――――僕の目の前には無残に食い散らかされたグランドグリズリーの死体が有ったのだから。