第四百十四話
二日目、二話目の更新となります。
前話を見ていない方はまずはそちらをー。
広間での顔合わせの後、別の広間へ案内された僕たちは各国の勇者、カームへリオの王族、貴族の方々と立食パーティーのような形式で話すことになった。
『お顔が違う……』
『いえ、軍属というならこれはこれで……』
『失礼を承知でお聞きしますが懇意にしている女性などおられますか?』
『いない? ならば丁度、娘の婚約者を探しておりまして———』
いや、もう本当に色々と話しかけられて大変だったし、中には引きこみ云々以前にとんでもないことを言ってくる方がいたりして断るのが大変だった。
傍にいた先輩も僕と同じような内容で話しかけられていたけど、彼女の方はにこやかな笑顔で躱したりしていたのでやっぱりこういう場に慣れているんだなーと再認識させられた。
「はぁ、疲れた……」
「お疲れ、ウサト君」
ひと段落ついたところで壁際に移動した僕と先輩は、水をいれられたグラスから呑んだ後にため息をつく。
「先輩は慣れてますね」
「まあ、こういうパーティーは慣れっこだったよ」
「やっぱりですか?」
「本当に嫌だったけどね。パーティーに行くくらいだったらアニメでも見ていた方が有意義だったよ」
先輩の性格を考えるならおかしくもないな。
……あまり元の世界のことを聞くのはよくないかな。
「フェルムはお腹とか空いてない? 大丈夫?」
『お前ボクが常にお腹空いていると思うなよっ!!』
『そんなこと言って、さっき宿に備えてあったお菓子食べてたじゃない』
『おい言うなよ!!』
さすがにここで料理を取り込むわけにはいかないしなぁ。
というより、普通に料理を食べる雰囲気じゃないし、むしろこの場は交流とかを主にしているから、話しかけづらい振る舞いをすると悪印象に繋がりやすいんだろうな。
そういう意味ではここで料理を皿に山盛りにして食べまくっていいのだろうけど……それはあくまで僕一人の時にできるわけであって、先輩の評価に影響するこの場ではやってはいけない。
『お食事のところ失礼。ネーシャ王国の勇者様とお見受けする。私は———』
『もぐもぐもぐもぐ』
『えぇと……』
『ふぁに?』
『……いえ、失礼した』
……あそこで身なりのいい男性に話しかけられているネーシャ王国の勇者さんは、ある意味ですごいな。
まったく空気とか雰囲気を読まずにお皿に山盛りにした料理を口いっぱいに頬張っている。まるでリスのように食べまくる彼女に話しかけた男性も、彼女に話しかけようとしていた他の貴族の方もクモの子を散らすように離れていく。
『お、お姉ちゃん、ここっていつもみたいにパクパク食べていいところじゃないんだよ……?』
『美味しいご飯を用意してあるなら食べていいってことじゃないの?』
『そ、それはそうだけど……』
『むっ』
ん? こっちに近づいてきたな。
自由すぎるリズに妹のエリシャが慌てた様子でついて来て、そしてもう一人フードを目深に被ったローブ姿の女性もついてくる。
「うるるる……」
そして先輩もなぜか唸りだす。
「むむむむ……」
そして近くに来たリズも先輩とにらみ合うように唸りはじめる。
広間の一画で謎の威嚇を始めた二人の勇者という不思議な構図を前にして、僕は……とりあえず隣で慌てふためいているエリシャに改めて自己紹介をする。
「自己紹介が遅れてすみません。僕はウサト・ケン。恥ずかしながら隣で威嚇している勇者の従者です。短い間ですが、よろしくお願いします」
「あ、はい! こちらこそよろしくおねがいします! け、敬語じゃなくて大丈夫です!」
キーラとアマコにも思ったけど、しっかりしているなぁ。
「……ねえ、ウサト君? 今、恥ずかしながらって言った? 私は恥なのウサト君?」
『完璧恥だろ』
『縄張り争いばりに威嚇しあってる時点で気づきなさいよ……』
ここが広間の端っこでよかった。
もし注目が集まる真ん中だったら僕は恥ずかしすぎて距離をとっていたかもしれない。
「だってこの私の従者を狙っているんだよ!? ウサト君は私のだぞ!!?」
「勝手にもの扱いしないでください……」
『こいつ混乱しすぎて発言が大胆になってるな』
『この勇者テンパると弱いんでしょうね……』
でも実際リズはどうしてこっちに来たのかな?
「君はどうして僕たちのところに?」
「駄目だった?」
「いや、駄目じゃないけれど。どうしてかなって」
「そっちの勇者はピリピリするけど、君は落ち着くような感覚がするから」
「……なるほど」
僕が治癒魔法使いだからか。
もしかして感覚的に魔力を感じ取れる体質なのかな? だとしたら電撃を操る先輩から静電気的なものを感じ取って嫌がっているってことも分かるし。
「ここにいる皆、打算で話しかけてくる人が多い。でも君にはそういうのがなかったって理由もある」
「へ、へぇ」
『なにも考えてないもんな』
『そうね。なにも考えてないものね』
いいか? 僕は他人からの悪態やら罵詈雑言には耐性があると自負しているが、身内からのものに対しては著しく沸点が低いんだぞ?
後で覚悟しておけよ、小娘共……。
内心で小娘二人に復讐を誓っていると、今まで無言で傍に立っていたもう一人のローブ姿の女性がリズとエリシャの肩に手を置く。
「リズ、エリシャ」
「先生?」
「ずっと無言でしたけど、結局話すのですか?」
ここで先ほどから無言だった女性が被っていたフードを外す。
フードの下は二十代半ばほどの妙齢の女性、黒と緑の入り混じった不思議な髪色を肩甲骨ほどにまで伸ばした彼女は粘っこく艶のある視線を僕達へ向ける。
「目を引くものがなければ話すつもりはなかったよ。だけれど、これほどの対象が前となれば私も名前を覚えてもらいたいと思ったわけさ」
……この人、なんだろう。
普通じゃない、のは分かるけど悪魔のように不気味な感じがするわけでもない。
どちらかというとネアに近いような……。
「同じ従者として自己紹介をさせてもらおう。私はウルア、どうかよろしくね」
「え、えぇ」
「では早速失礼」
「はい?」
いきなり両手を伸ばされ肩に触れられる。
特に敵意はないので払わないが、一応治癒感知を軽く放ちなにをされても反応できるように備える。
十秒ほど主に肩と腕に触れたウルアさんは、感嘆した様子で僕から離れる。
「やっぱり不思議な身体しているねぇ。君」
「フッ、よく言われます」
『なんで誇らしげなんだこいつ?』
『こういう人なのよ……』
なんだ。ハイドさんの筋肉チェックみたいなものか。
特になにかされたわけでもないし、ネアも反応してないことからただ触れただけなのだろう。
「私はリズとエリシャの教育係兼従者としてこの場にいるんだ。まあ、この子たちが今この場にいるのは私のおかげといっても過言ではない」
「先生は理論ばっかで言ってることほとんど理解できないし、役に立ったのご飯食べさせてくれることしかない」
「おいおいおい、悪いことをいうのはこの口かぁバカ弟子ぃ~」
「いふぁいいふぁい……」
ウルアさんに頬をつままれぐにぐにされたリズがふにゃけた悲鳴を漏らす。
すぐに飽きたのか、頬から手を離したウルアさんはもう一度僕へと向き直る。
「魔力回し、あれは面白い技術だ。なにが凄いってそれを発見したことだよ」
「見つけたこと、ですか?」
「基本を突き詰める。それも行き止まりが目に見えている分野において、あえてそれを愚直に突き詰めることで到達し、解き明かした境地———それが魔力回しによりもたらされる恩恵」
そう言って彼女は手を軽く掲げる。
その手には流れるように魔力が循環していた。
「本来、魔力を回すとは初歩にすら満たない当たり前のものだ。魔法を使う多くの者は鍛える必要もなく次の段階、魔力の放出に意識を向ける。……いや、そもそも魔力を回すという工程すら無意識に済ませてしまう者の方が多いのかもしれない」
今の自分にできることを何も考えずに繰り返してきただけなのに、ものすごく評価されてしまっている。
「狂気的だよ、君は。いわば終わりの見えない暗闇を知るかと言わんばかりに突き進んだんだ。……それは、どのような天才も到達することのなかった偉業だよ」
「……」
なんだろう、この褒められているのか化物扱いされているのかわからない微妙な感じは。
素直に喜んでいいのかなこれ……。
微妙な顔をしていると、ウルアさんの視線が先輩へと移る。
「そして異世界からの勇者、異なる世界から選りすぐられた才覚を持つ人間。その評価が風聞通りのものとすれば……その潜在能力に比肩する者はいないだろうね」
「……貴女の教え子達も相当な実力者とお見受けするが?」
「! ……フフフ、腹の探り合いも得意と見た」
先輩の言葉にウルアさんは一瞬目を丸くしながら笑みを深くさせる。
そして、今一度周囲を見回して一つ頷く。
「うん。そろそろ離れようか。これ以上は君たちの迷惑になる」
「……先生だけ話してたんだけど」
「話す機会はいくらでもあるさ。ここは私たちだけの場ではないからね」
「むむむ」
「お姉ちゃん、その唸り方やめて」
「むふー」
空気が漏れるような吐息を零したリズは不承不承といった様子で僕達に背を向け離れていく……が、その最中にウルアさんだけが僕達へ振り向いた。
「ああ、そうだ。私ばかり探るのも申し訳がないから、こちらの秘密を一つ教えてあげよう」
ん? 秘密?
不思議に思っていると、彼女は自身を指さしながら不敵に笑う。
「こう見えて、実年齢は150を超えているんだ」
「「えっ!?」」
「魔術を覚えた者は人を逸脱する、ことがある。まあ、魔物に片足を突っ込んでいるようなものと思ってくれればいいさ」
またねぇ、と軽く言い放った彼女はそのまま広間の別のところへ向かっていってしまう。
衝撃的な話だったけれど、感覚的にちょっと納得している部分もある。
「ネア、今のウルアさんの話は……」
『事実でしょうね』
小声でネアに尋ねると、彼女はすぐに肯定する。
『魔術の種類にもよるでしょうけど、熟達した魔術師は疑似的な不老になるという話を聞いたことがあるわ。貴方が知っているものを挙げるとすればネクロマンサーと……サマリアールの魔術師がそうだったわね』
「サマリアールの?」
『肉体は滅んでも魂はこの世に残っていたでしょう? 広義的に見ればあれも一種の不老みたいなものよ』
なるほど、そう考えれば当てはまりはするな。
魔術にも色々あるんだなぁ。
……魔術を習得した不老の女性とその教え子である勇者とその妹、か。
「キャラが濃すぎるな……」
「私がツッコむのもなんだけど、それウサト君が一番言っちゃだめなことだと思う」
一応自覚はあるんですけどね……。
まあ、一番謎なのはリズなんだけど。
治癒魔法ありきとはいえ、あそこまで懐かれるようなことをした覚えはないから。
「失礼、少しばかり話をさせてもらっても構わないでしょうか」
こちらにかけられた声の方を見ると、そこには痩身の男と彼に付き従う男の子がいた。
ミルヴァ王国の嵐の勇者と呼ばれていたランザスさん……だよね?
タイミング的にリズ達との話が終わるのを待っていたのかな?
「ああ、構わないとも。そちらは嵐の勇者、ランザス殿だね?」
「ランザスで構いません。私は本来、ここに立つことも烏滸がましい病弱の身ですから」
「関係ないさ。ここに立っているからには同じ勇者だよ」
先ほどとは違い話すのは先輩に任せておこう。
僕が口を開くようなさっきのやり取りがおかしいだけで、本来は従者の僕は静かにしているべきなのだ。
そう思い無言でいると、ふとランザスさんの隣にいる治癒魔法使いの男の子と目が合う。
クリーム色の特徴的な髪色の少年。
身長はナックより少し下くらいだから……12か13歳くらいだろうか?
「……あ、そうでした。この子は僕の従者のレイン。君の従者と同じ治癒魔法の使い手なんです」
「は、はじめまして……レイン、です」
先輩と話していたランザスさんが不意に僕たちに従者を紹介してくれた。
紹介された気弱な様子の彼、レインはぺこりと僕と先輩にお辞儀をする。
僕も先輩に目配せしてから、自身の胸に手を当てて自己紹介をする。
「こちらこそはじめまして。僕はウサト、リングル王国、救命団所属の治癒魔法使いだよ」
「は、はい……」
今は強面状態になってないのにちょっと怖がられてしまった。
レインの様子に苦笑したランザスさんは彼の頭に手を置き、撫でながら僕へと視線を向ける。
「従者が失礼をしてしまいましたね。気弱な子なんです。でもいつも病弱な僕を助けてくれる頼もしい子でもあるんですよ?」
「気弱でも人を助けようとする意志がある点で、優秀な治癒魔法使いの証拠ですよ」
僕とローズがおかしいだけで、治癒魔法使いの形としてはオルガさんやウルルさんのようなものが正しいのだ。
勇者であるランザスさんが信頼を向けている時点で、彼が治癒魔法使いとして優秀なのが分かる。
「勇者イヌカミ。無理を承知でお願いしたいことがあるのですが……」
「内容によるけれど、どうしたのかな?」
「貴女の従者であるウサトさんに、レインの治癒魔法の指導をお願いできますでしょうか?」
「治癒魔法の指導、というと?」
ランザスさんの頼みに先輩の目が鋭くなる。
治癒魔法の指導、か。
先輩が懸念しているのは、レインに治癒魔法を指導したその後のことだろう。
「恥ずかしながらミルヴァ王国は治癒魔法への理解が浅い国で、レインにはまともな治癒魔法の師もなく……主である私も病弱なことに加え、そういう指導に向いていないのです」
「……」
「疑念もよく分かります。実際、上の者の意思も存在しますが……僕としてはレインにまともな魔法の教えを授けてもらいたいという意思が強い」
ミルヴァ王国上層部の意思もあるが、ランザスさん的にはメインはレインのため……ってことか。
『ウサト、どうするのよ?』
『これ断った方がいいと思うぞ』
ネアとフェルムは反対寄りの感じだけれど……。
改めてレインを見て見ると、彼は怯えながらもしっかりと僕に視線を合わせてくる。
……学びたいって意思は本当みたいだな。
「先輩、僕は構いませんよ」
「でもウサト君……」
「僕は魔力回しの技術も隠しているわけではありません。むしろ僕の技術が使える人が広まればそれでいいとさえ思っています」
特に系統劣化は必要な人がたくさんいるはずだからな。
そのためにはそれを習得できる人が増えていけばいいのだけど、使えているのが僕と先輩とカズキくらいしかいないのが現状だ。
僕自身、誰かに指導するような時間がとれないし、ランザスさんの申し出は逆にありがたいとさえ思っている。
「……はぁ、私の従者がいいと言ってはいるけれど、あまり長く時間を取れないよ」
「ええ、それでも構いません。……感謝します」
「あ、ありがとうございます……!!」
ぺこり、とレインが頭を深く下げる。
カームへリオ限定の弟子って感じかな。
治癒魔法中心に鍛える方針になるけど、どう指導しようかな。
「こちらばかり話をするのも申し訳ないので次はそちら……うっ、ぐ」
「ランザスさん?」
不意に胸に手をあてたランザスさんが身体をふらつかせる。
「ランザス様っ」
それを咄嗟にレインが支え、左手に籠めた治癒魔法を流すと僅かに彼の顔色がよくなる。
一時的な発作なのか……?
「ありがとう。レイン」
「ランザス様……そろそろお休みになった方が……」
「いや、立場的に僕だけ戻るのは……」
レインの治癒魔法に悪いところはなかった。
むしろ結構な魔力を注いでいたから発作程度なら治るはずだ。
でも、依然として彼の顔色は悪いままだ。
「ランザスさん、魔力回しは習得していますか?」
「え……、少しだけだけど……」
「なら貴方の身体を診ても構いませんか?」
「あ、あぁ……」
動揺する彼の左肩と右手に触れ、魔力回しに合わせて治癒魔法を流す。
明らかに普通の状態じゃない。
「———ッ」
なんだ、この人の魔力の流れは! 量が桁違いすぎる!?
まさか、常にこんな魔力を体内で循環させているのか?
『なるほどね、この魔力量なら嵐を押し返したって話も誇張でもなさそうね……!! この人、溢れ出そうとする魔力が使い手本人を常に傷つけているわ!! 魔力量だけで言えばスズネとカズキの十倍以上はあるわよ!?』
内から聞こえてくるネアの声に頷く。
普通に治癒魔法をかけるだけじゃその場凌ぎにしかならない。
あまり目立ちたくはないけれど、仕方ない。
「先輩、系統強化を使います」
「え、ちょ、ウサト君!?」
先輩が慌てて影になってくれたことを確認し、右手で系統強化の魔力を作りランザスさんに流し込む。
一瞬の濃い緑の光の後に、彼の顔色が目に見えて良くなる。
「……身体、が……これは……」
「ランザス様、お身体は……」
自力で立った彼は驚いた様子で自分の身体を見つめる。
今ので魔力で傷つけられた身体を全て癒したけど……根本的な解決にはなっていない。
驚きで目を丸くする彼に僕は頭を下げる。
「……すみません。系統強化での治療はあくまで一時凌ぎです。貴方の魔力はまた内側からその体を蝕んでしまう」
「あ、謝らないでください。むしろお礼を言わせてください! こんなに身体が軽いのは生まれて初めてなんです! ……本当にありがとう……!」
根本の原因をなんとかしない限り、どうにもならない。
多分、魔法を出すだけでも彼の身体にかなりの痛みが襲うはずだ。
……これは、系統劣化でもどうにもならない。
それこそ、アマコの母親、カノコさんから魔力そのものを抜き出した“トワ”のような使うリスクの伴う魔具が必要になる。
「とにかく、勇者という立場関係なしに今日は休んでください。これは従者としての言葉ではなく、治癒魔法使いの立場からの言葉です」
「……分かりました。本当に、ありがとうございます」
何度もお礼を口にしながら、ランザスさんはレインに支えられ広間を後にしていく。
去り際に、レインが僕を見てなにかの意思を固めるような目をしていたことに気づきながら、僕は先輩に向き直り謝罪する。
「勝手なことをしてしまって申し訳ないです」
「いや、君は間違っていない。私も勇者として、君も治癒魔法使いとして苦しんでいる人を見過ごすわけにはいかないからね」
「はは、ありがとうございます」
そう言ってくれてとても助かります。
でも、自身の魔法の強さに苦しむ人がいるのは知っていたけれど、魔力が多すぎて苦しむ人がいるとは思いもしなかった。
……魔法使いとしてはとてつもない潜在能力を秘めているけれど、その潜在能力が彼を苦しめているんだな。
「それはそうと、今度は私たちから話しかけにいかないかい?」
「そうですね。それじゃあ、誰のところに行きますか?」
「まずはレオナのところに行こう。今、ちょうどナイアと話しているところだし」
レオナさんのいる方を見れば確かにナイアさんと話している最中のようだ。
周りに人もそれほどいないので、先輩と一緒にそっちに向かお———
『あぁ!? 今、なんつったお前!!』
———うとしたところで、僕達のいる広間の真逆の方向で男の怒声が聞こえてくる。
驚きながらそちらを見ると、そこには顔を赤くさせた勇者の男性と、その彼の声にあわあわと震えている勇者の女性と従者の姿があった。
魔力量だけなら人類最強格のランザスさんでした。
今回の更新はここまでですが、次回の更新はなるべく早くしたいと思います。




