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治癒魔法の間違った使い方~戦場を駆ける回復要員~  作者: くろかた
第十五章 出張救命団 魔物の領域編
422/569

第三百七十四話

二日目、二話目の更新となります。

前話を見ていない方はまずはそちらをー。


今回はウサト視点となります。

 魔王の魔力によりさらなる変貌を遂げたカイラ。

 まるで体を無理やり魔力で繋げたような姿に、改めて魔王の力の危険さを再認識しながら続けてこちらに腕を伸ばそうとする奴に掌を向ける。


「ルーネ!!」

「ああ!!」


 籠手に伝わった青黒い炎の魔力が集約、暴発を引き起こす。

 指向性を持って破裂した炎がさながらバーナーのように前方へ伸び、カイラの突き出した腕を弾き飛ばした。

 危険な技だけど、今の奴を相手に四の五の言ってられないな……!!


「ウサト、こいつに治癒魔法は意味ないわ!!」

「くっ、なんてやつだ……!!」

「くっ、じゃないわよこのおバカ!! 思う存分に貴方の奇天烈な技をぶつけまくってもいいってこと!! キーラもルーネも全力でいきなさい!! ……私がこのおバカの代わりに指示するからぁ!!」


 冗談で言ったのに酷い言いようだ。

 治癒魔法をぶつけたとしても元より再生能力を備えているカイラには効果がない。

 ひたすらに攻撃しまくって魔力を削り取るしか攻略する方法がないのも本当なんだろう。


「よぉし、こっちも気合いれるぜ!!」


 声を上げたコーガの魔力の鎧を纏った身体が一回り膨れ上がる。

 僕の弾力付与の技術を用いたパワー型の姿か!! この姿には苦労させられたけど、味方なら心強い!!


「ウゥァァ!!」

「さっきよりも明らかに強くなっている!! 二人ともっ、全力で奴を削りきるよ!!」

「ああ!!」


 僕達3人とカイラが同時に動き出す。

 ボッ!! という闇魔法の加速で前に飛び出した僕が最初にカイラに接敵する。


「キーラ、マントを腕に!」

『はい!!』


 マントが僕の左腕に纏うように変形し、大きな拳へと変わる。

 キーラの闇魔法のマントには僕の身体能力も反映されるならば!!


「ッらァッ!!」

「オォォ!!」


 突き出される腕を避け逆にその顔面に拳を叩きつける。

 カイラの口から垂れ流しになっていた魔力が迸るが、それでも膝をつくほどじゃない!!

 だが、そこにコーガの蹴りが刺さり、ナギさんの刀の斬撃がはいる。


「三秒後に全方位に攻撃!!」


 ナギさんの予知!

 すぐさま籠手にしていたコーガの分身を円形の盾に変える。

 その直後にカイラの全身から魔力が溢れビームのように放出された。


「オォォォ!!」


 全身から絶え間なく放たれる破壊力を伴った魔力!

 全方位への拡散ビームってことか!! だけど、予知で分かっていれば防げる!!

 目の前に迫ったビームを盾で弾くと、纏っていたマントも攻撃を防いでくれる。


『私も守ります!!』

「耐性の呪術も追加よ!! 反撃してやりなさい!!」

「助かる!! オラァ!!」


 防御を二人に任せ、盾にさせた分身を思いっきりカイラへとぶん投げる。

 ゴォン!! と円盾はカイラの胴体に音を立てて激突し、魔力の放出を無理やり止めたところで———魔力の放出をその身で耐えきったコーガが跳ね返った盾をキャッチした。


「今度はこっちだぜぇ!!」


 カイラの振り回される腕をのけぞるように躱しながら彼は盾を大槌へと変え、起き上がりと同時にその胴体に大槌を叩きつけた。


「ッガ、ァ!!」

「なら次は私の番!!」


 カイラの背後で刀を構えたナギさんが軽く跳躍しながら、目にも止まらない強烈な斬撃を三度刻み付けた。


「威寅・三連!!」


 魔力が血のように迸る。

 傷は即座に再生されるが、かなりの魔力が消費されているのは見ただけで分かる。

 ここでさらに追撃を———、


「皆、離れて!!」


 ナギさんの声で止まり攻撃から回避に意識を切り替えた瞬間———カイラの力任せの振り下ろしが地面へと叩きつけられた。

 魔王の魔力により際限なく強化され続けた奴の力。

 それは容易く床を砕き割り、広間全体を揺るがすほどの衝撃と共にクレーターを作り上げた。


「なんて力なの……!?」

『あんなのまともに食らったら……』


 本当にとんでもない力だな……。

 でも最悪なのは今の衝撃で治癒魔法の粒子が吹き飛ばされてしまったことだ。

 今のままじゃ粉塵の中にいるカイラの様子が……ッ!


「来たか!」


 目の前の粉塵をかき分け、一直線に突っ切ってきたカイラの腕。

 ギリギリでそれを躱すが———いつの間にか背後から迫ってきていたもう一本の腕が僕の胴体を掴み取ろうとしていた。


「なッ!?」


 治癒感知の裏をついてきた!?

 咄嗟に腕を横に出し、僕を掴み取ろうとするカイラの巨大な手を止める。


「ぬ、ぐぐぐ!!」

「ルーネ! 今すぐこの手を燃やしなさい!!」

「わ、分かった!!」


 とんでもない力だな……!! 気を抜けば圧し潰されそうだ……!!

 ルーネが闇魔法で手を攻撃してくれているから力が抜けた瞬間にって……あれ!? カイラの奴、僕に向けて口を開けてないか!?

 まさか腕ごと魔力ビームで葬ろうとしている!?


「僕に対してだけ殺意強すぎだろ!!」


 恨みを買っている自覚はあるけど、今の状態でそれは執念深すぎる!!

 ! 避けたもう片方の腕がまた僕の方に……!!


「そうはさせない!」

「! ナギさん!!」


 こちらに迫る前にナギさんがカイラの手を両断する。


「ほらよっと!!」


 そして、ここでコーガが大斧を振り上げ僕を捕まえているカイラの腕を斬りつけた。

 力が抜けたところで腕から脱出するとさっきまで僕のいた位置にカイラが吐き出した魔力のビームが通り過ぎる。


「危なかった……ナギさん、コーガ、ありがとう」

「へへっ、一つ貸しな」


 助けられたのは事実なのでなんも言えん。

 だけど、本当に僕に対しての恨みが凄いな……。

 それだけ僕はカイラのプライドを傷つけていたのか……? 今となっては恨み言すらも聞き出せないようだけど……。


「本当に君だけを狙っているみたいだね」

「ある意味好都合ではありますけどね……」


 そのおかげでナギさんとコーガが戦闘に集中できる。

 代わりにさっきみたいなピンチに陥ってしまったけど……次からはもっと感覚を研ぎ澄ませよう。


「ぢ、ぢゆ、ばお……づかぃぃ」


 ……ん? カイラの様子がおかしい。

 全身を覆う魔力を震わせた奴を怪訝に思っていると、不意に奴の背中にある翼が大きく広がるように展開され、空中へと飛び上がった。


「野郎、空も飛べるようになりやがった。多分、お前を狙うためだぞ」

「……甘く見られたもんだな」


 僕の……いや、キーラの飛行能力がただ飛べるだけで攻略できるものだと?

 ゆらゆらとバランスを崩しながら空を飛べるように姿を適応させているカイラを見上げていると、ナギさんが話しかけている。


「見たところ相当削れてるようだね」

「そうかぁ? あいつまだまだ元気そうなんだが?」

「魔力の消費を認識できていないだけだからだよ。あと、空に逃げられると厄介だから飛行に慣れる前に削り切ろう」


 この遺跡から逃げたら厄介なことになるのは確かだ。

 ここはナギさんの言う通り、一気に魔力を削って無力化するしか手がない。


「そこで提案なんだけど———」


 と、ここでナギさんから作戦の指示が入る。

 簡潔に、分かりやすく指示された内容を理解した僕とコーガは互いに頷きながら、頭上から僕たちを見下ろすカイラを見上げる。


「足手纏いになんなよ。ウサト」

「それはこっちの台詞だ」

「二人とも頼んだよ」


 鼓舞するように憎まれ口を叩いてから僕とコーガは空を飛ぶカイラへと向かっていく。

 キーラの力で空を飛べる僕とは違い、コーガは壁に闇魔法の鎌を突き刺し走るように上っていっているので、あいつが攻撃しやすいように僕がカイラの動きを誘導する。


「もう不覚はとらない!!」


 爆裂弾を投げつけ魔力の粒子を周囲へ散布させる。

 治癒感知を張り巡らし、残像拳でカイラを翻弄してやる!!


「ぢ、ぢぐ!! ばほおおおお!!」

「うるせぇ!!」


 それしか言えないのか!!

 恨みを向けられていることは理解するが、ここまでしつこいと流石に我慢の限界だ!!


「そもそも最初に喧嘩を売ってきたのはテメェらの方だコラァ!!」

「ッッ!!」


 カイラの腕を潜り抜け、懐からその顎にアッパーを叩きつける!!

 先に僕たちの逆鱗に触れている癖に。むしろキレたいのはこっちの方だっつーの!!


「凄い力だけどなぁ!!」


 腕から衝撃波を一瞬だけ放ち、魔力の残像を作り出して攻撃を回避。

 そのまま距離を取るように僕に意識を向けさせたところで———壁から跳ねるように飛び出したコーガの爪の一撃がカイラの背中に直撃する。


「余所見注意だぜ!」

「ガ、ァァ!!」

「隙あり!!」


 コーガに意識を向けたところで今度は僕が治癒飛拳を当てる。

 僕たちが挟み込んだ時点でそう簡単に抜け出せると思うなよ?


「でけぇ図体が仇になったなァ!!」

「どこ向いてんだよこっちだマヌケがァ!!」

「お前、浅いんだよなぁ!! 力一辺倒でよぉ!!」

「フハハ!! 隙を見せたなァ! 食らえ治癒爆裂弾!!」


 どちらかに意識を向けた瞬間に攻撃を与え続ける。

 こうやって戦っているとブルリンと一緒に邪龍と戦った時を思い出す。

 あの時と状況も少し似ているし、なにより戦術がガッチリと嵌る感覚も同じだ。


「オオォ!!」

「あ、やっべ。ちょ、待て、おおおお!?」


 と、思っていたらコーガがカイラにカウンターを食らって投げ飛ばされた!?

 まずい、と思いすぐにコーガの飛んで行った方向に飛んで先回りする。


「ウサトォ!! 俺を投げろォ!!」

「! よしきたァ!!」


 即座に彼の意図を理解した僕はこちらに飛んでくるコーガをマントを変形させた巨大な手で受け止め、衝撃を損なわないようにその場で回転する。


「コーガ、治癒魔法で打ち出す!」

「おう、やってくれ!!」


 手をカタパルトに見立て、腕力・掌の衝撃波・遠心力で全力で投げつける!!

 飛んでくる加速以上の速さで打ち出されたコーガはさながら流星のように青黒い光(・・・)を放ちながら……って、待て。


「なんでコーガが燃えてるの?」

「わたしが火をつけておいた」

「……なんだって?」


 ふふん、とドヤ顔を浮かべる子ライオンに思わず呆気にとられてしまう。


「おおおお!! ぶちぬいてやるぜ!!」


 ……まあ、本人も大丈夫そうだし黙っておこう。

 飛びながらも自身の闇魔法の鎧を槍の先端のような形状に変形させたコーガは、そのままカイラへと突撃し———そのままその胴体を貫いた。


「ガっ、ァァ!?」


 胸に大穴を空けたカイラ。

 血ではなく黒い魔力を放出したカイラは忌々し気にコーガに追撃を与えようとするが、当のコーガはそのまま地上へと先に落ちて行ってしまっている。


「コーガ!」

「じゃ、ウサト! 後は頼んだ!!」


 案外、元気そうだな。

 それでも一応コーガの落ちていった方向に治癒魔法弾を投げておく。


「頼んだ、か」


 その言葉に呆れながらカイラを見ると、彼の上半身はコーガの作り出した分身により拘束されていた。

 置き土産というかなんというか……本当に油断できない奴だな。

 これまでのダメージと先ほどのコーガの一撃で再生の方を優先的に行っているせいか拘束はまだ解かれる様子はない。


「———よし」


 コーガがこれだけ身体を張ったんだから僕も気合をいれなくちゃな。

 軽く深呼吸し、改めてカイラを見下ろすと彼は自らの身体を再生させながら、その翼をさらに巨大化しこちらを睨みつけていた。

 これまでの変化を見るなら僕と戦う(・・・・)ことに特化させるように進化しているんだろうが……。


「空を飛べて余程嬉しいようだが———その程度の進化じゃまだ僕たちには追いつけないぞ」

「ウウゥゥ……!」


 翼で空を羽ばたく程度では、まだまだキーラの飛行能力には及ばない。


『ウサトさん、アレをやるんですね!』

「む、なるほど。理解した」

「……待ちなさい。なんだかとてつもなく嫌な予感がするのだけど」


 僕の意図を即座に理解したキーラがマントを変形、ルーネが炎を纏わせる。

 固定化されるマントとその端に集まっていく青黒い炎を見て声を震わせたネアが僕に囁いてくる。


「ネア、今から加速する。耐性の呪術を頼む」

「は? ちょ、ちょっと待って、あなたなにを!? わぷっ!?」


 マントからベルトを巻き付けられたネアが耐性の呪術を発動したことを確認し、マントから黒炎が炸裂、ジェット機のような加速を用いて一瞬でカイラに接近し、蹴りを叩きこむ。


「ぎゃあああ!? 薄々分かってたけどやっぱりぃぃぃ!?」

「ッらァ!!」


 そのまま旋回し減速せずに今度は拳の一撃を見舞わせる。

 怯みながらも無理やりに攻撃を挟み込もうとする奴だが! 絶え間ない加速と治癒残像拳を使っている今の僕の動きを捉えることはできない!!


「ぬぅん!!」


 突撃する形でカイラの胴体に左拳を打ち込み、反撃される前にマントから炎を逆噴射させ、その場を離脱する。

 大きく腕を空ぶったカイラは怒りに悶え頭を掻きむしる。


「捕まえてみろ!!」


 さらに加速し拳と蹴りを交えた連続突撃を仕掛けていく。

 カイラは残像を追うばかりで僕たちを捉えることすらできていない。


「ッ!! が、オォ、オオオ!!」

「!」


 再生が追い付かないほどの攻撃を受けたカイラの口が大きく開かれる。

 頬が裂けるほどにまで開けられた口内には煮えたぎるような黒い魔力が集約している。


「あの魔力量……普通じゃないわよ! あいつ視界全部薙ぎ払うつもりよ!!」

『ウサトさん、防御を!』

「いや、このまま突っ込む!」


 あれだけの魔力量だ。コーガの分身を盾にした治癒ガードでなきゃ防げないけど、それをしたらカイラが自由になる。

 それなら、あのビームもどきを乗り越えて魔力を大量に消費したカイラを落とす。


「もうっ、貴方がいけると思ったならいけるんでしょう!! 信頼してるんだからさっさと行きなさい!!」

「ああ!!」


 ネアに押され真正面から突っ込む。

 同時にカイラの口から大質量の魔力が放出され、それらは拡散しながら襲い掛かってくる。


「治癒流しで要領は掴んでいる!!」


 魔法を魔力で受け流せるなら、その流れに合わせることだってできるはずだ。

 それがただただ放出される魔力の流れ(・・・・・)なら話はもっと簡単だ。


「魔力回し!!」


 こちらに迫る魔力のビームの側面に魔力の籠手を合わせるように添える。

 治癒流しのように受け流すわけじゃない。

 今度は魔力回し―――魔力を体内で高速で循環させる技術で、魔力の奔流に乗る(・・)


「嘘!? 魔力の放出を掌で流しているの!?」


 放出されていく魔力の流れに合わせ、僕の掌の表面に流れている魔力を合わせる。

 ビームの表面を沿って滑るように突き進み魔力を放ち続けるカイラの顔面へと接近する。

 辿り着いた……!! 後は!!


「!!?」

「必生奥義!」


 勢いに任せ左拳に纏わせた系統劣化の拳を叩きつける。

 魔力の奔流を無理やり止め、口から魔力を垂れ流すカイラの顔面に———今度は右拳の系統強化の治癒パンチを打ち込み、そのまま殴り抜く!!


「治癒! 系統爆破拳!!」

「ァ、アガァァァァ!!」


 拳と衝撃波、そしてこれまでのダメージで翼を保てなくなったカイラは地上へと勢いよく落ちていく。

 このまま一気に追いつめる!!


「ここで決めるぞ!!」


 轟音と共に落下したカイラの近くに着地した僕は右の掌を向ける。


「ルーネ!!」

「連続で放つ!」


 掌から青黒い熱線が放たれカイラへと直撃し、その体を焼き焦がす。

 続けて三度の熱線を見舞い奴の姿が砂煙に包まれかけたところで、駄目押しの治癒爆裂弾を掌に浮かべ———その上にネアの拘束の呪術とルーネの闇魔法を纏わせる。


「やれ! ウサト!!」

「オラァ!!」


 全力で投げつけた魔力弾はカイラに直撃と同時に破裂し、奴の身体を衝撃波と黒炎が襲い掛かる。


「ガ、ギャァァァァァ!!?」


 衝撃波の檻に囚われたカイラは雄たけびを上げながら苦しみ、そのまま膝をついた。

 心なしか先ほどよりも図体が小さくなっているような気がする。


「……クソガ、治癒魔法、つかい、がァ……!!」

「意識が戻りかけてる?」


 まだカイラは倒れないけど、あれだけあった魔力もかなり消費しているのが見て分かる。

 それでも、未だに僕に対する憎悪の瞳は少しも衰えちゃいない。

 ここまで来るとむしろ凄いとさえ思えて来るけど、もう終わりだ。


「そこまで追いつめられてまだ続けるつもりか?」

「ダマ、レェ」

「……」


 もう、決着はついている。

 憎々し気に僕を睨みつけながら驚異的な速さで再生するカイラに僕は構えを解く。


「残念ながら最後に決めるのは僕達じゃない」

「……ッ!」

「———奥義」


 頭上からの声。

 それにカイラが気づいた時には既に遅く。超高速で落下してきたナギさんが振り下ろした黒刀がカイラを切り裂いていた。


(シン)獣狩(けものが)り」


 黒刀を鞘に納めた彼女がそう呟いた瞬間、カイラの肉体にいくつもの斬撃が刻み込まれた。


「ガ、アアアアア!!?」


 傷口から魔王の力が漏れ出していく。

 それに伴いカイラの姿も元に戻っていき、ついには最初に遭遇した時のようなガラの悪い人相へと戻る。


「が、はぁ、はぁ……クソッ!!」

「理性が戻ったようだな」

「腐れ魔王の力を使っても、テメェを殺せねぇのかよ……!!」


 当然、その姿はボロボロではあるが彼の胸には魔王の力の断片と思われる水晶のようなものが埋め込められていた。

 とりあえずコーガの分身の拘束と魔術で縛り上げておこう。

 一応はこれで決着のはずだ。

ジェットウサト(?)の高速移動攻撃から大技ぶっぱでした。


次回の更新は明日の18時を予定しております。

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― 新着の感想 ―
[一言] アニメ3話のギャグのテンポが良くて面白かったっす!!声優のさかしょーの演技も流石だったし。原作もアニメも続く限りおっていきたいと思います!
[一言] 戦闘シーンが治癒魔法を使ってるように見えないのですがw
[一言] 手に乗せた魔力回しで滑るところで横嶋忠夫連想した
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