第四十一話
お待たせいたしました。
四十一話、更新です。
「やっとついた……」
額に浮かぶ汗を袖で拭い目の前の真っ暗い森を見据える。隣にはブルリンとその背に乗るアマコ。やけにぐったりしている所が気になるが、彼女も獣人らしいから人間の様に直ぐにばてたりはしない……筈。
……前方の森を見ると『戻ってきた』という感想が頭に浮かぶ。僕にとっては色々感慨深い森。一度目はローズに投げ飛ばされて入って、二度目はフォールボアの突進で吹き飛ばされて川に飛び込んでそのまま森へ流れ着いて……。
「まあ、そんなに良い思い出は無い、か」
というより嫌な思い出しかない。あの巨大蛇とか本当に死ぬかと思ったし、お腹が痛くなった時は尊厳とか苦痛的な意味で死にそうになった。まあ、それでもここはブルリンと僕が初めて会った場所だ。嫌な思い出は多いけど、感慨深い所でもある。
そういえば……。
「ブルリン、今とても重要な事に気付いたよ……」
「ゥー?」
「お前が住んでいた洞穴の場所が分からないんだ」
「場所が分かったうえできたんじゃ、ないの……?」
ぶっちゃけこの森の全体像は僕にも分からない。照れながらブルリンにそう言うと、何処かアホを見るような瞳でボクを見た後、遠慮なしのクマパンチを僕の脚にぶつける。痛いじゃないかこの野郎。
本来ならど突いても良い位の遠慮の無いツッコミに思わず手刀を食らわせようとするが、ブルリンの背に居るアマコの事を思いだし渋々掲げた手を下ろす。
「グフゥ~」
「はぁー、ブルリン。悪いが頼むよ」
『しょうがねぇな~』とばかりに鼻を鳴らしたブルリンが、森を見据えクンクンと鼻を動かす。ブルリンはこの森で育った魔物ブルーグリズリー、彼にとってはこの森はいわば遊び場のようなものだろう。ゆっくりとした歩調でのっしのっしと歩き始めたブルリンについて行く形で僕もついて行く。
「全然変わってないなぁ、此処は」
「私は初めて来たけどなんだか不気味な所……」
「慣れればそうでもないよ。外から見ると木々が密集して暗いように見えるけど、森の中は意外に日が差しているから不自由でないくらいには明るいんだ」
「……そういう意味で言ったんじゃないんだけど……」
明らかに引いたように僕をジトっと目を細めてみるアマコ。何かおかしいことでも言ったのかな。
「この森は魔素が濃い……人間には分からないけど、私みたいな五感が鋭い獣人にとって此処は居るだけでムズムズする場所なの」
「へぇ」
感覚が鋭敏な獣人にとっては幾分かつらい所なのか。それなら尚更ブルリンの両親のお墓を作ってここから出よう。気丈に振舞ってはいるけど、この子はまだ子供。あまり無茶はさせられない。
「ウサトはブルリンと会った時何日ここに居たの?」
「え?10日、ぐらい?」
大分忘れちゃったけどその位だった気がする。
そもそもの目的がグランドグリズリーを倒す事だった訳だから……帰るに帰れなくて、しかも後から聞くと実はグランドグリズリーにボコボコにされることが真の目的とかローズに訊かされて……。
「ク、ククク……」
「う、ウサト?どうしたの?」
いけないいけない、ついあの時の理不尽さに黒い笑みが漏れてしまう。すぐさま笑顔を作ってアマコを見ると、彼女は表情を引き攣らせ慄いてしまった。しまった、僕とした事がこの子は先輩と違い普通の感性を持っている子なんだ、何時もの調子じゃ駄目だ。
「ちょっとこの森に入ると滾っちゃってねっ!もうそこらへんのブルーグリズリーでもぶっ飛ばしたい気持ちだよ!!」
今度は表情を引き攣らせるどころか、彼女を運んでいるブルリンごと距離を取られた。いくら僕だってブルーグリズリーを片手間でぶっ飛ばせるほどの腕力はないぞ。だがそんな事を訴えてもブルリンは信じようとしない。
………慣れない事をするからこうなる。
僕はまた賢くなった、次からはもっと子供が喜ぶような場の紛らわし方をしよう。
暫く森の中を歩いていくと、木に見慣れた印が刻まれていたのを見つけた。鋭利な刃物のようなもので一線されたソレに手を添えて、懐かしい気持ちになる。
「僕が初めて此処に来てから1か月以上経っているんだよなぁ……魔王軍との戦争とか色々あったから、ずっと昔の様に感じるよ」
これは僕がこの森で迷わない為に刻んだ目印。
この印が僕が記憶するソレに近いのなら、近くにグランドグリズリーの巣があるということだ。
「さあ、行こう」
「グァ……」
「不安か?」
何時もよりも小さなか声で鳴いたブルリンの頭を撫でながら、巣である洞穴がある場所を見据える。あの巨大蛇を倒した後、ブルリンは洞穴に行くことなく僕を運んで森から出て行ってしまった。……多分、ブルリンは親であるあの二頭の死を直視したくは無かったのだろう。
あまりにも突然すぎるその死に理解が追い付かず、ただただあの蛇に対しての恨みで挑んで―――
―――死のうとした。
「お前の父さんと母さんなんだろ?ならさ、ちゃんと別れぐらい言えよバカ。……お前は僕の相棒なんだから、アマコの母さんを助ける旅にも行くんだぞ?だから、時間が経たないうちに安心させてやれよ」
魔王軍との戦いで助けられなかった人達の埋葬に立ち会って、色んな事を学んだ。自分の力不足とか色々とか、その他諸々だが……まず思ったのは僕には誰かの助けが必要だということだ。
あの強面共じゃうまく連携は取ってくれるだろうが、何か嫌だ。ローズ?僕が死ぬ。反面ブルリンはなんだかんだ言って共に死地を潜り抜けたようなものだからね。まだまだ僕よりも遅いけどポテンシャル的には僕よりも凄いので文句なしだ。
「グルァー!」
一声鳴きブルリンが前へ踏み出す。迷いない足取りに安心しながら僕も後を続こうとすると、何時の間にかブルリンの背から降りたアマコが僕に何かを言いたげにこちらを見ていた。
「……本当に、母を助けてくれるんだ……」
「え?」
信じてなかったの?
アマコの言葉に若干傷つきながらも彼女と共にブルリンの歩いて行った方向に歩み始める。
「ごめん……信じてないとか、そういうことじゃなくて……何かうまくいきすぎて信じられなくて……」
「あー、そういう意味で」
これまで僕みたいな治癒魔法使いに会う事は無かったのか。僕にとっての治癒魔法使いってローズかオルガさんみたいなタイプしかないから、あまり知らないんだけど。
この際訊いてみようかな。
「僕以外の治癒魔法使いってどういう人だったの?」
「聞いていて面白くないけど?」
「………聞かせて」
僅かに表情を鎮めるアマコだが、この際訊いておきたい。一般的な治癒魔法について僕はよくは知らない。
そういえば僕が初めて救命団に来た時、トングが治癒魔法について言っていたが……あまりこの世界での評判は良くなかったな。
「リングル王国の隣国、魔導都市ルクヴィスには治癒魔法使いが1人いた」
「魔導都市……?」
「魔法を育成する学園がある都市。リングル王国みたいに個として成り立っている国じゃなくて、各国からやってくる人達で成り立っているの」
「……留学生みたいな感じなのかな?アマコはそこに?」
「忍び込んだ。予知使って警備の穴をつけば簡単だった」
アグレッシブだなぁこの子。単身お母さんを救うために飛び出した度胸も凄いけど、なによりその行動力が並じゃない。未来予知と言う魔法も相まってこと隠密に関しては無敵かもしれない。
「私が会おうとしていた人間は苛められてた。魔導都市で評価を得られるのは強力な魔法を扱えて、尚且つ希少性のある魔法だから……治癒魔法は人間にとってはただただ珍しいだけの能力にすぎないって……」
「……毒も傷も治せるのに……珍しいだけか」
「傷を治すだけの魔法なら使える。大抵の魔法使いは毒を持つ相手と戦う事もない」
必要性があるかないか、か。話によれば傷を治すだけの魔法なら適性関係なく使える。だから効力が被っている治癒魔法使いは使えないって事か。
「じゃあ、治癒魔法はある程度の病気も治せるって事も知られてない?」
「………其処まで使いこなせる人は滅多にいないから……魔法に頼らなくても病気を治す医者がいるからそこまで重要視してないみたい」
「この世界にも医者がいるんだ……」
僕も病気は治した事が無いけどその難しさはオルガさんの診療所で見た。高濃度の魔力を病人の体に浸透する様に纏わせ、治す。
怪我や毒のような外部からの害ではなく、身体からの害、それだけでかなり違ってくる。
「あそこは亜人も獣人も通ってる。相当の実力が無いと危ないらしいけど……少しの間だけ私はそこの獣人にお世話になってた。でも直ぐに出て行っちゃったけど……」
「成程なぁ……それで治癒魔法を使えるっていうその人は?」
「……とても話を聞いてくれるような人じゃなかった……予知しても力になってくれるどころか見向きもされなかった」
「はぁ、そこまでか……」
何処の世界にも苛めっていうものは存在しているのか。魔法の優劣だけでしか価値を測れないとは、一度ローズにしばいて貰った方がいいかもしれん。
―――苛められている治癒魔法使いの方を。
あの人なら一か月くらいで苛められっ子を修羅に変える事すら可能だろう。
ローズの訓練を思い出しながら懐かしさに浸っていると、前を歩くブルリンが立ち止まる。ブルリンの前には繁々と生えている茂み。それを睨んだブルリンは突然唸り声を上げる。
「グルァ!!」
「どうした?」
……良く見れば僕がグランドグリズリーを観察するために覗いていた茂みじゃないか。僕の疑問に応えようともしないブルリンはこちらを見ずに茂みの奥へ飛び込む。僕とアマコもそれを追って茂みをかき分けると、広い場所に出る。
ブルリンの生まれ育った洞穴があり、彼の両親が死んでしまった場所。グランドグリズリーという主がいなくなり何もいないはず洞穴だが、ブルリンはその奥を睨み付けグルグルとう唸り声をあげている。
いまいち状況を掴めてなかった僕だけど、ブルリンが睨む洞穴の奥から出てきた生き物を見て合点がいった。
『グル……』
「グルァ……ッ!」
二頭のブルーグリズリー、恐らく夫婦かな?ブルリンの住処だった場所から出てきた。とりあえずアマコの前に立ち、治癒魔法を練り始め何時でも逃げられるように脚を半歩開く。ブルリンよりも大きい個体だけど、逃げられない時は……相手するしかない。
「ブルリン、落ち着けって」
とりあえず声を掛けてみるがブルリンは退いてくれそうにない。相手のブルーグリズリーの片割れも警戒するように僕に向かって威嚇してくる。特別怖くはないんだけど、アマコに襲い掛かられるとマズい、未来予知があるとはいえもしもの事態が無い訳じゃない。
警戒する一頭を見据えながらもう一頭を見る―――片割れよりも一回り大きいブルーグリズリーは僕を見て怯えて鳴くとジリジリと後ろへ退がった。………ん?
「ウサト、あのブルーグリズリー、怖がってる」
「怖がってる?」
僕に怖がるような要素なんてあるのかな?トングのような強面じゃないし、顔もこれといって普通だし。まさかローズみたいに周囲を威圧するオーラが出ている、とか?
ブルーグリズリーに怯えられるような事なんて……。僕がブルーグリズリーと会った時なんて、もう死んでしまったブルリンの母親と犬上先輩と一緒に森へ流れ着いた帰りに会った二頭のブルーグリズリーしかいないぞ。
「もしかしなくても……僕が気絶させたブルーグリズリー?」
よく見れば僕がタックルで倒したブルーグリズリーと酷似している。大きさも、その形相も。それなら僕に怯えるのにも納得がいく。
取り敢えず、軽く手を振ってみると身体をビクリと震わせ後ろへ更に下がる。……どれだけ怖がられているんだ僕は。
「………っ!」
「ウサトやめて、凄い怯えてる」
今何で僕が怒られたの?
微かな理不尽さを感じながら、前の二頭を眺めていると、僕を威嚇している片割れのブルーグリズリーがブルリンに叫び、ブルリンもそれに応じる様に叫ぶ。そのやり取りは何度も行われ、その意味が分からない僕はどうすればいいか分からず立っているしかない。
その応酬が数分ほど続いた頃だろうか、途端に鳴き声が止み二頭のブルーグリズリーがブルリンに向けていた警戒を不意に解いてしまった。
……解決、したのかな?
「終わったみたい。ブルリンももう怒ってない」
「気持ちが分かって羨ましいよ」
犬上先輩なら凄く欲しがりそうな特技だ。二頭のブルーグリズリーを見るとこちらを睨んでいるものの取り敢えずの警戒は解いたようだ。ブルリンが僕の事を紹介してくれたのかな?
一応、ブルリンも森のボスだったグランドグリズリーのボスの息子。それなりの発言力があったのかもしれない。……でも僕を怖がっているブルーグリズリーには何を説明したのだろうか。さっきよりも凄い怯えている気がするんだけど。
「ウサト、本当に何したの?」
「普通に……体当たりで気絶させただけなんだけど」
「普通の人間はブルーグリズリーを体当たりで気絶させられないよ」
犬上先輩は引かなかったのにアマコにはまたドン引きされた。僕は気絶ぐらいまでしかできなかっただけだからそんなに凄いことはしてないって言ったら、もっと引かれた。
もうこの世界の常識が分からなくなってきた。なんでだ、剣と魔法の世界ならこれぐらい出来る人は沢山いる筈だろ。
「はぁ……取りあえず。お墓、作ろうか」
「………グル」
リュックを下ろしそう言った僕にブルリンがこくりと頷いた。
「よし」
お墓は凄い簡単にできた。本格的なお墓とか高校生の僕が作れるはずがなく、比較的簡単な作りで建てさせて貰った。手ごろな板を組み合わせて十字にしたものを洞穴の近くに作った土の山に深く突き刺したら、その根元に沢山の果物を添える。
それの大小の大きさのものを二つ作り、大きい方のお墓の前で片膝をつく。
グランドグリズリー、ローズに言われて倒してやる、と息を巻いてはいたが結局は倒せなかった。結果としてこいつとは森中を暗くなるまで走り回っただけだった。
「……お前は僕が倒したかった」
「何言ってるの?」
「グルァ……」
君達、随分と仲が良くなったね。
先程までブルリンも墓を目の前にしてジッとしていたが、もう別れを済ませたのだろう。仮初とはいえ両親のお墓だということはブルリンも分かっている。だからこそ―――
「クアー」
「ん?」
脚をひっかく謎の肉球。ふと、足元を見るとブルリンよりもかなり幼いブルーグリズリーの子供が僕の脚にガジガジと噛みついていた。なにこの子可愛い。可愛いものには目が無い、という訳ではないがマスコットのような姿の青い小熊に不覚にも心奪われてしまった。
できるだけ優しく小熊を持ち上げると、洞穴の中に戻っていたブルーグリズリーがこちらを見て、怒る様に叫ぶ。
多分、この子はあの二頭の子供なのだろう。余計な喧嘩に発展する前に小熊をゆっくりと下ろし両親である二頭の元に行くように促す。
「よいしょ、っと」
「クアー?」
「全く、僕が犬上先輩だったら大変だったぞ?」
大変なことになるのは主に犬上先輩だけどねっ!と内心思いながらも僕の言葉に従いトコトコと親の元へ駆けて行った小熊を見てほんわかな気持ちになりつつ、帰る支度を始める。
「子供のブルーグリズリー、もう一体いるよ?」
洞穴を見ていたアマコの声に振り返ると、先程洞穴に駆けて行った小熊が親のブルーグリズリーに咥えられて運ばれていくその足元で、もう一頭の小熊が親の後を追う様についていくのが見えた。
「地に還った魔素はあらたな命として蘇る、ね」
「蘇るというより、生まれるの方がいいよ」
「確かにそうだ」
本に書かれていた一文、あくまで数ある説の中での一文だけどこういう場面を見ているとあながち間違っているようには思えないね。感慨深い気持ちになる一方で、ブルリンはあの小熊と自分とを重ね合わせていたのか、寂しそうに座っている。
「じゃあ、帰ろうブルリン」
「……ガウ」
のっそりと四肢で立ち上がり、洞穴を一瞥してからのっそのっそと元来た道を歩いていく。これでブルリンに心残りはない、かな。あまり気の利いた事を言える自信がないから此処に連れて来たけど、まさかブルリンのいた洞穴に他のブルーグリズリーが居るとは思わなかった。
ついてきたアマコからすればあまり楽しいものではなかっただろう。結果としてやった事と言えば、森に来て、ブルリンの両親のお墓を作って、二頭のブルーグリスリーとその子供達に会っただけだからね。
「アマコは面白くはなかったでしょ?」
「ううん、来てよかった。ウサトの事良く知れたし」
僕の事、か。もしかしたら疑われてたのかもしれないな。……まあ、そんなことより問題は帰りだ。道順は覚えてはいるが、暗くならないうちに帰れるかどうか。
太陽が傾いてきているから、少し急がなくちゃ駄目かな。
「ウサト、帰りもブルリンに乗っていくの?」
「え?無理、かな?」
「……」
行きの時はやけに無言だったから何かと思ったけど、ブルリンの背は意外にキツかったか。振動とか凄そうだったからなぁ。それじゃあどうしようか。
「……僕が運ぶ?」
「それは………嫌」
サッと顔を背けられそう言われてしまった。やはり大人びているとはいえ14歳の少女、逆に受けられてしまったら、僕から断ってしまっていたかもしれない。
これが犬上先輩だったらがっつり食いついていたに違いない。あの人そこらへん遠慮がないからなぁ。そんな所が良い所だとも思うけど。
「ついてきたのは私だし、ブルリンに乗る」
「なら、帰りは遅めで行こうか」
少し遅くなっても大丈夫、もしもの時は僕が怒られればいいし。ブルリンの背に遠慮気味に乗ったアマコは空中にある何かを見てボーっとしている。
多分、今の今まで気づかなかったけど未来を見ているのかもしれない。ああやってブルリンの背で魔法を使っている事によって事前に危険を察知するようにしているのだろう。
彼女を見て不意に思う。
「外の国……」
アマコが行ったであろう外の国。リングル王国とはなにかしら違っている場所……其処に向かうとしたら僕はどのような振る舞いをすればいいのだろうか。治癒魔法使いであることを隠すか、異世界の人であることを隠すか、それとも何も隠さずに真っ向から立ち向かうか……。
「成るようになるか」
治癒魔法を見下しているような人たちにはそう言わせておけばいい。僕には目的を見失わないようにする義務がある。先輩とカズキを救ってくれたアマコに母を救ってくれと頼まれた僕は、絶対に彼女を裏切る事は出来ない。
だから、友達を助けてくれた恩返しとして君の母親を助ける……ッ。
……まあ、こんな事を考えてはいるものの、行くかどうか決めるのはロイド様なんだけどね。
現在、話名の横の視点等をを修正しています。