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第1話:世界の成り立ち
遠い遠い昔、この世には何も存在しなかった。ただ、真っ暗な何も無い空間が広がっていた。
その中に突然、大きな一枚岩が生まれた。
その岩の塊は何年、何十年、何百年……人の暦では数えられないほど長い間、他に何も無い真っ暗な空間を漂っていた。
一枚岩はあるときふと思った、「何故この世界には自分以外に何もないのだろうか」と。「孤独なのは辛い」と。「いっそのこと消えてしまいたい」と。
一枚岩の「消えてしまいたい」という願いは叶わなかった。その代わり、いつの間にか、多くの星が空間に生まれていた。
「昔からここに居たんだってね」「ひとりぼっちで寂しくなかった?」星々は次々に一枚岩に語りかけた。
その言葉を聞き、一枚岩は涙を流した。うれし涙である。
一枚岩が気付いたときには、一枚岩の表面には多くの植物が茂り、多くの生き物が住んでいた。
「大地よ、ありがとう。」そういった数々の動植物の言葉に、今もなお一枚岩は過去の孤独を埋められ続けている。
その一枚岩は、今では私たちが住む地である。