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フレンド 2話
それから家に帰った僕は、色々なことを考えた。
身近な大人。
両親であったり、担任の先生だったり、
そういった人のことを考えてた。
でも殺さなきゃ殺される。
それに桜に気持ちを伝えないまま死んでしまうのが怖かった。
桜は、明るいところもあれば、冷静なところもあって、頭が良い。
何より優しかった。
そんな桜が好きだった。
そんなことを考えていたとき、
両親が帰ってきた。
「ただいまぁ。」
なぜだかいつもより明るい気がした。
「みんな集まれ。」
と父が言った。
みんな集まって正座した。
父はサラリーマンなので、収入がいいわけがなかった。
「大宮家が大富豪になれるたった一度のチャンスを国がくれた。
そのチャンスを家族みんなでつかもうじゃないか」
と父は真剣に言ってきた。
母も父も運動神経はいいほうだと思う。
小5の弟も運動神経は良かった。
僕は王からの贈り物のエアガンと玉100発を家族一人ひとりに渡した。
不意に「みんな死ぬなよ。」
と父がつぶやいた。
僕は、「絶対死なない。桜も死なせない。こんなところで死ぬわけにはいかないんだ。」
と心の中で言った。
死ぬわけにはいかないんだ・・・。