フレンド 11話
結局バイク屋ではバイクを入手できなかったため、
移動手段は歩きしかなかった。
俺は一人で夜中の道を歩いていた。
夜中の道は誰もいなくて、奇妙だ。
何故かそういうところが俺は好きなのだ。
俺は何も考えず、何かにおびき出されるように
歩いていた。
住宅地の交差点。
物音もなかったのに
物音が聞こえてきた。
足音と、車のエンジン音だ。
交差点を曲がった時
まず視界に入ったのは
大輔たちだ。亮も美優も菜々もいる。
俺は満足感に浸っていた。
だがそれも一瞬だった。
亮が「逃げろ!」
と叫びながら走ってきているのだ。
すると、一台の車が俺らのほうへ
大輔たちの後ろで曲がってきた。
俺は大輔たちと合流して、
走り始めた。
何があったか聞きたかったが、
聞ける雰囲気ではなかった。
大輔や亮の目はマジだった。
美優と菜々はおびえているような
こわばった表情をしていた。
俺はこれはヤバイなと今思った。
全力で走り続けたが、さすがに
車には勝てそうになかった。
徐々に近づいてくるような
感覚はあった。
「優斗、俺もう無理だ。」
と亮がかすれた声で言ってきた。
「ありがとう。」
と言うと、亮は逆走して車に向かっていった。
「おい、何するんだ」
といい言ったがもう亮は聞こえる範囲にはいなかった。
俺も逆走した。
すると、ものすごい銃声が響いた。
俺は反射で目を開けられなかった。
ずっと僕は祈りながら座り込んで
目を閉じていた。
すると徐々に車が離れていくのが分かった。
そこで僕は目を開いた。
そこで見えたのは倒れている亮だった。