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魔法ライト学園 クロネコの入学-

ヴィドールの荷造りも終わり、俺達は目的地の魔法ライト学園へ行く直前だ。


「トリックワープ<空間>」


魔法詠唱して目を開くと、目の前には大きい門があった。



「ここが魔法ライト学園…」


「思ったよりでかいな」



トンッ! トンッ!



「君たち。 ここ、魔法ライト学園に何の用だ」


「同じく」



学園の大きさにヴィドールと呆然としていると、門の付近にいたらしい門番2人に声を掛けられた。


一人は年寄りのお爺さん。

一人は気怠げに目を閉じた若手だ。


―おい、若手の門番。

せめて目は開けた方がいい。


っ、…それともなんだ?何か開けられない理由でもあるのか?


この2人…会った時から魔力が全く感じなかった。


それ故に門番がいた事にも声を掛けられるまで気が付かなかった…。



まあ、魔力を感じさせないというのなら魔力制御という物を身につければ可能だ。


こいつ等は門番だし。

力を測られて奇襲されたなどでは堪らないだろう。


それを踏まえて魔力を感じさせない方が門番に効率が良い。



「入学を希望しております」


「っ希望しております」



俺に習ってヴィドールも慌てて御辞儀をした。


トンッ! トンッ!



「ふむ。それぞれ名前、歳、属性、精霊を言え」


「同じく」



―爺さん…話す前に杖を打ちつけるのは何だ?

もしかして突っ込みを求めている…?



胸に手を当てて一歩前進して頭を軽く下げる。


「我、名は黒沼 氷と申します。 歳は18。 属性は空間、精霊はストレージです」


トンッ! トンッ!



「下がれ。次」


「同じく」



チラリとヴィドールを盗み見する。


…特に門番2人に気を止めてなさそうだ。


なら俺も考えるのはやめておこう。



軽く頭を下げて手を下ろし一歩後進すると、ヴィドールが前へ出た。


「我、名はヴィドールと申します。 歳は17。属性は水、精霊はジャップです」


トンッ! トンッ!



「下がれ。 ジョブ、黒沼殿と手合わせを」



―手合わせ…!?


この2人は門番だけじゃなく…審査員も兼ねてるっつぅことか?


「おな…承知致しました」


俺が考えていると若手の門番が初めて違う言葉を言った。


…いや、実にどうでもよいが。


「クロネコ!頑張れよっ!」


「あぁ、さんきゅ」



トンッ! トンッ!


「両者向き合って、……始め!」


―戦いが始まった。



……おい、まじかよ。


俺と戦闘になっても、門番らしき奴は目を開けない。


それに仕掛けてくる気配もねぇし…余裕ってことか?


((ソード<空間>))


心の中で詠唱すると、淡く光りを放つ剣が俺の手に握られた。


爺さんが杖を打ちつける音と感心する声を聞き流しながら、若手の門番目掛けて駆ける。


「っ、」


曲がりのない直線的な俺の攻撃は相手が飛び退いたことで空振る。


「くっ、ふふ…楽しくなりそうだ」


久しぶりの強者に血が騒ぎ出す。


初めの一撃と比じゃない程素早く動く。


―少しは本気で行くぜっ。



こいつは視力が無い代わりに聴力が凄まじい筈だ。


脳の視力の配分が聴力に注がれていると考えて間違いないだろうな。



息を殺し、俺の周りから音を消せば門番は確実に俺を見失う。


((サウンイレース<空間>))


スッと俺と俺の周囲から音が消え、一瞬だが門番が動揺したのを見逃さない。


シュ…


「…やれやれ」


剣が喉に添えられたまま門番は言った。


「入学おめでとうございます」




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