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未亡人が遺産としてキャンピングカーを受け取ったら大変な事になりました。  作者:
プロローグ

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5/12

5

伊勢の方、および伊勢うどん好きの方ごめんなさい。




 金曜日、仕事を終えた楓花は自宅に戻ると、シャワーを浴び、カジュアルなパンツスタイルに着替えた。上もTシャツとカーディガンのラフな服装になった。外は寒いので、薄目のダウンを着た。まだ髪が乾ききっておらずしっとりとしていたが早く走りたかったので、肩に乾いたタオルをかけて車へと乗りこむ。

 月曜日に有給をとったので3泊4日が可能だった。

 この車庫のシャッターはリモコン式なので、車に乗ったままで操作が可能だ。いちいち車を降りなくて済むのはとても楽だった。


 車を出して、街中のスタンドに寄りガソリンを満タンに入れた。

 住宅街を抜けて高速に乗り西へ向かって走った。

 4時間ほど走り、疲れたので大きなSAに入る。

 ここは温泉があるので人気のSAだ。


 このSAは夫と旅行していた時に、停車中に車が突っ込んできたことがあり、少しだけ悪いイメージがある。

 そのため、車が突っ込んで来にくいだろう場所へと車を停めた。


 楓花は、慣れない車を運転してきて少し不安だったが、ラッキーなことに停めやすい場所が丁度空いたのだ。

 トイレも近いのでこれはよかった。

 楓花は車を降りると、トイレに向かいその帰りに自動販売機の飲料を買った。

 髪はすっかりと乾いていた。


 後部座席に入り、鍵を閉める。

 冷たい飲み物と常温の物はあるけれど、温かいものが飲みたくなったのだ。

 簡易型のポットはあるけれど、自動販売機のほうが手軽なので買ってしまった。


 ソファーに座り、温かいお茶を飲む。

 仮眠をとってからまた走るつもりだった。

 折角なので、お伊勢参りでもしようと思い立ったのだ。


 楓花は、寝ている時に明かりが入ってくるのが苦手だ。

 カーテンを閉めれば明かりをある程度排除できるが、完全ではない。

 ルーフベッドをセットして、はしごをよじ登る。

 楓花の握力は弱いので、はしごを上るのは少し怖い。

 なんとか登りきると、布団を1袋下へと落とした。

 上に上り、薄いマットを敷きなおす。

 その上に敷パットを敷いて、上掛けにカバーを付けた。

 春なので、まだ寒い日がある。しかも、外ならば寒いのは間違いないだろう。

 入口に頭を向けて、転がった。頭近くにUSBポートがあったので、充電もできる。楓花はUSBケーブルをつないだ。Cタイプでないのは、数年前の車だからだろう。

 

 スマホのタイマーを設定して、車内の電気を消して寝る体制になる。

 予想通りに真っ暗なのと仕事で疲れたからかすぐに眠ってしまえたらしい。


 4時間ほどで目を覚ました。

 周囲は真っ暗で、楓花は現状を思い出すまでに少しだけ時間がかかった。

 

 「そうだ、伊勢参りのためにSAにいるんだった!」

 

 室内灯をつけて、身支度を整えるとはしごを降りた。

 一度外に出て、トイレへ行きまた自動販売機による。

 今度は、その場で豆を挽いてくれるコーヒーを選んだ。

 懐かしい曲が流れだす。コーヒーにちなんだあのルンバだ。


 2分ほどでドリップされたコーヒーが出てきた。

 それを手にキャンピングカーへと戻り後ろの座席についた。

すぐにロックをかけてから、スマホを見た。

 まだ2時にもなっていなかった。

 

 これなら道路も空いているだろう。

 コーヒーを飲みながら、チョコレートを摘まんだ。

 夜にチョコレートは普段は食べないけれど、運転するためには糖分の補充も必要だった。


 軽くストレッチをしてからマップの確認をする。今から走り出せば夜明け頃には到着できそうだ。

 

 楓花は運転席に戻り、ナビも確認する。

 ナビのマップに従って走らせた。


 伊勢に到着し、外宮へと向かった。

 お参りをして、次に川沿いの駐車場に停めた。

 駐車場は、入場時にお金を払うタイプだ。

 整備されていない駐車場なので、少し停めにくかった。

 

 車を降りて、歩く。

 5分ほどで人通りの多い場所に出た。

 しばらく人波に合わせて歩くとお店が並んでいた。

 朝ごはんを食べるため、伊勢うどんのお店へ入った。

 太くて柔らかいうどんは馴染めないけれど、朝食としてはお腹に優しくていいだろう。


 外宮、内宮の順でお参りを終えると山道を走る。

 しばらく走り、スーパーへと立ち寄った。

 伊勢エビや牡蠣が並んでいる。

 えびはアレルギーがあるので食べられないのが残念だ。

 牡蠣も大好きだが、食べられない。

 

 2大名物を食べられないので、大あさりやその他の海産物を購入し、海産物は下処理をしてもらう。

 アイスボックスに入れて、氷も袋一つ分もらって冷やした。

 家で下処理してきた野菜もある。

 

 今日はオートキャンプ場を予約している。

 敷地に入って受付をしてサイト番号を教えてもらう。

 支払いは先に終えているので、サイトの鍵とゴミ袋も渡された。


 キャンプ場の丘を走ると、かなりオープンな様子だけれど、小さな建物も建っていた。

 どうやら建物の隣に車を停めるようだ。

 車を停めたよこに広いスペースがあり、その向こう側に小屋があった。

 建物自体は、奥行き1m幅3mほどしかない。これがサイトの仕切りになっているようだ。

 小屋の外側には、流しがついていた。

 小屋の中へ入ってみると、トイレとシャワールームだった。

 

 小高い丘全体がキャンプ場になっているような立地で、少し離れたところに海が見えた。

 海を見下ろす光景は、自宅でも見られるけれど海の色も違っている。

 車を停めて、バッテリーの充電を始めた。


 車の横にある横長の扉2つ下段を開けて骨組みを取り出し組み立てた。その上にある扉を開き巻き取り式のルーフを引き出してひっかける。これで屋根の完成だ。

 骨組みの足を下ろし、内側に入っている足を延ばし、地面につければ安定した屋根ができた。


 「ん~最高かも…」


 風が気持ちよい。

 これは楽しめそう。

 外の流しで米を軽くゆすいだ。無洗米なので研ぐ必要はないけれど、白い水は何となくいやなのだ。持ち歩きできるお弁当型の炊飯器にセットし、車のコンセントに繋いだ。

 通勤に使っている軽自動車も背が高いタイプなので、車中泊の旅行をしたことはあった。

 シートを平にするために長いクッションを積んではあるけれど、寝心地はよくなかった。フルフラット仕様といっても、本当に平にはならなかった。

 それと比べてキャンピングカーならほぼ平らで余裕で眠られる。

 夫が生きていた間に欲しかったなと思ってしまう。




読んでくださりありがとうございます。

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