表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未亡人が遺産としてキャンピングカーを受け取ったら大変な事になりました。  作者:
プロローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/13

2



 楓花は一度自宅へ戻ると赤い軽自動車を走らせて向かった。

 大型スーパーに歩いても5分かかるかどうかの場所で、仕事先に向かうのも5分程度伸びる程度だろう。今の駅からは遠くなるけれど、バスに乗って行ける近い駅には新幹線も停まる。実家へ帰る飛行機に乗るにも困ることはなさそうだ。


 住所の場所へ行くと、住宅の外周に柵がめぐらされていた。そう高くはないけれど目隠しにはなりそう。

 門の中から菱沼さんが手を挙げてきた。

 中へ入ると玄関脇に入るように促されたのでそこに車を停めた。

 白くシンプルな平屋だった。家の前、車を停めたところはコンクリートで舗装されていた。

  

 「本当に新しいお家ですね。」

 「はい、中へどうぞ。」


 玄関を入り、スリッパを借りた。

 玄関は広くシューズクローゼットも大きい。

 

 玄関の右横の引き戸を引くとリビングダイニングだった。

 広い…明るくて白壁だった。床は明るいベージュブラウンのフローリングだった。


 「こちらは、リビングダイニングです。24帖と聞いています。あと後ろをご覧ください。畳の小上がりがあり茶釜の設置もできます。」

 「お茶をしていたのね…。」

 「茶道具は奥の棚に入っております。」

 「そうですか…。」

 

 リビングには、キッチンの前に2人用のテーブルセットがあり、入ってすぐの場所にソファーセットがと正面にテレビがあり、その横に飾り棚があった。

 このソファーセットなら、今使っているリビングのテーブルは合いそうだ。高さ調整できるので、使いやすいだろう。

 飾り棚には水晶やカップなどが並んでいて、そこだけが少し人がいた感じを出していた。それ以外は、片付いていて人の色が見えなかった。

 

 「では、こちらへこちらにトイレとバスルームそれから休憩の椅子とテーブルがあり、奥に寝室があります。」


 トイレとバスルームの前の廊下が広くとられていて、2㎥近い幅があった。さらに壁側には作り付けの棚があり、一部バスルーム前の脱衣室分くらいが掃き出し窓になっていて、その前に1人掛けの椅子と小さなテーブルが置かれていた。本を読むのに良さそうだ。

 窓の外には、小さな畑が広がっていた。

 家庭菜園をしていたようだ。


 「こちらの寝室は8帖でクローゼットもあります。ベッドはありますが、撤去が必要ならこちらで処分します。衣類などはこちらで処分しますが、他にも何か処分が必要な物はこちらで処分できます。」

 「そうですか…。」


 不用品は処分するから受け取ってほしいということなのだろう。

 

 「最後に、車庫にご案内します。」

 「お願いします。」

 

 玄関の左側のドアを開けると、車庫に繋がっていた。

 

 「こちらが車庫のシャッターの開け閉めするリモコンです。車にも取り付けてあるそうですから、出入りの時には自動的に開きます。」

 「へぇ…」

 

 車庫のシャッターが開いて、車がはっきりと見えた。

 菱沼さんが明かりを点けた。

 くすんだ水色と紺色の2色カラーでかわいらしい。

 

 「あの…車の中を見てもいいですか?」

 「もちろんです。」


 運転席や助手席は普通の座席だった。

 後ろのキャビンを開けると、奥行き30センチほどのミニキッチンとソファーがあった。

 ミニキッチンの入り口側には小さな冷凍冷蔵庫が張り付いていて、上部には電子レンジとエアコン、テレビがついていた。配電盤もあるようだ。大きな蓄電池が入っているのだろう。

 ソファーの上部には収納スペースがあり扉は3枚あった。

 

 「この車はここにルーフベッドがあるので、この棒をここに渡してこちらの板をずらすとベッドになります。マットも専用の物なので、こうすると段差がなく広く使えます。ソファーも折り畳みマットレスなので、広げるとベッドになります。」

 「へぇ…すごい…」

 「トイレやシャワーはついていませんが、かわいい作りでしょう?」

 「はい、とても素敵ですね。」

 

 「この家と車を受け取ってもらえませんか?もちろん、固定資産税やその他いろいろと経費が掛かりますので、それで困ることのないようにこちらで手配します。」

 

 話を聞いていただけなら「いらない」と言えたのに、実際に見てしまうとあまりにも素敵すぎて心が揺れてしまう。

 家があれば、今の貯金と仕事でも確実に生きていける。

 通勤距離は許容範囲だ。

 今の生活を続けることには限界を感じていたので、揺らいでいた。

 計画的に生きているからこそ、自分で立てている計画が無理筋だとも理解していた。

 この家があれば、それだけでもかなり助かる。


 「手続きはこちらでしますので、いかがでしょうか?」

 「はぁ…そうですね。そこまでおっしゃるのであれば、いただこうかな…・」

 「ありがとうございます。よかった。」


 それから数日、名義変更の手続きなどでいくつかの書類のやり取りをした。

 固定資産税はそう高くなさそうだけれど、手続きには疎いので専門家を紹介してもらった。

 

 「では、こちらが権利書と鍵になります。相続についての税金処理はこちらでいたします。毎年の税金関係は税理士に依頼をしていますので、通常の収入書類などと合わせて渡すようにしてください。こちらが税理士の名刺です。それから、私どももできる限りサポートしますので、いつでもお気軽にお声がけください。」

 「はぁ…お気遣いありがとうございます。」

 「家の物で不要な物は回収しましたので、ご安心ください。」

 「ありがとうございます。」


 もう会うことはないと思い、挨拶をして見送った。



読んでくださりありがとうございます。

アイコンタップと合わせて星印を★★★★★~★☆☆☆☆にしていただけると嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ