アリストラ入学
4月、わたしは村を出て王都ミルラスに来た。ここには王国最大の魔術大学、アリストラがある。大学と入っても、実際は兵士の養成所といったほうが正しいが。あれから5年、魔法の腕を磨いてきた。
「ねえ、ひょっとしてアリストラの新入生?」
振り返るとそこには、黒目黒髪に赤いリボンをつけた、異国風な顔立ちの少女がいる。見た目からしておそらく同い年くらいだろう。後ろで大きな白い珠が浮いている。彼女の魔法なのだろうか。
「はじめまして! 私、ナナカ·メレントっていうの。よろしくね!」
「ナナカ·メレント!?」
思わず聞き返してしまった。ナナカといえば、今最も有望な魔法使いにして大貴族の御令嬢だ。家の方は旅の始めから勇者一行を支援した、魔王討伐における影の立役者と言ってもいい。
「知ってた?照れるなぁ。まあ、養子だから家を継ぐわけじゃないんだけどね。」
たとえ養子だとしても、彼女の近くにいれば勇者に近く機会が多いはずだ。それを抜きにしても友達ができるのは素直にうれしい。
「わたしはメリー。お察しの通り、アリストラの1年生よ。よろしくね。」
「よろしく!あ、私今日学校でやることあるから、先に行ってるね!」
そう言うとナナカは、文字通り飛んでいった。
「飛べるなら私も運んでいってほしかったなぁ」
そんなことを考えつつ、アリストラへ歩いた。
入学式が始まる。学長のあいさつから、なんとも有り難い話が延々続いた後それぞれの教室に案内された。先生と思わしき人が話し始める。
「とりあえずは、入学おめでとう。私は主に君たちの授業を担当する、サウド · ケーラーだ。これからアリストラについて...」
「あの、もうよくないすか?長話疲れましたよ。」
「俺達、魔術習いに来たんですけど」
教室の数人が文句を言いだした。正直長話は眠い...というか半分くらいが寝ていた。わたしも。気だるげな空気が漂う中、先生が手を叩いた。叩くと同時に教室が静まり返る。いや、それどころではない。息ができない。おそらく、空気そのものの動きが停止している。これがこの人の魔法か。何とか息をする方法を探すが、空気が固まっているせいで指先一つ動かせない。
少ししてもう一度手を叩くと、息ができるようになり、先生が話を再開した。
「全員話を聞くように。生きて卒業したいなら。」
アリストラでの生活が、始まる。
メリーが村娘なのに王都の大学にいけているのは、アリストラが給料もらいながら通うタイプだからです。
(防衛大学校とかに近い仕組み。)
大学って書いてあるけど、高校に近いシステムです。
筆者が大学知らないので。




