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ニケ伝説 (7) 行って! 勝利の剣!

ニケの初仕事がいよいよ始まるようだが……



アタシはニケ。15歳。


今、とても困ってる。


それというのも、少しだけ話をさかのぼるんだけど……


海賊組合でたくさんの人に囲まれながらお酒を飲まされて倒れちゃって、介抱してくれてたのはいいんだけど……


ゼラセにアタシの目的を話したのもいいんだけど……


――ザァン! ザザァン!


「いよーし! んじゃあニケ! 予定通り頼むぜ!」


アタシが舟だと思ってやつは、帆船とか言って、舟は舟でもちょっと違うらしいんだけど……


あと、この大きな水場は海って言うらしいけど……


あの後、ゼラセのその帆船とかいうのに乗せられて……


「あ、あれに? うー……わかったよ! やるよ!」


とにかく、敵の帆船を沈めて来いって言われたんだよね!


だからアタシは今、困っている。


でも、アタシは絶対にセンタロストに行って、エルヴァルドに行くんだ!


それでレイを見つけるんだ!


「タラリア! アイギス! お願い!」


ゼラセの帆船から、タラリアで飛び立つ。


なんだっけ、敵。


えう……えう……エウローン……


「む、なんだあれは!」


あ、見つかった!


「弓持て弓! 構え!」


「「はっ!」」


そうそう。ゼラセが言ってた、エウローン帝国。


海賊国家デヴィングを配下にしようと時々攻めてくる、とか。


で、それを撃退して欲しいってのが、今回のアタシの仕事だった。


「敵と思しき者、空にあり! 撃て!」


エウローン帝国の帆船から、大声が聞こた。


そして何本もの矢が、雨みたいに降ってきた。


「アイギス!」


アタシの周りをくるくる回るアイギスは、矢の雨をカンカンと全部防いでくれる。


うーん。これがレイの言ってた"ちーと"ってやつかな?


なんか、あんな矢の雨が平気とか……


だんだん怖くなくなってきたかもしれない。


レイがいつも、安全安心とか言ってたけど……


傭兵団の時はレイがなんとかしちゃってたし……


今まであんまり使う機会なかったけど、ちょっと意味がわかってきたかも。


「隊長! 矢が全く効きません!」


「くそ……! なんなのだあれは! まさか……神か?! 神族が降りてきてしまったのか?」


いや……人間なんだけどな……。


降りてきたのは、降りてきたかもだけど……。


あ、仕事しないと。


「勝利の剣! お願い!」


アタシの声に輝きで応える勝利の剣。


バラバラっと広がって、アタシの周りに展開していく光の刃。


「あ……あれは……やはり……神なのか……」


「ああ……! 終わりだ……! 我々は、神の怒りに触れた……」


エウローン帝国の帆船からは、なんだかそんな声が聞こえた。


アタシ、普通の人間なんだけどな。


「行って! 勝利の剣!」


ビュビュッとすごい速さで飛んでいく光の刃は、帆船の帆を裂いて、船に穴を空けた。


「うおおおおぉ! すげぇぜニケ!」


ゼラセたちは、すごく喜んでた。

無事依頼をこなしたニケだが……

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