ニケ伝説 (13) ゼラセとの夜
要塞を制圧し、泊まり込むことになったニケたち。
アタシはニケ。15歳。
今、とても困ってる。
それというのも、少しだけ話をさかのぼるんだけど……
ハームストッド港要塞を制圧して……
ドン・ベッテュルが責任者と休戦協定の交渉をしてたんだけど……
結局決まらなかったみたいで、皇帝に手紙を出したみたいなんだよね。
それはいいんだけど。
アタシたち、皇帝の返事が来るまで、この要塞に泊まり込みみたいで。
「おう、ニケ。あんた、アタイと一緒でいいだろ?」
って、一応安全のために、数人で一部屋ってなったんだけど。
アタシは女同士ってことでゼラセと同室で、一週間……みたい。
「いやぁ! 爽快だったなぁ~~! 快勝、快勝っと!」
ゼラセは、部屋に入るなり、いきなり全裸になってしまった。
だからアタシは今、とても困ってる。
「ん? どうしたニケ? 変な顔して。」
「いや……ゼ、ゼラセがその……」
「あー! そっかそっか、あんた好きだったな、ほれ。好きなだけ触ってろよ!」
「いやちが……」わ、なくもないか。
なんか、ぼよんぼよんやわらかくて、なんでか安心するんだよな。
「あ、ゼラセ。今日さ、交渉? アタシ全然わかんなかったんだけど。ドンは何話してたの?」
レイは言ってた。知識は大事だって。情報収集はあーるぴーじーの基本って。
あーるぴーじーって何かわかんないけど。たぶん生き残るって意味だと思う。
アタシは生きてレイにまた会うんだから、聞ける機会にきいておこう。そう思った。
「ああ、ありゃエウロー大陸の情勢を武器に脅してたんだよ。ここの大陸だな」
エウロー大陸……
「エウロー大陸にはな、結構たくさん国があんだよ。エウローン帝国が一番でけぇんだけどな。
んで、オヤジが言ってたチカーム教国ってぇのは、大陸の南東にあっから、デヴィングからは遠いんだけどよ。まぁ、やべぇ話は結構有名でよ」
「やばい話?」
「おお。なんつったか……ああ、ソラーネだ。そんな名前のわけわかんねぇ神の子なんだってよ、アタイら人間たちはさ。んなわきゃねぇだろっての。創造の女神サマとかが創ったとかだろ、人間なんてよ。アタシも信心深くはねぇが、十二神教くらい知ってらぁな。あー、んで、チカームのやつら、その唯一神を信じねぇ奴らは神敵だっつって、皆殺しにすんだってよ。やべぇだろ? ははは!」
「え? それ、笑うとこ?」
「あ? だってよ、んな噓くせぇ話で国滅ぼしたりしてんだぜ? 笑うしかねぇぜ! ははは!」
アースガルズの宗教とは全然違うんだなぁ……
レイが言ってた、神を崇めるな、祈るな、そんな事に意味はないから意味を見出すな、って話……
レイは神様なのになんでだろって思ってたけど、そういうことなのかな?
うーん。こわっ!
ところかわれば……と、ニケには不思議なようだ。




