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『エルテナ』シリーズ

嘘しか付けなくなった令嬢は、正直者の騎士様に救われる

作者: 双海 慈雨

 昔々、あるところにとても嘘つきで、皆から嫌われている令嬢がおりました……ええ、何を隠そうこの私――伯爵令嬢“ネリシア・ヴァルトリーヌ”のことですわ。


 私がついていた嘘は、最初は本当にとても小さなものだったのです。


 けれど、それがいつしか癖になり、気が付いた時には『我が儘・傲慢・横暴・傍若無人』などなど……沢山の悪評を陰で囁かれるようになりました。


 そのせいで、あんなに可愛がってくれていた両親も、屋敷の皆も今では私を腫れ物扱い。ヴァルトリーヌ家始まって以来の“問題児”――家名の恥だとまで言われる始末。


 確かに私が全部悪いわ。でも……何もそこまで言わなくても良いじゃない!?


 私だって、今まで沢山の嘘をついたこと……周りを振り回したこと――本当に反省しているんです!


 時を戻せるのならば、今すぐに巻き戻したい。でももう、私は嘘しかつけなくなってしまったのです。


 何故なら、嘘をつきすぎた罰として――愛の女神『エルテナ』様から“本当の事が言えなくなる”呪いをかけられてしまったから。

 

 我が国は愛の女神『エルテナ』様の手によって創られた、なんて逸話がありまして。16歳になった国民は教会でエルテナ様に感謝を捧げる『敬愛の儀』が義務付けられておりました。


 私も、能天気にその儀式に参加しては『早く終わらないかしらー』なんて、非常に罰当たりな事を考えていた時でした。


『愛を知らない愚かな子――哀れなネリシアが真実の愛を見つけられるように』


「えっ!? 誰なの!?」


 まるで頭に直接響き渡る、とても美しい女性の声。その声と共に私の身体は柔らかい光に包まれたのです。


『貴女が本当の愛を知るまでは、“この力”は解けません』


 エルテナ様のその言葉を最後に――私は本当の事が話せなくなりました。何を言っても、正反対の言葉になってしまうのです!


『好き』は『嫌い』に。『ごめんなさい』は『私は悪くない』に……必死に誰かに助けて貰おうとしたけれど、本当の事が話せない私の言葉なんて、誰も理解してくれませんでした。皆一様に眉をひそめ、怪訝な顔をするばかり。


 気が付いた時にはもう全てが手遅れで……ますます私は嫌われ者の一人ぼっち令嬢になっていました。


 ……本当に、本当にやり直したいんです!


 もう、嘘もつきません。ちゃんと良い子になります。だからどうか、許してください!


 それにエルテナ様――誰にも本当の事が言えない状態で……どうやって真実の愛を見つけろと言うのですか!?

 

 そんな私の前に現れたのは“正直者の騎士”様でした。


 これは“嘘をつきすぎた私”と“正直者の騎士カイエン”様とのお話です。


 どうか皆様、愚かな小娘の昔話にお付き合い下さいませ。




◇◇◇◇





 私が嘘つき令嬢となった切っ掛け――全ての始まりは、我が家に妹が誕生した時の事。


 それは私が6歳の頃でした。我が家に妹の『セイラ』が誕生し、それはそれはおめでたい事だと……屋敷中がまるでお祭り騒ぎのようになりました。


「ねぇ、お父様ネリーと一緒に――」


 その日私は、いつものように絵本を読んで貰おうと廊下にいたお父様に声をかけました。


「すまないネリー、お父様は今とても忙しいんだ。他の人に遊んで貰いなさい」


「え……お父様?」


 いつもなら笑顔で私と遊んでくれるはずなのに……その日のお父様は私の方をチラリと一瞬見ただけで、多くの使用人達をつれ、バタバタとお母様のお部屋の方に行きました。


 今まで伯爵家の一人娘として、周囲の人達に蝶よ花よと育てられていた私は、お父様に“相手をしてもらえない”事が初めてで、とても強い衝撃を受けたのです。


「ねぇ、ジュリア――」


 仕方なく、お気に入りの侍女ジュリアに声をかけるけれど――


「すみませんお嬢様、今少し忙しくて! 後で沢山お読みしますからねー。ちょっと、誰かお湯運んで!」


 彼女も慌ただしく他のメイドと荷物を運んでいて――


「そ、そう……あ! じゃあ、アンドリュー貴方は――」


 それなら執事のアンドリューで、なんて思ったのに――


「すみませんお嬢様、ちょっとこっちも手が離せないんで! ……おい急げ、もうすぐお生まれになるぞ。他に何が要るって言ってたっけ?」


「えっと、確かタオルと……ダメだ分かんない。仕方ないから後は奥様の部屋のメイドに聞こう!」


 彼らもタオルやらシーツやらを両手に抱え、皆してお母様の部屋の方に駆けていくだけ。


 残された私は、ただ何もない空間に手を伸ばし絵本を片手に立ち尽くしました。


 そしてその後すぐに聞こえてきた赤子の泣き声……その時、言いようもない不思議な気持ちになりました。


 私はただ、ドレスの裾をぎゅっと握る事しか出来なかったのです。


「ネリー、こっちに来てごらん!」


 お父様に呼ばれて通された部屋には、白い布に包まれた、お母様そっくりな金髪の赤ん坊が一人。お母様に抱かれ、皆から愛しそうな目を向けられていました。


「どうだ? お前の妹の“セイラ”だよ。ネリーは私に良く似て赤毛だが……ミリアに似てこの子は美しい金髪だな!」


 お父様の何気ないその言葉……それがとても心に刺さりました。皆して、お母様に良く似て可愛いと口々に言うのです。


 なら……私は? お父様に似ていると、可愛くないの?


 それは些細な嫉妬心と、皆からの感心を奪われるんじゃないかと言う不安。その時、どうして良いのか分からなくなった私は――つい、ほんの出来心でお腹が痛いと嘘をつきました。


 ……全てはそこから始まったのです。


「お、お腹が痛いわ」


 その場に蹲った私の元に、皆が慌てて駆け寄って来ました。


「大丈夫かネリー!? 誰か、医者を呼べ!」


「お嬢様、どうされたのですか!」


「ネリシア様、大丈夫ですか!」


 心配そうな皆の顔を見て、とても……とても安心してしまったのです。その時に私は“ちゃんと愛されているんだ”と感じました。


 これがいけなかったのです。


 その日から私は、不安になれば周囲を試したり、嘘をついては、それに反応した皆に構って貰える事で安心する――歪んだ愛情の確認の仕方を覚えてしまいました。




◇◇◇◇





「今日はこのおやつの気分じゃないわ!」


 ジュリアが持ってきてくれたおやつのチェリーパイを、私はぐいっと押しのける。


「すみませんお嬢様、今日は何が良かったんですか?」


 少し困り顔のジュリアが、すぐにそのお皿を片付けた。


「ジュリアが考えて! “私の侍女”でしょう!」


「かしこまりました」


 私がそう言うと、決まってジュリアは私の好きな他のお菓子を持ってきてくれる。さっきのパイだって、別に嫌いじゃないけれど――“私の侍女”であるジュリアが、“私の為だけに考えて”出してくれたおやつの方がずっと嬉しかったの。だから、また小さな嘘ついた。


 折角作ってくれたシェフの気持ちなんて、考えもせずに。


 次の日も。


「これ、全然美味しくないわ! 今すぐ作りなおして!」


 私はテーブルの上のステーキを指差す。


「すみませんお嬢様、何がお気に召しませんでしたか?」


 私の言葉を聞き付けて、やってきたシェフが申し訳なさそうに私に尋ねてきた。


「お肉がパサパサで全然美味しくないの! もっとちゃんと丁寧に焼いて頂戴!」


「かしこまりました。すぐに作りなおして参ります」


「えぇ! 目を離しちゃ駄目だからね!」


 その様子を見ていた周りの大人達も、ちょっと困った顔で微笑むだけ……子供の我が儘だと、皆が黙って私の言う事を聞いていた。


 だから私は嘘をつく回数も、内容も、日増しに悪化して行ったわ。自分がどれ程迷惑をかけているのか、気付きもせずに。


「あのメイドが私の髪の色を笑ったわ!」


「セイラが私のオモチャを盗ったわ!」


「今日は具合がとても悪いの――」


「先生が私の事を――」


 全部全部……嘘だった。本当に、ただ構って欲しかっただけなの。


 だって……日増しにお母様に似て美しくなっていくセイラの事を、皆して褒めるから――誰にも見て貰えていない気がして、とても不安だったの。


 段々と私の我が儘や嘘が酷くなるに連れて、周囲の人達も少しだけ反応が悪くなってきた。


 その時に止めておけば良かったのに……私は最悪な事に、もっと酷い我が儘や嘘を言うようになってしまった。


 いつしか“構って貰う”事で感じられていた愛情が、“言う事を聞いて貰う”事でしか感じられなくなっていた。きっと感覚が麻痺していたのね。


 そんな私が16歳になる頃には、嫌われ者の令嬢、ヴァルトリーヌ家の問題児だなんて呼ばれるようになっていた。


 そして起こる冒頭の悲劇――エルテナ様からの呪い。


 私への罰が始まったわ。




◇◇◇◇





「……お父様――」


 教会から屋敷に戻った私は、お父様に今日の敬愛の儀の時に聞こえた不思議な声を説明しようとした時だった。


「エルテナ様なんているわけないわ!(先程エルテナ様とお話ししました!)」


 言おうと思っていた言葉が、何故か真逆の言葉となって口から溢れる。


「ネリー、お前はなんて不敬な事を言うんだ!」


「……え?」


 お父様を始め、周囲に居た人達が一斉に私の方を見た。その顔は「またこいつか」と言う蔑みの表情をしている。


「何よ、私間違ってなんかないわ!(ごめんなさい、でも違うの!)」


 また、まただわ!


 何故か思っている言葉とは真逆の言葉が出てくる。


「もう黙れ。お前は暫く部屋で反省しなさい、謹慎だ!」


「あらそう、なら結構ですわ。もうお父様とはお話ししたくありません!(お父様お待ちください、私の話を聞いて!)」


「早くコイツを連れていけ! ちゃんと見張っていろよ!」


 顔を真っ赤にして怒るお父様とは裏腹に……私は血の気が引いていく感覚がした。


 ……どうして?


 どうして先程から、全く違う言葉が出てしまうの!?


 そんな時、教会で聞いたエルテナ様であろう声を思い出す。


『貴女が本当の愛を知るまでは、“この力”は解けません』


 そこで私は理解する。


 あぁ……これはきっと罰なのね。


 ずっと、嘘ばかりついてきた私にとうとう“エルテナ様”がお怒りになったんだわ。だからきっと、呪いをかけられたのね。


 使用人達に連れられ、部屋に閉じ込められた私は一人ベッドで小さく呟いた。


「……私は悪くないわ(……ごめんなさい)」


 ポロリと、涙が溢れ落ちてくる。どうしよう、と思っても何も浮かばない。


 文字にして書けば、伝えられるのかしら?


 ペンを手にとって書いてみれば、文字だけは意味が反転しなかった。けれど、文字で説明した所で実際の言動がこれでは、きっと誰も信じてくれないでしょうね。


 この先……どうなってしまうのかしら?


 私はただ、途方にくれていた。



◇◇◇◇



「ネリシア嬢、本日のドレスとてもお美しいですわ!」


 親に無理やり連れていかれたガーデンパーティーで、一人の令嬢が声をかけてくる。


 嫌われ者だと遠巻きに見られることはあったけれど、こんな風に誰かに話しかけて貰えるなんて――本当にいつぶりかしら?


 あまりにも嬉しかった私は、つい呪いの事なんて忘れて、浮かれて喋ってしまった。


「見え見えのお世辞なんて、ちっとも嬉しくありませんわ(ありがとうございます、そう言っていただけてとても嬉しいですわ!)」


「……え」


 しまった、と思った時にはもう遅い。私の口からは既に酷い言葉が出た後だった。


「あ……」


 私が手を伸ばそうとした時、その令嬢は「失礼しますわ」と私を睨みながら去っていく。


 ……久しぶりに誰かに話しかけて貰えたのに。また、嫌われてしまった。


 エルテナ様の呪いがかかって以来、私は益々周囲から距離を置かれるようになってしまった。


「一人の方が気楽だわ(……寂しいです)」


 まるで、自分の身体なのに自分では無いかのよう。


 今日だって、本来なら年頃の貴族の令息令嬢達の婚約者を探す場だと言うのに……私の周りには誰も寄ってこない。皆遠巻きにヒソヒソとこちらを見て何かを話している。


 えぇ、分かります。きっと陰口なのよね!


 私だって……自分のような人間が居たら、きっと皆様と同じことをするはずですもの!


 けれど、本当に少しばかり……いえ、かなり悲しいわ!


 私が心の中で涙を流している時、一人の男性が話しかけてきた。その人は紺色の髪がサラサラと美しく、とても整った顔立ちの人だった。


「初めまして、ご令嬢。俺はグラディオン辺境伯家のカイエンと申します……良ければご一緒しても?」


 我が家よりも格上で、ましてやとてつもなく顔面の強い男性に突然声をかけられて、一瞬思考が停止した私は慌てて挨拶を返す。


「初めまして、ヴァルトリーヌ伯爵家のネリシアですわ、カイエン様――」


 咄嗟の事で、呪いの事を忘れていた私は、本当の事を口走ってしまうのです。


「――全然よろしくないわ!(えぇ、ぜひ!)」


 ――やってしまったあぁあああぁ!


「えっ」


 驚きに目を見開いたその人は、ポカンと口を開けていた。私は何度も心の中で謝り倒す。


 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。本当に申し訳ありません!


 何て私は、馬鹿なのかしら!?


 慌てて青ざめる私に、カイエン様は戸惑いながら尋ねてきた。


「その……私が何か失礼をしてしまいましたか? もし、何か気に触られたようでしたら謝罪させて下さい」


「えぇ、是非ともお願いします!(謝罪なんて結構です!)」


 目上の相手に謝らせる訳にはいかない、と言う焦りでまたやらかしてしまう。


 ……もういっそ、このまま消えてしまいたいわ。こんなの不敬なんて物じゃないでしょう。どうしてこうなるのよ。


 絶望でほぼ灰となりかけている私に、カイエン様は驚きながら続けた。


「……そんなにも堂々と言われると、少しばかり傷付きますね。教えて下さい、俺のどこが駄目でしたか? それとも……もう話しかけない方が良いでしょうか」


 このお方は、こんな私にもまだ丁寧に接する姿勢でいるだなんて!


 ……これ以上優しい方を傷付ける前に、そして馬鹿な私がもっと墓穴を掘る前に終わらせなくては。


 私は、カイエン様に真剣に伝える。


「お気になさらず、もっと話しかけて下さいませ!(すみません、もう私に話しかけてこないで下さい!)」


 そうでしたわ……それはそうなりますわよね!?


 駄目だわ。何もやっても、裏目に出てしまう。またもや私の想定とは真逆の言葉が出てしまい、場の空気が凍った。


 いよいよもう、頭のおかしい女だと思われているに違いない。現に周囲からは、異質な物を見るような視線が突き刺さっている。


 そもそもどうしてこの人は……ここまで私に絡んでくるんですか! 放っておいてよ!?


 血の涙を流しそうになるのを必死に耐えている私に、カイエン様は目をぱちくりと瞬かせた後、吹き出した。


「……くっ……あはは! ご令嬢はとても面白いですね。初めて出会うタイプだ! 是非とも仲良くなっていただきたい」


「ええ勿論、とても光栄ですわ!(はい!? 勘弁してください!)」


「嫌われてなくて良かった。では俺はそろそろ行きますね、また手紙を送ります」


「分かりました。お待ちしておりますわ!(ちょ、ちょっと待ってください! 無理ですって!)」


 カイエン様は私の手を取ると、そっと口付けを落とした後、その場を後にする。その遠くなる背に向けて伸ばした私の手が、空を切った。


 完全に終わったわ。


 何て言い訳をしようかしら。正直に呪いについて伝えるべき……?


 でも格上の相手に対してそれは――馬鹿にしていると取られでもしたら、いよいよ終わりじゃないかしら?


 私の頬に、嫌な汗が伝っていく。


「待ち遠しいわね。とても楽しみだわ!(本当にどうしましょう。断らなければ!)」


 文字だけなら、まだどうにかして挽回が出来るはず。私を取り巻く周囲の令嬢達から聞こえる「なぜあの問題児がカイエン様と……?」と言うヒソヒソ声など気にしてる余裕が無かった。


 まだ、身体と頭は“サヨウナラ”したくないわ。仲良く“こんにちわ”しておきたいのよ。


 エルテナ様……お願いですから、土下座でもなんでもします。今すぐこの呪いを解いて下さいませ!


 私は心の中で何度も叫んだ。



◇◇◇◇



 あの大失態を犯したガーデンパーティーの後、私はこってりと両親に叱られた。


 分かっているわ。勿論全ては私が悪いのだけれど……呪いなのだから仕方ないじゃない!?


 何度か両親に分かって貰おうと説明を試みたけれど――どれも裏目に出てしまった。


「勝手に傷付いたんじゃない。私は悪くないわ!(違うんですお父様、すみません、これも全ては呪いのせいで!)」


「……お前は本当に……少しはセイラを見習ったらどうだ!」


「何よ、絶対に嫌よ!(私も見習いたいんです!)」


「もういい。今すぐ部屋に行きなさい!」


 部屋を追い出された私は自室のソファーに倒れこんだ。


「……はぁ」


 もう一生、このままなのかしら。


 ボンヤリと外を眺めていた所に、ノックの音が響く。


「お嬢様、グラディオン家のカイエン様からお手紙です」


 その言葉と共に、渡された一通の便箋。


 受け取ったそこには、この間の謝罪と今度どこかに出掛けませんか? と言う内容が書かれていた。


 ……何を考えているのかしら?


 あの出会いは、好意的に見て貰える要素が一ミリも無かったはずなのに。一体――本当の狙いは何なの!?


 完全に疑心暗鬼になった私は、丁寧に謝罪の言葉と、お断りの文言をしたためた。


『先日は大変なご無礼を働いてしまい、誠に申し訳ございませんでした。貴方様の海のような寛大なお心に感謝いたします。そして、私は思っていなくても勝手に暴言を吐いてしまうのです。あなた様を不快にさせる恐れがあります故、出掛ける事が出来ません。どうかお許しください。PS.もう手紙も送ってこないで下さい』


……多少は無礼かもしれないけれど、どうせこの手紙で終わるんだし。一度目の無礼をお許し下さった寛大な心で、最後の無礼もお許しください!


 そんな希望を込めて、早速お返事を送った。


 数日後。私の元に、あまりにも予想外の返信が届いた。そもそも返信が来たことすら予想外ではあったのだけれど!


『貴女はどこかハリネズミに似ていますね。必死に棘を向けるのは、傷付くのが怖いからなのでしょうか? 益々興味が湧きました。可愛らしく、面白い貴女の事がもっと知りたいです PS.お手紙は継続です』


 一方的に継続が決定してるわ!?


 いやまぁ、私も一方的に終わらせようとはしたけれど……この人も相当に変な人なのね!?


 負けじと私は返信を送る。


『私が可愛いですか? 新種の病気かもしれません。最近腕の良い医者と知り合いました。いつでもご紹介いたしますわ PS.継続はいたしません!』


 ……これでもう、流石に送ってこないでしょう!


 今度こそ本当に不敬だと叱られるかも知れないわね。でももう良いわ!


 そんな私の気持ちとは裏腹に、また返信が届く。


『医者なら既に揃ってます。もし興味がおありでしたら、良ければ一度ご覧になられますか? PS.室内と室外なら、どちらがお好きですか?』


 ……私の手紙、途中ですり変わったりしてないわよね?


 私は夢中でペンを走らせる。


『いえ結構です。カイエン様は、お時間があるのかしら? きっとお忙しいと思いますので、私の事は“一切”お気になさらずに、どうか健やかな日常をお過ごし下さいませ PS.勿論、人が少ない方が好きですわ』


 ……最後のは別に、聞かれたから答えただけだわ!


 断じて、久しぶりに誰かとするやり取りが少し楽しくなってしまったからではない。決して、ええ、本当にただの気まぐれなのよ!


 誰に聞かせるでもなく、私は自分にそう言い聞かせた。


 でも、それからしばらく経ってもカイエン様からの“返事”が届く事は無かった。


 まぁ、あんな手紙を送ったのだもの。当たり前かしら。でも少し……寂しいだなんてね。一体、どこまで私は我が儘なのだろうか。


 今頃カイエン様は……どうしているのかしら?


 そんな事を考えながら、私がぼうっと窓の外を眺めていた時、部屋にノックの音が響く。


「はーい。どうぞー」


 気だるげに私が返事をすると――


「やぁ、ネリシア嬢。これから少し出掛けませんか?」


「はい!?」


 ――メイドに連れられて入り口に経っていたのは、カイエン様その人だった。



◇◇◇◇



 ……一体、何がどうして、こうなったの!?


 パカパカと、馬の蹄が地面を蹴る音がテンポ良くリズムを刻む。私は今、カイエン様と馬に相乗りをし、少し遠くの泉までお出掛けしている。


 カイエン様はこの国の騎士団長をされている凄い方らしく、人が少ない方が良いと言っていた私の言葉を覚えていたのか『俺が必ずネリシア嬢をお守りするので護衛は必要ありません』とお父様を説得していた。


 そんなカイエン様に、お父様も『カイエン殿の側なら、世界一安全でしょう』と笑顔で私を送り出す。


「……そう言えば、今日は前に言っていた泉に行こうかと思っているんですが」


 カイエン様のその言葉に、私は違和感を覚える。泉の話なんてしたことが無いわ。


 怪訝な顔の私を見て、カイエン様は少し黙った後静かに言った。


「……もしかして、俺からの手紙――お読みになっていませんか?」


「……手紙?」


 私の胸がドクドクと脈打つ。


「えぇ……貴女が人が苦手だと教えてくれたので、それならば人のいない泉を見に行こうと、いつ頃が良いのか、と送りました」


 ……そんなお手紙来ていないわ。カイエン様はちゃんとお返事をくれていたの?


「……お返事が無かったので、今日は待ちきれなくて突然の訪問となってしまいましたが……まさか、届いていませんか?」


「あ……」


 不味いわ、今本当の事を言うと別の言葉になってしまう!


 私はコクコクと深く頷く事しか出来なかった。


「……少し、調べてみますね。でも先ずは、貴女に嫌われていなくて本当に良かったです。正直今日は断られるだろうと思っていましたから」


 そう言うとカイエン様は爽やかな笑顔を向けてくる。私はその笑顔がとても眩しく感じた。


「ネリシア嬢は今日のデート……楽しいですか? 俺はとても楽しいです」


「全然、楽しくありませんわ!(とても楽しいです!)」


 私は咄嗟に自分の口をおさえた。


 どうして……どうしてちゃんと伝えられないの!


 私はもう嘘をつきたくない……カイエン様を傷付けたくは無いのに!


 泣き出しそうになる私を見て、カイエン様はとても優しく微笑んだ。


「……そんな不安そうな顔をしないで。ネリシア嬢の今の言葉は――恐らく本心とは違うんですよね?」


 どうして、分かるのかしら。


 私が尋ねようと口を開こうとした時、カイエン様の人差し指がそっとそれを制する。


「……つきました。詳しい話はそこでしましょうか」


 そう言うと彼は先に馬から降りて、フワリと私を抱き上げる。私達が辿り着いたのはとても美しい神秘的な泉だった。


 私達は泉のすぐ側に腰かけると、キラキラと太陽の光を反射する水面を眺めて、カイエン様は静かに語り始めた。


「ここは“真実の泉”――またの名を“エルテナの泉”と呼ぶ、隠れた名所です。この泉の前では誰もが正直になるそうです。少し奥まった所にあるせいか、とても美しいのに余り訪れる人が少ないんですよね」 


 私はただ、黙って話を聞いていた。


「……俺の家は昔から、騎士の家系でした。幼い頃から“敵意”や“殺気”なんかにいち早く気が付くようにと、とても厳しい訓練を受けてきました」


 そうだったんですね、と言う言葉の代わりに私は深く頷く。


「そんな事を繰り返すうちに、いつしか人の“悪意”が色で見分けられるようになったんです」


「……え」


「邪な考えを持つ者達は、赤黒いモヤのような物を纏ってる……でもね、ネリシア嬢だけは寂しげな淡い水色でした。だからとても気になって、あの日声をかけたんです」


 そんな事があっただなんて。


 ……でもカイエン様、私なんてきっと誰よりも邪な考えの持ち主ですわよ!?


 エルテナ様に罰を与えられてしまった程には、酷いと言う自覚がありますもの。


 驚く私をよそに、カイエン様は続けた。


「こんな特異な力のせいで、人の悪意のある嘘にも敏感なんですが……ネリシア嬢の嘘は“悪意”が感じられないんですよね。不思議です……貴女は“仕方なく”嘘をついているように感じるんだ」


 膝を抱えて、そこに頭をのせたカイエン様は私の方を見て微笑んだ。きっと……この世界中の女性が皆、カイエン様に恋をしてしまう程の甘い笑顔で。


「俺は貴女が、まるで小さいハリネズミのように見えます。可愛くて、気になって仕方ない。どうか……貴女の事を教えてくれませんか?」


 その言葉に、私はポロポロと涙を溢す。カイエン様なら、本当の言葉を分かってくれるかもしれない!


 本当の事を、何も気にせずに話してしまおう。そう決意して、私は口を開いた。


「エルテナ様もご褒美をあげたくなる程、私は小さい頃から皆に愛される正直者ですわ!(これはエルテナ様からの罰なのです、小さい頃から嘘をつき続け、沢山の人に迷惑をかけた私への)」


「……」


「私はずっとこのままでいたいわ! だってとても賢い大人ですもの(でも今は深く反省しています、あまりに愚かで、分別のつかない子どもでした! 私は変わりたいのです!)」


 私の涙を、カイエン様の指がそっと拭う。


「貴女の本当のお気持ちは、十分伝わりました。ずっと、後悔してらっしゃったんですね」


「いいえ!(はい!)」


 まるで幼い子供のようにしゃくり上げる私を、カイエン様は優しく抱き締めてから、頭をポンポンと撫でてくれる。その大きな身体に、私は必死にしがみついた。


「……こんな時に、こんな事を言うのは申し訳無いのですが。俺は本当にネリシア嬢が可愛くて仕方ないのです……良ければ、俺と婚約してくれませんか? これからずっと貴女の側で、その愛らしい嘘を聞かせて欲しい」


「勿論ですわ! 私と婚約してカイエン様も皆から嫌われれば良いわ!(ダメです! 私と婚約したらカイエン様が皆から嫌われるかもしれません!)」


 私の必死の叫びに、カイエン様は声を上げて笑った。


「……あはは! それは望むところだ。俺は貴女に好かれてさえいれば、それだけで良い」


「……賢い人ね(馬鹿な人ね)」


「……今馬鹿って言いました?」


 私達しかいない美しい泉に、楽しげな笑い声が響き渡る。呪いがかけられた日から初めて――私はとても幸福な気持ちに包まれていた。


 私達はその日泉から帰ったその足で、両親に婚約の話をしに行った。




◇◇◇◇




「私は反対です! どうしてお姉様なのですか!」


 喜んだ両親とは対照的に、珍しく妹のセイラが大きな声をあげた。


「セイラ……」


 両親も、私も……そしてカイエン様も、その場にいた皆が驚きを隠せずにいた。


「私だって、私だってカイエン様が好きなのに! それにお姉様はとても意地悪で酷い人なのよ! カイエン様が不幸になるに決まってるわ、ねぇ皆、そうでしょう!?」


 その言葉に、使用人達がヒソヒソと騒ぎ始める。


 ……確かに、セイラの言う通りだわ。彼女がカイエン様の事を好きだと言うのは少し驚いたけれど――私はセイラのように美しい見た目でも無ければ、優しい人間でも無い。


 カイエン様だって、赤毛の嘘ばかりつく令嬢よりも、この美しい人気者から好かれた方が、きっと良いに決まってる……けれど、頭では何が最善か理解していても、私は動けなかった。


「カイエン様、私ではダメですか!?」


 セイラはカイエン様に駆け寄り、ぎゅっとその手を取った。まるでお似合いな二人の姿を見て、私は棘を飲み込んだかのように胸がチクリと痛む。


「……申し訳ありませんが、俺にはネリシアしか考えられない。セイラ嬢、貴女は彼女を誤解しています」


 パッとセイラの手を払うと、カイエン様はにこりと微笑んだ。そして私の方を真っ直ぐ見て、尋ねる。


「ねぇ……ネリシア。貴女は俺の事をどう思っていますか?」


 一斉に皆の視線が私に集められたのを見て、私は両手の拳を強く握り、大声で叫んだ。


 カイエン様はこんなダメダメな私の事も、しっかりと受け止めて下さったわ。そんなカイエン様の事が私は――


「大嫌いですわ!(大好きですわ!)」


 ポカンと口を開ける周囲をよそに、カイエン様はまた声を上げて笑った。


「……ふっ……あはは! 本当に面白い。俺も、大好きですよ?」


 カイエン様の言葉に私の顔は真っ赤に染まる。ちゃんと分かってくださったみたいだわ。


 安堵する私とは裏腹に、セイラが大声で叫んだ。


「有り得ないでしょ……どうしてそうなるのよ!? そうだわ、カイエン様。私と真実の泉に行きましょう! そしたらきっと、私の良さが分かるはずですわ!」

 

 その言葉に私の胸がざわめいた。


 どうして……泉の事を知っているの?


 セイラの発言で私とカイエン様の動きが止まる。もしかして、と嫌な想像が頭をよぎった。


「……俺のネリシアへの手紙を隠したのは、貴女だったんですか?」


「あ、えっと、ちがいます……私は……」


「……セイラ?」


 アワアワと慌てふためくセイラは、その大きな瞳から、ポロリと涙を溢した。


「だって、おかしいじゃない! どうしてお姉様なのよ!」


「セイラ、貴女……」


 その顔はとても悔しそうに歪んでいた。


 確かに私は今まで、ちっとも良い姉では無かったわ。それなのに自分の好きな人が、意地悪な私へと興味を持っている事が……とても悔しくて、許せなかったんでしょうね。


 私もよく知る感情――“嫉妬心”


 そんなセイラの気持ちを考えたら、とても叱るだなんて出来ない。妹の姿が、まるでいつかの私の姿と重なる。


 セイラには私のようになって欲しくないわ!


 ダメな事はダメだと教える事も、きっと正しい愛の形でしょう。私の言葉で、どこまで伝わるかは分からないけれど……私には、理解してくださるカイエン様がいらっしゃる。きっと助けて下さるから。


 勇気を持って、私は口を開いた。


「ごめんなさいセイラ。そして、貴女の気持ちは良く分かるわ。とても不安で、悲しくて、悔しかったのよね?」


「……お姉様」


「でも盗むこと、嘘をつく事は絶対にダメよ。意地悪な心を持つ者の事を“エルテナ様”はちゃんと見ているの」


 私は自分の言葉がちゃんと伝わっている事に、まだ気が付いていなかった。


「ねぇ、セイラ。そして皆様、今まで本当にごめんなさい。私が愚かで馬鹿だったわ。これらはちゃんと良い子になります。だからどうか、もう一度チャンスをいただけないかしら」


 深々と頭を下げた時、カイエン様が驚いた声をあげた。


「ネリシア……君、言葉が」


「え……本当だわ!」


 驚きのあまり、私は確かめるように何度も声に出す。


「ごめんなさい……みんな、本当にごめんなさい! ずっとずっと、ちゃんと謝りたかったの! やっと……やっと言えたわ!」


「お姉様が……謝った?」


「ネリシア、お前」


「あのお嬢様が……?」


 皆が信じられない物を見るかのように、口々に呟く。私はカイエン様の側まで駆け寄ると、何度も声に出して叫ぶ。


「カイエン様、大好きです! 本当に本当に大好きよ、貴女はこんな馬鹿な私にも優しくて、暖かくて、それにそれに……ああ、ちゃんと言葉を伝えられるって、なんて幸せなんでしょう! もう一度言わせて、大好きよ!」


「ネ、ネリシア……その、分かりやすい嘘も可愛いけれど、素直なネリシアも……これはこれで中々来るものがあるね」


 カイエン様は口元をおさえると、顔を真っ赤にして呟いた。開いた隙間から嬉しそうにニヤケているのが分かる。


 その熱が伝染して、私も自分の大胆な発言に途端に恥ずかしくなる。


 ――あぁ、本当の事が言えるのが嬉しすぎて、つい言葉にしてしまったわ!?


 そんな私達の甘ったるい空気を見て、セイラが呟いた。


「何よこれ。こんなのもう敵いっこないじゃない。私……本当に馬鹿みたい」


「……セイラ、私」


 私が声をかけた瞬間、セイラはプイッと顔を反らした。けれど、その頬には一筋の涙がつたっている。


「……カイエン様の事、傷付けたら許さないわ! それと……手紙を隠してごめんなさい、お姉様」


 その言葉に、私は思わず笑みが溢れる。


 ――エルテナ様……セイラは私と違って本当に良い子ですわ。ちゃんと謝る事が出来るもの。私もしっかりと見習わなくてはダメね。


「えぇ、約束するわ。謝ってくれてありがとう、セイラ。そしてお姉様も、今までの事……本当に申し訳ないと思っているわ。ごめんね」


 お父様達も、メイド達も……皆が優しい眼差しを向けてくる。


 これから私は皆の信頼を取り戻す為に、しっかりと頑張りますわ!



◇◇◇◇



 あの日から一年後、私達は家族に見守られながら盛大な式を挙げた。


 エルテナ様に永遠の愛を誓い、キスをした時だった――


『おめでとう、ネリシア。真実の愛を見つけた貴女に女神の祝福を――貴女はこれから、沢山の愛に包まれるでしょう』


 またハッキリとエルテナ様の声が聞こえた。


「……ありがとうございますエルテナ様、本当に感謝しますわ」


「ネリー、どうしたの?」


 愛おしい旦那様が、私の事を不思議そうに見つめる。


「何でもありませんわ。ただ、幸せだと思ったのです」


 ブライダルシャワーと共に、空からキラキラとした光が降り注いだ。


 誰もがその不思議な光に、エルテナ様からの祝福だと喜んだ。


 後にそれは『自らの過ちを反省した令嬢が、真実の愛を手に入れ……女神に祝福される結婚式を挙げた物語』として年頃の令嬢に大人気の観劇になったのでした。


 これが私の昔のお話です。皆様、ここまでお付き合い下さりありがとうございました。


 少しだけ、今の私の事も聞いてくれますか?



◇◇◇◇




 ――あの感動的な結婚式から数年後。グラディオン辺境伯の屋敷に、一人の赤子の泣き声が響く。

 

「本当にありがとうネリー、良く頑張ってくれた。ついに僕達の宝物が生まれたんだね……ほら、ご覧? ネリーに良く似た薔薇のように綺麗な髪色も、この小さな顔も、全部が可愛いよ」


 私と良く似た赤毛の男の子を抱き上げた旦那様は、とても愛おしそうに、目を潤ませながら微笑んだ。


「えぇ、でも元気な泣き声はカイにとても良く似ているわね」


「それはどうかな……ネリーもお転婆でしょう?」


 愛しい人の言葉に、私達はクスクスと笑いあう。幸せに溢れた私の顔を見て、旦那様が尋ねてきた。


「ねぇネリー、君は今幸せ? 俺とこの子の事……好き?」


 私はその言葉に、悪戯っぽく答えた。


「ちっとも“好き”じゃないわ……だって、大好きどころか、心の底から“愛してます”もの!」


 私の答えを聞いた旦那様が、愛おしそうに目を細める。


「俺もネリーとこの子を心の底から愛してるよ」


 旦那様のその声に、私は胸が一杯になる。


 私達の周りに集まっていた使用人達が『また始まった』と呆れながらも……でも、とても優しい顔で私達を見つめている。


 そんな様子を見て、私は思うのだった。


 今なら分かります、エルテナ様……あれはきっと罰でも呪いでもなく――私に真実の愛を教えるための、エルテナ様からの試練だったのですね。


 本当の愛を知ってから、私はとても幸せになる事が出来ました。


 どうか、この幸福がいつまでも続きますように。


 空からその様子を見ていた愛の女神は、ひっそりと微笑んだ。


『この子はもう大丈夫ね。じゃあ今度は……あの子を見守ろうかしら? 次は“愛が見えるようになる力”なんて面白そうだわ!』


 女神の視線の先には、ピンク色の髪をした一人の令嬢の姿があった。


――Fin


いかがでしたでしょうか?

ここまでお付き合い下さり、本当にありがとうございました!

少しでも良いなと思っていただければ、是非ブクマと評価をお願い致します(^^)

感想など戴けると……作者はとても嬉しいです。泣いて喜びます。

今回はネリシアとカイエンの短編ですが、実は同じ世界線で『エルテナ様』から女神の加護である『愛の可視化』と言うスキルを授けられたシェリルと言う令嬢が主人公の長編も執筆しております!

そちらも“ギャグ×コメディー×感動”となっておりますので、興味をお持ちいただければ、覗いて戴けると幸いです。(クスッと笑えるシーンも用意していますよ!)

重ね重ねになりますが、お読みくださりありがとうございました。皆様にエルテナ様からの祝福がありますように。

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