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1-7 五回戦

1日目の最後、五回戦目の周回に入ってきた。

ここまでの4戦で全勝の力士も居る中で、我利山田君は1勝3敗。

ただ、全敗をまぬがれただけヨシと言う所だと思う。

ここまで、我利ノ山部屋の力士は苦戦していて、3人皆1勝3敗と苦戦している。

我利ノ山部屋は、見た目スリム以下ガリガリまで居るので、対戦相手からすると勝ちが見込める相手なんだろう。ちょっと上から目線で見られてる感じを受ける。

ただ、本人たちは至って真面目に戦っている。

そんな我利ノ山部屋が僕は好きになり始めている。


五回戦目の我利山田君は先ほどの熱戦からさほど間もなく対戦が組まれている。ちょっと不利かも知れない。


対戦相手は、綱の(つなのさと)。横ノ綱部屋(よこのつなべや)の力士だ。

その名の通り、横綱が生まれるようにと願った部屋のようで、この相撲大会の中でも立派な体格をした力士が所属している。

綱の里はここまで4連勝中。

身長は174cmだが体重は66kg。

少しポッチャリに近い力士だ。


土俵に上がると、我利山田君との体格差は格別だ。

下から見上げてる綱の里がここまでの連勝から来る自信からか威圧しているようにも感じる。


対する我利山田君も先ほどの勝ちで自信が付いたのか、自然体だ。何故かこちらを見て来る余裕も見せている。


時間になった。

「ハッキョイ ノコッタ!」


バチンと当たり、綱の里が我利山田君の両下手を取った。我利山田君は長い腕で背中から上手を取ったが少し後手に回ってる気がする。


綱の里は何故かそのままじっとしているように見える。嫌な予感しか無い。

我利山田君は右上手で投げを打とうとしたがびくともしない。そこで、状況が動いた!


綱の里の脚に力がこもったと思ったら、一気に我利山田君を持ち上げた。吊られて右足を綱の里の膝に掛ける我利山田君だがびくともしない。

そのうち、我利山田君を肩に担ぎ上げる綱の里!


長身の大人だが、たった46kgしか無い我利山田君。20kgの差で圧倒されている。

そのまま土俵際に連れていかれ、子供のように身体を土俵に付けられあっさり負け。周りからは笑いも起きる。


悔しいのだろうが、我利山田君、最後は深々と頭を下げて土俵を下りた。

我利山田1勝4敗。

綱の里5勝。

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